東電からまた請求書が来ました。請求される方から請求書が届くというわけのわからんことがいまだに続いています。中身は相変わらず唯の請求書が約10ページの冊子になっています。それでも簡易版を作りましたと意気揚々と挨拶文で自慢していました。初めにお読みくださいと書いてある解説書は38ページもあります。


中身は薄っぺらなものです。精神的損害賠償と絶対証明できない健康障害に対する賠償、そして避難先からの一時帰宅の交通費といったところです。いっこうに財物に対する損害賠償を一切しようとはしていません。請求はしても良いと書いてありますがそのような欄はないし、請求書を付ければ、電話がかかってきて、財物に関してはまだ払わないのでそのことを承知すれば、今回の分は振り込んでやるということを言われます。精神的にすごく悪いので今回は素直に請求しようかと思います。


被災者が救済されずに路頭に迷っている間に、原発再稼働のたくらみが進んでいます。地元の合意は必要ないとか、安全性をロードマップで示すとか、わけのわからん人達です。さんざん空手形で、利益だけを貪ってきた連中の作文を信じられるわけがありません。いくら民主党の余命が尽きたからと言って、野田の一存でこの国を破壊して良いわけがないのです。


消費税、除染、再稼働、どれ一つとっても国民のためになることはありません。場所によっては除染の意味があるところもあるでしょうが、年間10msvを越えるところに効果はないのです。放射線管理区域で働く人でさえ、自宅の線量は0に近いでしょう。我々の村では、外にいる時間をいくら切りつめても、室内で1から3μsv/hもあるのです。


とりあえず、できるだけ村には近寄らずに生活をすることにしています。どうせ被曝イベントを村と国で今年も行うようですから、今のうちに被曝量を抑えておくことが必要です。一日も早く東電か国が土地財産を買い取ってくれることを望みます。でなければ農業を行うことも環境の良いところに住むという夢もすべて取り戻すことができなくなるからです。


誤解を恐れず言わせてもらえば、故郷だの、ふるさとだのそんな言葉はくそ食らえです。生まれ育った土地を追われたり、憎んだりして都会に出る人も大勢います。逆に飯舘村のような環境に惚れて移住してくる人も居ます。生まれ育った土地から離れられず、固執する人も居ます。しかし、いずれも自分たちで選択していることです。それをつまらぬ言葉で縛りつけたり正当化して、本当のことを隠したり、無視していいのでしょうか。国と行政の汚いやり口が本当に許せません。残りたい人のためにできる限りのことをするのは素晴らしいことです。しかし、それを盾にとって、美辞麗句を並べ立てて、その他の選択肢を望む人々を踏みつけにすることは許されないと思います。飯舘村の菅野村長と佐藤雄平知事、経産省の幹部は独裁と利己主義の権化です。