道路面が地盤面より低い時の天空率計算 2 | 比嘉ブログ

比嘉ブログ

建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

3月18日土曜日

3連休始まりの土曜日は快晴。いよいよ春、ぽかぽか陽気。

早速、公園で桜の観察から

つぼみがふくらみかけている。来週は24日が開花予定日開花は間違いない様だ。

桜が咲けばスギ花粉も終わるガンバレ。どうやら4月1日の上野お花見は大丈夫そうだ。

 

ユキヤナギは

 

大分花が広がってきた。やがて雪の様に白でうまる。

 

 

 今週は、なんといってもWBCワールドベースボールクラッシク。大会前の試合の結果が悪かったので今回はどうかなと思っていたのだが、2時リーグまで5戦全勝。なにはともあれ良かった。深夜におよんだオランダ、キューバ戦は久々に野球の面白さを堪能した。球数制限、延長の特別ルールなど変則ではあるが勝ったからそれもまた良し、楽しめる要因となった。相手の剛球投手を球数がマウンドからおろしてくれる。アメリカでの準決勝も見逃せない状況になってきた。スモールベースボール日本野球ガンバレ!

 

 大相撲稀勢の里の勝ちっぷりがいい。横綱になるプレッシャーから開放されて本来の力を発揮しだした。稀勢の里時代の到来かな。

 

 このところ負けが続いていた錦織圭、今朝は、BNPパリバ・オープン。当然勝と思いルンルンで(もはやこの表現は古いらしいが・・)で早起きし応援したがいきなりブレークされおや?と思っているうちにソックに負け。ベスト4進出ならず、勝てば明日フェデラー戦だったというに・・・・悔しいね。

 

 負けといえば、先週のラッパ合戦またもや負け~。錦織といっしょだ次頑張ろう。

 

 

気を取り直して今週の講座の様子からお伝えしたい。

 

 今週木曜日は、構造技術者の為の斜線規制、天空率講座を行ってきた。四谷にあるこの構造事務所の所長は30年程のお付き合い。若手の構造設計者に形態制限を解説していただきたいとのご依頼で実現した。若手の設計者中心に今回は斜線規制の起源から天空率までの流れを解説。令132条の考え方なども解説した。

 

引き続き日影規制解説を行う予定であったが次回のお楽しみとした。

 

 火曜日は天空率講座

5人の参加で行われた。

 

 今回は横浜系の設計事務所の参加が多かったので傾斜関連の解説を念入りに行った。

いつもの事だが皆さん遅くまで良く頑張りました。お疲れ様でした。

 

月曜日の講座は

 

 

 先週に引き続きお一人で参加の企業ユーザー。今回は、天空率。逆天空率、最適後退距離算出など実践で有効な操作を解説した。来週またお会いしましょう。

 

 

 天空率講座を開始したい。

前回から、下図の様に道路面に高低差がある事例の天空率検証から申請図の作成までの

解説がはじまった。

 

前回は、傾斜道路入力法、平均地盤面の計算から適合建築物、算定線を発生し解析した結果が

 

 算定位置中央部がNGのだ。今回はNGの原因の検証、対策から始めたい。まず結果の確認から出力された結果を確認すると青表示がクリアー、赤表示がNG。表示は対数グラフになっておりNGの場合基準線から内側に赤表示される。基準線が限界位置を示し近接点は基準線に最接近した表示となる。

 

 拡大して表示内様を確認すると

 

 

青枠で囲われたヶ所は「計80.281%」が計画建築物の天空率を表示する。「斜79.71%」が道路高さ制限建築物の天空率。その差分が「差0.654%」で青色表示される。

 

 赤枠表示がNG算定位置P7同様に差分が「差-1.432%」は道路高さ制限適合建築物がその分大きかったことを意味しNGのマイナス表記となる。

 

「BM-429.17」は、算定位置の高さを意味する。この数値を確認する場合「図法」「天空率算定チャート」を指定し

 

ポイント番号7に続き「断面図」ボタンをクリックすると道路高さ制限の適合建築物の根拠と算定位置の根拠がわかる。

 

 

 

地盤面(設計GL+655)の表記は、設計GLから敷地の地盤面(平均高さ)の位置655を意味する。本例ではBMと設計GLが同一ゆえBMから655の位置が地盤面でそれ以下部が地盤で天空図に投影しんければならない部分。

 

赤枠の高さ表示の意味は1,168.34が地盤面から道路中心位置高。1mを超える為

 

 (1,168.34-1,000)÷2=84.17 本来の下がり位置から上側84.17に設定される。 

1168.34-84.17=1,084.17これは地盤面からの位置、

 

 先ほどの対数グラフに表示された位置はBMからの位置で表示される為、BMから地盤面高6

 

655-1,084.17=-429.17

 

対数グラフのBM-429.17はその位置を意味する。

 オレンジ色で囲われた部分は「測定間隔」とあり3,850は、道路幅員8mの半分以下で算定位置P1からP13間を均等に分割した数値となっている。

 

 

 天空率計算結果の対数グラフとともに表示される内様は、わかった。

 

 次にNGを解決する為の操作手順を解説したい。

先ほどの断面図を表示した「天空率算定チャート」で「アイソメ図」アイコンをクリックすると

 

 

 さらに「視点頂点線分接続」をクリックすると天空図に表示される頂点が表示される。「全天図」でその算定位置における道路高さ制限適合建築物と計画建築物の天空図が表示される。

 

 

 これは図面レイアウトで接近させたが今回NGゆえ右側の計画建築物の天空図(グレー部)が左側、道路高さ制限適合建築物(緑部)より大きく投影されている事になる。

がにわかには、わかりがたい。

 赤丸印の部分は地盤の端部の位置を表し天空図の方位角を意味する天頂側からの水色部はその位置を示す。

 

 いずれにしても天空図をこの様に横並びにしただけではNG理由がわかり難い。

 

 それを明確にするのが「図法」「天空率比較図」のダイアログから算定位置を開始点ポイント番号で指示し「天空図重ね表示」をチェック後「OK」ボタンをクリックすると

 

計画と適合の天空図が重ね表示される。Ver17ではさらに「斜適/計画色分け表示」ボタンを設定しそのボタンをクリックすると

 

 高さ制限を超えた部分を赤表示で敷地内の空地を緑部で色分けしている。

さらにそれぞれの面積を表示する。高さ制限を超えられる部分の天空図上の面積は敷地内の空地部分(緑部)の天空図上の面積。

 

 それぞれの面積を確認すると、計画:高さ制限超過部分面積:   91.581120 c㎡>適合:敷地空地部分面積:   46.604440 c㎡

高さ制限超過部分面積が約2倍近く大きいことよりNGとなる。敷地の空地の面積以上の場合高さ制限を越えられない。

*尚、この機能はVer17から利用可能になります。

 

 さて解決編の解説だ。

空地部分の面積が足りない事がわかったので計画建築物の道路に面した部分をカットし敷地内の空地を大きくする必要がある。

 

 その場合には従来から利用されてきた「逆天空率チャート」を利用する。

「計算」「逆天空率チャート」では

 

最もNG幅の大きい算定位置この場合7を指定後、円弧で示すNG部に相当する計画建築物のカット部分を指定(基本的に自動設定自動表示)後「建物切断」ボタンをクリックし切断が行われる。一瞬だ。

 

円弧で示す部分がカットされた。

天空率計算し確認しよう

確かにNG幅が最大のP7(青枠)は基準線上にあり限界一杯のカットと思われNG数も4から1に減少したがまだNGがある。これらの操作をさらに続けると

 

さらに円弧部をわずかだがカットしなければいけない様だ。カットし検算すると

 

P7,8いずれも算定基準線の線上に近接し限界一杯である事がわかる。

 

拡大して確認すると

 

 

 赤枠で示すP7,P8の差分が0.053%,0.052%と0%ではなく0.05%に近い値でカットされた。

では、カットしすぎた事になるのか?否。

これは天空率の申請時における天空率計算を理解しない事にはこの値が限界値である事が理解できない。申請時における面積計算の手法を解説・・・といきたいところだが本日も長くなった。来週にしよう。次回は申請時における天空率の面積計算法を解説後、順々に申請図の作成法を解説したい。

 

 では来週までお元気で!

 

 

比嘉ブログ