三輪緑地基本計画 | 農に学ぶ。

農に学ぶ。

すべての命をいつくしみ、
思いやりとやさしい気持ちを忘れずにいたい。

先週の日曜日、同じフィールドで活動する野鳥の会の皆さんと会合を開いた。野鳥の会7名、農に学ぶ4名の計11名での大変有意義な打ち合わせとなった。

実はあまり知られていないが、この里山の一部が「三輪緑地基本計画」の対象となっている。(詳しくは http://www.nounimanabu.net/event/satoyama/201102-62.html )町田市が進める計画で、今春、平成21年度三輪緑地基本計画の報告書が関係者に配布された。当日は今後の対応についてこの報告書をベースに様々な情報交換を行った。

当日の会合は農に学ぶ代表の木村さんの「まずは横の繋がりを作っていきましょう」という言葉から始まった。しかしその場の空気は今更やっても遅いのではという少々重たい空気でスタートした。

これまで町田市が主催した会合に他の団体も合わせて参加していたのだが、同じ里山を利用する者同士の横の繋がりが希薄で、今まではそれぞれ自分の団体の主張を行政へぶつけるだけの展開だった。

以前もブログに書いたことがあるが、このフィールドは町田市と横浜市の行政上の境界線上にあり、対応が実に難しい場所だ。利用者側は行政側の連携を求めるものの、肝心の利用者側の繋がりや信頼関係がないことに私自身疑問を持っていた。

話してみてわかったことだが、これだけ情報技術が発達した時代において、お互いのことを知らないというだけで色んな情報が入ってこない。すぐ裏の里山で何が起こっているのか何も知らないのだ。例えば、里山の三輪側はオオムラサキの生息地であるとか。8月に農に学ぶ。でも生き物調査を行っていたが、水辺の生き物と山の中にいる生き物と随分生息する種類も違うのだと知った。

他にも、先日ブログでも紹介した耕作放棄地までに続くけもの道が通称「ヘビ街道」と呼ばれていたり、確かにそこは棚田であったとか。そこが水田だったころにはベニマシコやミヤマホウジロなどの鳥が多く生息していたことなど、色んなことを教えてもらった。

話しの流れで、自然農で耕作放棄地を再生させることについて野鳥の会の会長さんに尋ねてみた。すると野鳥にとっても餌となる昆虫類も多くなるのでいいことである、是非協力したいとの回答だった。正直この会長さんの言葉に心打たれた。

NPO農に学ぶ。はこの里山に眠る数多くの耕作放棄地を含む里山を地域住民(市民)の手で再生するために設立された。農に学ぶ。は主に田んぼでの稲作を中心に活動しているが、正直、農に学ぶ。は耕作放棄地の再生ノウハウなど自然農での稲作において強みがあると思うが、いざ森林の管理や維持、再生となるとやはり素人である。そこは別のノウハウを持った団体、専門家に任せないといけない。運よくあの里山には森林を中心に活動している団体がいくつかあり、個人で活動されている方もいるようだ。

まだまだ地域の方やこの里山を利用する方たちとの本格的な関係作りはこれからかもしれないが、なんとか多くの人の「知恵」を結集して、今の子供たちへ手渡してあげたい。そうすれば、子供たちが大人になったときにここをどうするか考えられる。そのために今大人がしてあげられることは、昔水田だったところを再生し、昔の姿を取り戻すこと。その取り組みを子供たちへ教えることである。この理想の環境があれば、オオムラサキのように華麗な色を持った、タマムシのように色んな色彩を放つ、どんぐり農園の黒米のように味のある子供が育つのだから。これこそが多様性である。

「この地は50年、100年と続いてきたのです。今からでも遅すぎるということはありません」あの場の空気が一気に変わった瞬間だった。

事務局 杉田


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