2Aの適用法:街区主義と敷地主義を考える。 | 比嘉ブログ

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建築企画CAD「TP-PLANNER」開発者の日常・・建築基準法,天空率、日影規制講座などチャンプルーなブログ

皆さんおはようございます。
相変わらず講習におわれる毎日です。おかげで毎日のカロリー消化も順調です。ありがたい事です。

 さて(株)コミュニケーションシステムでは来月には前回のセミナーの続編として実践処理を中心とした解説セミナーを行います。
 比嘉ブログでは、しばらく前回のセミナーに参加されなかった方の為に前回の内容を数回に分けて解説します。

JCBAのHP 「天空率の運用検討について」に掲載された事項を解説する形式で行いたいと思います。
では講座開始!。


 今回のJCBA方式の仕様は、まず132条のまわりこみの考え方から解説が始まる。
 昨年の6月頃の天空率基礎講座 でも指摘した下記の事案の区分法に有効な考え方となる。

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 この事例では、2Aを円弧状にまわりむ場合、と平行に区分した場合、西側のBの道路の道路中心10mの区分が消滅するなど区分区域が異なる。現実の事案では、この様に前面道路は複雑に交差する。

 今回のJCBAの仕様は、「街区主義」と「敷地主義」の2とおりの考え方を示す事になった。


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「街区主義」の場合、従来より慣習的に行われた簡便的な区分法を可とする考え方だ。解説の文中で「2Aかつ35m以内」の区分区域について広い道路に垂直な方向に「水平距離」(令132条)を設定する・」とある。この場合の「広い道路の垂直な方向」は政令の文中に記載が無いがあえて作図法として付加されている。

確認してみよう

第132条 建築物の前面道路が2以上ある場合において は、幅員の最大な前面道路の境界線からの水平距離がその前面道路の幅員の2倍以内で、かつ、35メートル以内の区域及びその他の前面道路の中心線からの水 平距離が10メートルをこえる区域については、すべての前面道路が幅員の最大な前面道路と同じ幅員を有するものとみなす。

「垂直」の文字は記述されていない。あえてこの様に記述し「街区主義」も可とした理由は下記によると比嘉は解釈している。

①132条制定時の解説がほとんど正方形の敷地で記載されており(東側の狭い道路が傾斜していない。)その場合、狭い道路に垂直に描く事は、問題にならない。その為だと思われるが、垂直に作図する手法を狭い道路と交わる勾配にかかわらず運用し続けてきた。現時点で街区主義を否定した場合、審査の現場で混乱すると思われる。

②「街区主義」は、事例でみられる様に最大幅員の前面道路が行き止まり状にならずに道路中心腺の延長方向に伸びる場合に利用する。行き止まり道路の場合は区分区域が消滅する場合があり得るので注意を要する。

「敷地主義」で考えた場合、最大幅員の終端が明確になる為に、狭い道路が傾斜している場合などに水平距離を保持した対応が可能となる。水平距離は端部では、円弧状になる為、ロジカルである。

*水平距離は、一般的には「同一水平面状の2点間の距離。と定義される。

 今回の仕様では、両論併記ながら「敷地主義」が公の取り扱いとして認識された事は大きな意義があると考える。「街区主義」の場合、上記の事に留意し正しく適用したい。

 次回は屈曲道路の考え方を解説する。屈曲道路では、敷地主義に基づかない場合、連続した区分の設定が困難になる。この事は次回のテーマとしよう。本日はこれでおしまい。次回をお楽しみに!。

*おしらせ 建築資料館の天空率掲示板のQAコーナー でHILAさんから4方向道路における132条の区域区分法の質問に回答しております。132条を理解する上で参考になると思います。ぜひご参照下さい。

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