人生意気に感ず「パンダの死。いじめは刑事事件に。富岡製糸、世界遺産に」 | 中村紀雄オフィシャルブログ 「元 県会議員日記・人生フル回転」Powered by Ameba

人生意気に感ず「パンダの死。いじめは刑事事件に。富岡製糸、世界遺産に」

◇パンダの赤ちゃんが死んだ。母親のジャンアントパンダ・シンシンはどう受け止めているのだろうか。あの漫画のような不思議な顔は笑っているようにも泣いているようにも見える。150gのネズミのような体を巨体が抱きしめる姿は奇異で神秘的ですらあった。キューキューという泣き声が本能という回路を経てシンシンの心に届いていた。暗い世相の中で一瞬広がり始めた明るい光が消えた。

◇ついに刑事事件に発展した。大津市中2男子自殺問題。既に民事訴訟は継続しており、市長は、10日いじめと自殺との因果関係を認め和解する方向を示している。

 刑事事件として問題となっているのは、同級生の3人が少年の両手を縛り、口に粘着テープを貼った行為だ。報道からは長期にわたりいろいろあった事が伝わってくる。死を選ぶ迄追い詰められた辛い思いをしていたことが想像できる。学校の対応は理解出来ない。問題が大きくなってから右往左往する。本県の明子ちゃん自殺問題もそうだ。明子ちゃんの民事訴訟はまだ続いている。今回の大津市の出来事が事実上影響を与えることはあるか気になる。

◇いじめの自殺が繰り返されている事を改めて痛感する。平成18年いじめ自殺が相次ぎ、平成19年文科省は「精神的苦痛」をいじめ定着の中心に据えた。福岡の中2自殺がきっかけだった。先生が生徒にイチゴの「あまおう」、「ジャムにもならない劣果」とランク付けした事件だ。群馬県教委は文科省の動きを受け教育長緊急アピールを発表、いじめを最大の課題として取り組むよう訴え、いじめ問題対策マニュアルを作った。それから3年余経過して平成22年明子ちゃん事件が起きた。

 いじめ問題は根本的に解決されていない。底流があるから頭をもたげて現れる。そして連鎖する。現在の動きをこう把えるべきだ。群馬県の教育界も緊張感をもって原点にたち返って取り組むべきである。

◇富岡製糸場等の世界文化遺産登録が確実に近づいた。今日(12日)、国内推薦が決まる見通し。「世界」の文化遺産と認められるためには地域を越えて時代を超えた普遍性が必要。それは高品質の絹を大衆化したこと及びそれを可能にした当時の工場群である。絹はかつて一部の上流階級のものだった。技術と大量製産がそれを民衆のものにした。背景には群馬の養蚕の歴史があった。物づくり立県の源流である。(読者に感謝)

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