BLCD 『ダブルミンツ』感想 | 半腐女ry生活?

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(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

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BLCD「ダブルミンツ」を聴きました!
2012年10月26日発売 原作:中村明日美子
出演 野島裕史 岸尾だいすけ 黒田崇矢 間宮康弘 他


『女を コ□ した──』電話の向こうから聞こえてきた高飛車な声は、高校時代の同級生・市川光央だった。同じ名前を持つ男・壱河光夫の胸中に、かつての隠 微な記憶が蘇る。忘れていた過去が、再び光夫を熱情の中に引き戻す。

共犯者として再会を果たした二人の主従関係は、少しずつ新しい形へと姿を変えてゆく……。


市川光央(CV.野島裕史)
高校時代に光夫と同じクラスになる。光夫を執拗なイ ジ メの対象にし「一生、俺の犬になれ」と命令して絶対の支配下に置いた。大人になっても高飛車な性格は変わらず、ある事件をきっかけに光夫を呼びつけ再会する。
壱河光夫(CV.岸尾だいすけ)
高校時代に光央と同じクラスになる。真面目で地味な性格にコンプレックスを持っていたが、光央と出会って自身を変えてくれる人間だと直感する。光央に徹底的に支配されることを望み、その為には手段を選ばない危なげな一面もある。
佐伯(CV.黒田崇矢)
学歴のあるインテリヤ○ザで、落ち着いた喋り方と所作に上品さが感じられる。ロマンや義理人情を好むところがある。人を信用せず、貸しは作るが借りは作らないタイプ。


岸尾だいすけ(壱河光夫)×野島裕史(市川光央)



※原作大好きな筆者が筆者なりの原作理解を含めて書いた感想になります。結構暴走していますがご容赦ください。
一度聴いて感想を書いた後に、聴きなおして加筆した為一部辻褄が合っていないと捉えられる個所があるかもしれません。

長文です。ご了承ください。



1回聴いた時点でもう数回じっくり聴き直したいと思っていましたので、悪くはなかったです。原作の雰囲気は十分伝わってきたのではないでしょうか。
BGMが非常に良く、淫 靡さもありながらじわじわと心臓を掴まれていくようなダークさを出す音遣いには息を飲みました。女を埋めた帰りの車中のシーンでかかっていた音は緊迫感と非常にマッチしていて特に素晴らしかったです!
音響監督が阿部さんで、「同級生」シリーズも良い作りだったので楽しみにしていましたが、この点は本当に大満足でした!
悪い点は、原作未読の方には話の流れが全くわからない可能性があります。どこで話をしているのかも理解しにくいですし、台詞を少しずつ変えて状況をわかりやすく説明してはいますが、元々絵で表していた部分が多いので何が何だかわからないまま気付けば終わっているかもしれません。原作を読んでいても奥深い話なので、音声だけで楽しむのは難しいような気がします。
無理にモノローグや状況説明を増やすと中村先生独特の世界観が崩壊してしまうので編集はこれで良かったと思っています。ぜひ、原作をお読みになってお聴きいただきたいです。
原作を片手に聴いてもそれはそれでちょっとした言い回しの変更すら気になってしまうのですが(一番残念だったのは「桃をください」が「ください」になっていたことです。あれは「桃を」を強調して欲しかったです。)、間はゆっくりドロリと落ちる何かのように丁度良く取られているので、この点でも空気感の再現は良くできているのではないでしょうか。
次に、一部モブキャラ役の方のお芝居が機械的です。例えワンシーンしか出てこなくてもそこまでの話の流れを理解して演じなければ浮いてしまいます。キャラにやる気がなくても、お芝居からまでもやる気を削いでしまっているように聞こえては・・・。
もうひとつ残念なのは第3話が丸々削られていたことです。削るなら二人の過去話しか無かったとは思いますが、過去の繋がりがほぼ描かれていないことにより今現在の繋がりが二人で一つという割に薄いものに見えてしまいました。一人の女を共有するというあの描写は、お互いが間接的に、しかしほぼ直接的にセ ッ○スしたのと変わりなかっただけに入れて欲しかったです。
また、私は「リナ?リサ?リツコ?」からの「りっちゃん?」を音声で聴きたかったので非常に残念です!!!別のシーンで光央が女性とセ ッ○スしている描写はありますが、一番女性に興味を持って接していたのがこの時だと思うので(もちろん光夫の彼女だから執着したという意味も含めて)、聴きたかったなぁ。
フリトが8分以上入っていたのですが、削って入れて欲しかったです。尺が足りなかったのでしょうが、それなら2枚組にして欲しかったです。一時もやもやしましたが、岸尾さんがブクレに「2枚組でも良かったですよね!!!」と書いてくださっていたので、すごく嬉しくて、気持ちを鎮められました(笑)。単純なヤツです(笑)。
岸尾さんって、テキトーなフリトも多いですが、よく聴くと一言だけちゃんと感想を言ってくださっていたり、作品を理解してくださっている発言が見られて、実は結構嬉しくなっていることが多いです^^



さて、ここからは筆者が自分勝手に斬り込んでいこうかなと思います。
読みたくない方は回れ右してください<(_ _)>



限定記事でキャスト予想を立てたり、試聴が公開されれば試聴の感想を書いたり、一人でかなり盛り上がっていたのですが、今回キャスト発表時の感想記事のみ一般公開することにしました。

正直、好き勝手に書いていて一般公開できるレベルのものではないのですが、読み返してみたら今回書かせていただいた記事に繋がる部分もあったので・・・。この感想を最後までお読みになった方でなんとなく筆者の意見がわかる気がする・・・と思われる方のみお読みください!
私は裕史さんが光央を演じることには賛成だったんですよね。一方試聴を聴いて裕史さんは甘いような気がしましたし、岸尾さんはミスキャストな気がしたのですが・・・
どうして私が裕史さんの光央役がアリだと思ったのかに関しても最後にリンクを張った記事に書いてありますのでお知りになりたい方はどうぞ<(_ _)>



話を進めますが、聴いてみると、光夫と光央は二人で一つだったという割に同一線上にいるように思えませんでした。一個の球体のはずが尖ったり引っ込んだり随分歪な形を成していました。
原作を読んでいる時、光夫にしても光央にしても印象が二転三転しました。光夫は犬のように支配下にある時と、どこか冷めていっそ光央よりも上に立っている時とがほぼ交互に来ていました。

光央もまた然りで、彼の場合は一見光夫を完全に支配下に置いているようですが、実際はかなり翻弄され、ともすれば根は相当弱いのではないかと思わせる部分も感じます。
しかし、CDでは光夫は常に病んだ部分をちらつかせ光央より上に立っているように聞こえますし、光央は飼いならされているように聞こえます。

二人は二人で一つなのだから上とか下とかSとかMとかに簡単に分類してはいけないものだと思っていたのに、あっさり分けられてしまっていてちょっと首を傾げました。
ブクレのキャラ紹介を読むと、光央が光夫を支配下に置いていると書かれているので、きっとその方向性でディレクションもされたのではないかと思うのですが、実際には逆転している時間が長いのです。
具体的にキャストの話をしてみます。


まず、裕史さんは、声というか雰囲気が弱かったです。

私は裕史さんの低音より、少し甘さのある中くらいの声の高さが好きなので本作のトーン自体はとても好きなのですが、光央を演じるにはもっとじわりと腹に来るような音を混ぜて、その中にエ□スを含ませた方が良かったのではないかなと思ってしまいます。(←何様!?orz)
エ□さは出ているのですが、光夫が「その目に コ□ されたんだ」と、彼の有無を言わせない目、そして毎度決定的な一言(二回同じ文言を言えばその二回目)に魅せられている描写があるにもかかわらず、冴え渡るような鋭い視線を感じられませんでした。
原作を読んでいる時、光央はもっと他人に対して渇いているように見えていました。例えばゲームセンターで銃のゲームで遊んでいる時に中岡がやってきますが、「リロードリロード~」も、カテゴリー外の人間に対しての無関心の親切心しか渡していないような気がします。光夫に対してはいっそ誰よりも強い口調で、時には暴力も振るいますが、それが何よりの愛情表現だと思っていました。
が、しかし、裕史さんの読みは誰に対しても愛を持っていて、一番近い言葉で示せば“愛想”があるんですよね。もっと他人への対処で良かったと思ってしまいます。
「うっせえな消えろ!」や、終盤の港のシーンの一連の台詞などところどころでキンと撥ねつけられるような一面もあるのですが、光央は心の奥の奥、底まで見透かしそうな目をしているので、そういう一面を常に感じていたかったというのが本音です。
これはHシーンにも言えることで、HというHは2回しかありませんが、特に1回目は光夫に対しての強い言葉と喘ぎのギャップが聴きたかったのですが、最初から喘ぎよりのエ□スが放出されていました。

彼は受けで然るべきだとここまでの展開で納得しているものの、触れ合い始めて間もなくは少々の強がりを許容し彼を光夫よりほんの少し上に立たせてあげても良かったのではないかと思ってしまうのです。
ただし、何度か聴いていて至った感想としては、裕史さんは原作の線の繊細さを出す為にどうすべきか考えられたようですし、別作品を見ていてもっと違う役作りができる方だと知っているので、あえて声でアンニュイさと光央の子供っぽい部分を表現されたのかなと勝手に想像もしています。
また、中村先生はCD化に際してキャラの雰囲気を制作側に伝えているはずですから、もしかしたら私が頭で築き上げてきたダブルミンツは原作者の意図とは全く異なっていたのかもしれません。


岸尾さんは、正直完全ミスキャストだと試聴を聴いて思ってしまったのですが・・・実際CDを聴いてみたら岸尾さんがどう光夫というキャラクターを受け止めたのかが非常によくわかるお芝居で、原作を読んでいた時とまた別の印象を彼に持つことができました!
声は想像と全く違ったのですが、中身は光夫だった、という感じでしょうか。
光央からは感じられなかった痛いほどの視線を光夫からは感じました。個人的に一番シビれたのは
「コ□ してみろよ……腰も立たないくせに」
ですね!最高でした!!!思わず最高!!!と声に出ました(笑)。
光央と再会して関わっていくうちに徐々に光夫の影は濃くなっていきますが、その濃淡が毒々しいほどに再現されていました。
後半に行くにつれどんどん病んでいき、その辺を歩いていたら即職質されそうなオーラすら漂っていて、さすがにやり過ぎかも!?と過ぎりもするのですが、光夫とはこういうキャラです!という主張やヴィジョンが否が応にも入ってくるので、わかりました!と、いつの間にか惹き込まれ、これが光夫なんだと洗脳レベルで刷り込まれました。

本来はここまで病んでいるとは思わないのですが(その前に、“病んでいる”で片づけられる世界観では無いですし。)、この捉え方はありだと思います。
つまりは、岸尾さんの世界にすっかり絡め取られていたのです。
あと、この作品で一番エ□スを感じたのは、光央が家に乗りこんできて光夫の性 器を踏みにじるシーンです。「変 態」という蔑みに相応しく、一瞬だけ上げた色 っぽい声が物凄く生々しくて、原作を超えていたと断言したくなります!!!


話を戻しますが、裕史さんからは甘さと弱さを感じ、岸尾さんからは濃すぎるオーラを感じ・・・
つまり、どちらも全く別の個性が出ているのです。
光央と光夫は同姓同名ではありながらも全く違うタイプの人間ですから、各々の個性は強烈に出ていなければならないのですが、押してみたり引いてみたりどこかで釣り合いを取っている部分があり、結果的にどこか似ている気がするから、『昔人間には男性と女性と球体をした両性がいて、二人はきっと同じ一つの体だった』という話が出てきて自然と受け入れられているはずなのですよね。
その帳尻が根本的に合わせられていなくて、私の思っていた作品とは違ってしまったような気がします。


ただし!!!
これはあくまで筆者の捉え方なので!!!全くご理解いただけない方が大半だと思いますし、実際あまり深く考えず、感覚で聴くべきだと思います。
それから、間違っても「声優の芝居を批判している」と片づけないでください。私の捉え方をご説明するには婉曲しても具体的に一から順序立てていく必要があり、その過程で原作を読んだ時のイメージと違っていたという書き方をしたに過ぎません。
あと、「CDがダメだった」というのも違います。筆者は原作が大好きなので感想を色々書いてみたかったのです。

実際もう何度かリピしています。



黒田さんの佐伯役はなかなか迫力がありましたよ。もっと普通のおじさんを装っている人なのかと思っていましたが、黒田さん特有の色気が結構出ていて、ギラついた佐伯になっていたように思います。
声を張るお芝居より、ぽつぽつと話している方が色気が際立つように思っているので、全体的にそういう面の多い佐伯はなかなか良かったのではないでしょうか。

(私の中ではある声優さんで佐伯のイメージが固まっていたからか・・・感想から他人事感が出ていたらすみません。そんなことは無いのですが、読んでいるとそう読めなくもないなと。)
そういえば、断髪式の一本入れるシーンは微妙に省かれていましたね。やっぱりヤ クは音声的にまずいのかー。でもあれではなぜ光央がよ がり出したのかよくわかりませんよね(;´Д`A ```
佐伯の手の上で転がされるようなあのシーンはちょっと怖さもありましたね。
あと、断髪式の映像の光央は理性的に聞こえました。ヤ ク入れられているんですからもっといっちゃっても良かったかな、と。


間宮さんの演じる中岡はにおいに敏感な印象を受けました。犯罪や犯人に張り付いてはにおいをかぎ取っているのが言葉の端々から感じられ、それがちょっとした恐怖になりました。
もうだめだ・・・と怯える光央の追い詰められている感じが増幅してよりリアルに伝わってきました。



フリトは裕史さん、岸尾さん、黒田さんで約8分半。
仕事の依頼があってから収録までかなり時間があったようなのですが、岸尾さんも裕史さんもとっても楽しみにしてくださっていたようで、特に岸尾さんはぜひやりたいと思っていらしたようで、フリトがすごくすごく嬉しかった!いくら書いても私がどれだけグッと来ているか伝わらないでしょうが、ほんっとに嬉しかったです;;
職質された話をなさっていました。皆さん職質されたことあるんですねぇ。
黒田さん・・・「ぬ○りひょんの孫」の収録で職質されて2分遅刻されたんですね。岸尾さんが覚えていらっしゃったのが(笑)。
間宮さんは花粉対策でガスマスクみたいな特殊防備になっているようで、その割に職質されたことがあまりないらしい、という話を3人がなさっていましたwどのドラマCDでも間宮さんの風貌についてはトークテーマに上がりますね(笑)。
フリトよりカットされた部分を入れて欲しかったとは思っていますが、フリトからお3方の作品に対する気持ちややりがいについて聴けたので、聴けて良かった内容でした!
本当はリレートークも聴きたいよー;;(※注 DL販売で購入した方のみ聴くことができます。)



これは厳しい感想になってしまったと言った方が良いのでしょうかね。しかし、全く否定はしていません。どころか肯定しています。
私は原作は大好きですし、CDも好きです。
原作を読んだ上で原作に固執せずに聴いてみたら良作だと思います!
ダブルミンツの世界観がお好きならぜひ!


ここまでお読みくださりありがとうございました<(_ _)>





「ダブルミンツ現実キャスティング」

心が広く、許容いただける方のみどうぞご覧ください<(_ _)>