信濃諏訪を訪ねて　その２１「その名もまさしく『聖石遺跡』」

与助尾根遺跡の復原住居を見学したあと、尖石縄文考古館の特別展示室で見た『聖石遺跡展』に強烈な関心を持ったので、考古館の職員さんに聖石遺跡の場所を尋ねてみました。

聖石遺跡はすぐ近くとのことでしたので、早速、車で移動しました。

【聖石】

聖石遺跡という名前は、この画像の「聖石（ひじりいし）」と呼ばれる石に因む遺跡で、4500年前の集落です。

ちなみに、尖石縄文考古館で見た資料展示の多くが、今回初めて公開されたものとのことで、大変貴重な資料をたくさん見学することができ、ラッキーでした！

この特別展は2012年7月14日から2012年11月25日までなので、ご興味をお持ちの方は、是非とも考古館をご訪問下さい！！

この聖石遺跡は非常に重要な遺跡で、長野県内最大級の大規模な土木工事跡が見つかっており、大量の石を沢から引き上げて敷石住居や石囲い住居が作られていました！

また、土に甕を埋め込むという「埋甕（うめがめ）」などの特殊な設備も多数発掘され、呪術的な風習が存在していたと予想されます！

聖石遺跡は平成9年から11年に渡って調査が行われましたが、土地所有者のご都合で、調査後は全面破壊されてしまったのです。

これはとても残念なことで、もう取り返しがつきません…。

上の聖石の画像は、現在の聖石の状況ですが、圃場整備された棚田の横にポツリと置かれています。

本来据えられていた位置からは、恐らく移動されているでしょう。

また、聖石の周囲に存在していたはずの石組みも失われてしまったことでしょう。

聖石１つだけがこの遺跡のどこかに単独で存在していたとは思えません！

私は、複数の石を用いて組上げられた複合的な施設であると推測しています。

つづく