「楫取素彦読本」 第十四回
【解説】
○人間の絆、日本人の美徳を重んじた楫取素彦。
今日の社会は、人間不信、人と人とのつながりが稀薄な時代です。東日本大震災の時、助け合い、必死で立ち上がろうとする日本人の姿を世界は、日本人の美徳とたたえました。
日本人は、本来、このような心を持っていたのです。吉田松陰が「至誠而不動者末之有」を楫取素彦に残した意味は重要です。楫取素彦は人間関係を築く上で基礎となるこの言葉をしっかり受け止め、群馬の人づくり教育に活かそうとしたのです。
私たちは、混乱のこの時代に改めて、楫取の深慮をしっかりかみしめたい物です。
明倫館小学校
○藩校・明倫館がしのばれる古い木造校舎です。
○楫取素彦は弘化元年(一八四四)十六歳の時、明倫館に入学しました。
○右肩が下がっています。この像からは、若者らしいりりしさが伝わってきます。
群馬の藩校
上州諸藩にもみな藩校がありました。例えば、前橋藩の講武所、高崎藩の文武館、安中藩の造士館など。漢学が主でしたが館林藩では洋学、オランダ医学なども教えました。