このブログですが、
地味に右側にアンケートがあります。
二つほどアンケートをのせていたのですが、
結果を発表してなかったのでそろそろ公表します。
といっても、
アンケートのところで結果を見れば見れてしまうんですけどね。
順番は前後しますが、
最近の方のアンケートは
「クモ膜下出血後の社会復帰率は?」
という質問でした。
「親の介護費用にいくらまでならだす?」
という質問に関してはまた次回の記事にします。
さて、
一般的なクモ膜下出血のイメージが知りたくて作ったアンケートですが、
結果は、
10% 14 票
30% 11 票
50% 6 票
70% 1 票
90% 1 票
でした!
10%という人が最多数ですね。
30%以下と考えている人が75%を占めるようで、
よっぽど重篤な病気というイメージなんだなと感じました。
では、
実際のところはどうなんでしょうか。
クモ膜下出血という病気がどんなものかというのに関しては、
前に記事を書きましたので、
興味がある人は↓を参考にしてください。
この前の記事にも書いてありますが、
もっとも現実に近いのは
30%
です。
もちろん、ひとえにクモ膜下出血といっても重症度によって変わってきますので、
一概にどうとは言えません。
あとは年代によってもかなり差があるので、
若い方に関してはもっと数字が良いです。
しかし、全体で平均して見てしまうとこんな数字です。
単純に書きますと、
1/3はクモ膜下出血を発症するとたいていは手術もできない状態で、そのまま亡くなります。
そして残りの2/3は手術を受けることになります。
そのうち半分はなんらかの障害をのこすことになり、半分は社会復帰ができるということです。
もちろん、
手術の適応と判断された方の中にも術後亡くなる方はいらっしゃいますが、
逆に言えば、
病院に運ばれ、手術にまで漕ぎ着けれる方の50%近くは社会復帰できるわけです。
なので治療が重要なのですね。
もちろん、
意識状態や年齢などの要素でこのパーセンテージは変わってきます。
意識状態がよくて、年齢が若ければもっと良いです。
ちなみに、
発症してそのまま亡くなる方というのは発症後から意識のレベルが極めて悪い患者さんです。
この発症後の意識状態というのが、
術後の回復度に大きく影響します。
たとえば、
ある国際共同研究のデータによると、
クモ膜下出血を発症しても、頭痛などの症状のみで意識が保たれている方の
術後の社会復帰率は 78%を超えます。
社会復帰、社会復帰と言っていますが、
具体的にはほとんど何の後遺症も残さないことだと考えてください。
多少傾眠傾向の状態でも、
後遺症なく復帰できる割合は58%です。
一方で完全な昏睡状態では 13%近くまで下がりますが、
どうでしょう?
アンケートの結果よりは悪くはないと思いませんか?
亡くなってしまうような場合はどちらにせよ、
発症直後から意識がないようなケースばかりです。
自分がクモ膜下出血だと分かるような方はある程度発症後の意識がいいということですから、
そういう場合は半々よりも高い確率で社会復帰できうるのです。
なので、絶望的になりすぎる必要はないのです。
読んだらクリックしてね↓
このブログの順位がわかります↓
当ブログが電子書籍と紙の書籍で書籍化されています。
オンラインでの注文は↓から。是非読んでみてください。
電子書籍↓
- サクッと読める!「脳」の話/名月論
- ¥300円
- Amazon.co.jp
紙の書籍↓
誰も教えてくれない脳と医療の話 脳神経外科の現場から/名月 論
¥1,365 Amazon.co.jp
- 誰も教えてくれない脳と医療の話
- ¥1,365
- 楽天
読んだらクリックしてね↓
このブログの順位がわかります↓