BLCD 『堕つればもろとも』感想 | 半腐女ry生活?

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(と言いつつ、中身はドラマCDの感想ばかり・・・w)

堕つればもろとも/イメージ・アルバム
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BLCD「堕つればもろとも」を聴きました!
2011年9月28日発売 原作:宮緒葵 イラスト:亜樹良のりかず
出演 岸尾だいすけ 森川智之 他


神の娘の証である黄金の髪を持つ珠玲は、男でありながら天姫として崇められていた。だが、祖国を救い成り上がった将軍・朔に嫁ぐことになる。すげなくしても一途な犬のように縋る眼差しで服従を誓うくせに、褥では飢えた獣のように珠玲を貪る朔。憎しみを募らせた珠玲は逃亡を企てるが、物事は思わぬ方向へ…。


珠玲(CV.岸尾だいすけ)
桂国の天姫。
黄金の髪をもって生まれた為、男でありながら天姫として育てられる事になった。
天姫は閉じ込められたまま生涯を終える為、普通の人間として自由に生きることを望んでいる。
朔(CV.森川智之)
桂国兵の大将で、赤い狼と呼ばれ恐れられている。
珠玲に対して狂気とも呼べるほどの執着心を持つ。
自分は珠玲の犬だと言って憚らない。


森川智之(朔)×岸尾だいすけ(珠玲)



9月に発売されたCDのうち購入してまだ聴いていないのはあと2枚。その2枚はとても評価の高い作品なので言い切ることはできませんが、この作品は今のところ1番好みですビックリマーク
私は普段1枚の作品を好んで聴きます。2枚組は結構気力や体力を奪われるので平日に気軽に再生することができないのですが、1枚だと気兼ねなく楽しめるのでv

1枚で上手くまとまっていたりボリュームが丁度良かったりして充実した時間を過ごせたら大当たり合格なのですが、なかなかそういうものには出会えません。
しかし今作は珍しく当たりましたv
1枚の方が好きと書きましたが、今作は2枚組にしてほしかったくらい話がしっかりと作られていました。
例えば、幼き日の珠玲と新月(後の朔)の交流をもう少し長めに描くとか、敵との戦いをもっと描くとか、結末に余韻を残すとか。
その部分が皆無というわけではなく、一応描写はありますし中途半端にせずきっちり納得のいく決着を聴いている人間にもつけさせているので、綻びは見当たりません。
ただ、一つ一つをもっと歴史絵巻でも捲るように見ていくことができたなら大作と呼べていたのではないかと思ったのです。
逆に言えば、大作にならなかったことで私にとってリピートしやすく、聴く度にきゅんキュンとしたりハラハラnya-*したりする一作になりそうですニコニコ
1枚でも良かったのかなと思った面もあります。

珠玲は基本住まいを離れることはありません。作中でも母屋を離れたのは数度だけ。モノローグ担当の珠玲が場所を移動しない為、全体的にこじんまりとした感じに受け取りました。(その分心の内部と向き合い気持ちが変わっていく過程は丁寧に描かれていますので良いですがvv)

2枚にしていたら移動せずに話が進むことが退屈になっていた・・・かも?

枚数に関してはこの辺にしておいて・・・脚本含む構成やBGM音譜、そしてキャストの皆様が素晴らしかったです!!
主役のお二人以外BLで主役を張るような声優さんはご出演されていないのですが、作品に嵌る安定感のある演技をして下さっています。ファンタジー系の作品ですと特に一人和を乱すと世界観が崩壊してしまう恐れがあるのですが、どなたもキャラクターの特徴をよく捉え見事に演じきってくださっていました!おかげさまで作品にだけ集中することができました!目



よく1枚でここまでまとめましたよね~!
まず最初に感心したのが、前半の巧みな作品への誘導です。
幼き日の珠玲と新月の出会いから始まり、大人になった珠玲の登場。そして、朔の登場と政略的な結婚。毎夜抱かれるだけの珠玲は心身ともに疲れ果て、元から自由になりたいと思っていたことと重なり、朔を眠らせてこなくすり白逃げようと言ってきた元従者(という表現で良いでしょうか。乳母のような感じ?)の水葉@中嶋佳菜さんの案に乗り、薬を盛ります。
しかしその薬は・・・!!!血痕
血を吐きながらも朔は珠玲を道連れにするのです。
「俺は、あなたの犬だ。……あなたが、俺以外の、犬の主になられるくらいなら、あなたを殺///して、俺も死ぬっ!」
と言って。
『堕つればもろとも』というタイトルがずしっと嵌まり強烈な印象を植え付け、こちらを作品へ引きずり込んだ瞬間でした。
このシーンに至るまで、籠の中の鳥鳥かご状態の珠玲には脱却する術がなく、日に日に痩せ衰えていくだけで解決の無い未来を予期させる為、頭はどこかぼんやりしていました。
「死」という衝撃的な一旦の終焉を見て、不安感は増したのですよね。同時に、宿命によって結びつけられた二人という、カップリングに対する筋がしっかり通りもして、続きが気になって気になって・・・!
さて、どうなるかと言いますと、珠玲は朔と婚儀を交わして7日後に戻ってしまいます。再び同じ事態にならないよう、珠玲は朔の暗殺犯を探し始めますアイコン:検索
DEAD EDに行っちゃった後に学習してHAPPY EDを探すような・・・ゲームに喩えるとそんな感じでしょうか。違うのは、プレイヤーが学習するのではなく作品内の主人公が学習している点でしょう。珠玲には刺される時までの記憶がはっきりと残っていますから、新しく同じ日をやり直すにしてもたくさん考えています。
人形のように抱かれるだけだった無為な日々が、珠玲自身が考え動くことによって充実したものになっていきますキラキラ
珠玲が朔に対する態度を改め真摯に向き合うだけであっという間に無愛想だった朔が嬉しそうに寄ってくるというのも聴いていてニヤリとしてしまいます( ̄∀ ̄*)なんだ、デレデレドキドキじゃないかwとwww


それから、ブックレットに書かれた桂国と天姫の経緯を読み、本編を聴いて、再びブックレットの後日談SSを読むことによって作品を楽しみ尽くせるのが良いですv
ぜひそうやってお聴きいただきたいです^^グッド!



珠玲@岸尾さん
―誰か、助けてくれ。私は、自由になりたい―
―私は、死ぬのか。ただ逃げたいと願っただけなのに。どうしてこんなことに―
前者は自力で逃亡を企てたものの失敗し追い詰められた状態での心の声。後者は刺された後の心の声。

精神的に滅びかけた状態と肉体が滅びゆく状態、この微妙な違いをよく出して下さっています。

美しさから光が失われていき闇、瞳に何も映さなくなるまでの悲痛さは必聴です。
無理矢理男と結婚させられ犯され、どんどん生気が無くなっていくのを聴いている時の辛さ。薄幸美人っぷりにまずやられました!
基本的にはジャケットのイラスト通りの美人ブーケ1なのですが、過去に戻ってからは違う顔もちらちらと見せてくれるようになります。
朔が女性に話しかけられるのを見て妬いている時なんて可愛さも伺えますし、敵にどう立ち向かうのか策を立てる時には鋭さと勇敢さも伺えます。
女性のように優雅な振る舞いをしていますが、ちゃんと男性というのを崩していないのが素晴らしいです晴れ
モノローグ含め、岸尾さんの演じる珠玲だけを見ているのも良いですし、その先で珠玲への想いが常に洪水のように溢れている朔を見ているのも楽しいですv
あと、個人的に、美人声で「わたし」と言う時の岸尾さんが大好きなので、今作ではいっぱい聴けて得しましたw


朔@森川さん
「俺は、あなたの犬です。姫。俺に命令できるのも、俺の理性を壊すことができるのも、あなただけです」
「そうです。俺はケダモノだ。あなたと、ぐちゃぐちゃに溶け合って一つになることしか考えていない、卑しく、汚らわしいケダモノだ」
抵抗する珠玲の罵詈雑言を逆手に取り、完全に破壊された理性を以て押し入ってくるこの台詞の読みはさすが帝王です!
(聴いている方には新月=朔というのはすぐにわかることでしょう。ですからこれはネタバレではないものとして話を進めます。)
こんな言葉をギラギラと粘っこく吐いた時には、主従関係の危うさにドキドキしたものでした。珠玲から離れて何があったのか彼は変わってしまった。忠誠を誓う犬が主に背いて襲いかかるなどどうしたことか。
普段は寡黙で訥々と話す男が、Hの時だけは熱い目メラメラをして猛りアレを埋めてくる。
そこにあるのは恐怖ピンクマ真っ青に近いものだったと思います。
森川さんは、序盤では昼と夜の朔の違いをしっかりと出してくださっていました。
昼は紳士的な、低い中にも珠玲に対する敬意を感じる話し方をされています。しかし夜になると・・・!?
珠玲を刺すシーンの執着心は、本当に地獄にだって一緒に道連れにするという圧力と言うか迫力と言うか・・・狂気的なオーラを察知しました猫電波 ミケ
でも、話が進んで、珠玲が過去に戻り朔に対しての態度を改めると、最初の時とは全く変わり、ただ表現方法が上手くなかっただけなんだな~とわかるようになると思います。
あまり多くを語らないからこそ、語り始める時、それからちょっとした動作や珠玲を常に見守っているところを大切に聴いてみてください^^キャラが可愛く思えてくることでしょうv
もちろん、戦闘シーンは大変勇ましく、彼が登場するだけで隊士の士気が上がるのも頷けるので、その辺にもご注目ください!

森川さんは少年時代の朔も演じていらっしゃるので、聴きどころはたくさんありますよ~!ひらめき電球(珠玲の少年時代は女性声優さんが演じています。)



Hシーンは無理矢理が2回、気持ちが通じ合ってからが2回。他に朔が珠玲の足の指を舐める等、なかなか濃いシーンを堪能できます。
私はこれくらいのバランスが好きです!!!w
(当たり前のことですが、ストーリーもですが、キャラのやり取りに萌えられ、Hもちゃんとあることは大切です!!!全体的なバランスが(・ω・)bです音符
ただ突っ込むのではなく、裏があって仕方なく誘惑している内に感じて来てしまうとか、主従関係がはっきりしている中で忠誠の証のように相手に恭しく触れる様とか、いざ溶け合えば関係性がフラットになるというのもすごく好きですラブラブ
一回一回Hの時に相手に対する心情が良い方向へ更新されていき(Hに至るまでに変わっていくわけですv)、絆を深めて抱き合えるのを聴けるのは嬉しいです^^
無理矢理のシーンは結構痛々しいので汗苦手な方はご注意ください<(_ _)>



今日は、朔を眠らせる為薬を飲ませようと誘導するシーンをご紹介します。
足を舐める朔に対し見下ろすように、女王様のような雰囲気で珠玲は言います。


「私の許し無くば、抱かぬと申した癖に、もうここをこんなに固くしているのか」
「は……申し訳、ありません」
「んっ……」
珠玲が足で奉仕しているように聞こえます。
「ひ、姫っ!?」
「黙っていよ」
「ぁ……姫、どうか、おやめ下さい。おみ足が、汚れてしまわれます」
「ふっ……いつも私を汚している癖に、なぜそこをそんなにしているのだ。申して、みよ」
「姫の、おみ足をしゃぶり、姫の、おみ足に蹴っていただいたからです」
「はっ……そんなに私の足が好きか?私に蹴られて興奮するのか」
「はい。好きです。大好きです」
「っ……ふっ…なら褒美だ。好きにするがいい」
「……っ……ぁ……はぁ…姫…姫……はぁ……姫!……」
―どうして、私のものまで固くなっているのだ。そんなはずない。私は今からこいつに薬を飲まさなければならないのだ―


このシーンは、刺される直前、つまりは気持ちは通じ合っていなくて、ただ目的を果たす為に誘惑しているだけなのですが、珠玲の強い決心に反して体は反応してしまい理解できない気持ちを持て余しているのが、聴いていて辛い中にもこの先変わっていく姿を想像させるのでいいなと思いましたv
(命令口調の珠玲の美人っぷりと、嬲られて興奮し低く喘ぐ朔というのも好きですハートw)
実際、この後過去に戻ってから
―そうだ。最初は自分が死なない為だった。でも今は……―
そんな心の内を聴ける時も訪れます。
そのシーンでは朔の配下に頭を下げるのも厭わず情報を得ようとする姿に愛を感じました(*´∇`*)

この頃になると、朔を助ける為に天姫という高貴な立場から自然と降り一般人と対等に話していて、ただ一心に愛しい人を救うことに情熱を振り向けているのだと見えて珠玲をより好きになっていきましたニコ



本編のキャストコメントは約50秒。特典CDは約19分。
漢字が難しかったとお二人。特にモノローグも担当された岸尾さんは大変だったと思います。お二人共お疲れさまでした<(_ _)>
トークテーマは「疲れている時にこれが一番と言う食べ物飲み物はある?」「1ヶ月前に戻れるとしたら何がしたい?」「前世はなんだと思う?生まれ変わるなら何になりたい?」
横浜のホテルwwwイベント1日目の夜にワイン飲み過ぎないでくださいね~(^^;
森川さんは例の横浜のホテルでワインボトルワインボトルをコルクからスクリューにするよう提案したら本当にそうなったそうですよ(@@)言ってみるものですね~。
森川さんの、戻れるなら喉の調子のいい日という仕事熱心なご回答に頷く岸尾さん。その後ギャンブルをすれば・・・と岸尾さんが言い出しありがちな話に(笑)。
いや~いいですよ。戻らなくて。お二人がギャンブルで何百億とか大儲けしちゃったら、もう声優辞めちゃうかもしれないでしょう?そんなの嫌ですものあせる
作品の雰囲気とは大分違いますが、テーマトークに沿ってきちんとお話しされていますので安心してお聴きいただけることでしょうアップ