クラカメとオールドレンズのメンテナンス② 帰ってきたM3 | norimのブログ

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1ヶ月ぶりに オーバーホールに出していたM3が帰ってきたw

1ヶ月ほど前にブログに書いた が、結局、熊本にある「中村光学」さんにM3をオーバーホールに出した。
実は、カメラをオーバーホールに出すのは初めての事であった。

「中村光学」さんを選んだ理由は3つだ。

・評判がよかった。
もともと、中村さんは、熊本の老舗カメラ店「ひさなが光機」で長くライカとローライの修理担当されていた方で、「ひさなが光機」は、この業界では結構有名で信頼がある。
「どこに頼んでも断られた動かないカメラが、ひさなが光機に頼んだら、すっかり直った」などとの評判も多い。
実は、6月初めに、M3のメンテナンスを「ひさなが光機」にメールで相談したところ、「ライカの担当者が退職の為、対応できなくなりました」との返事をもらっていた。それからこの辞めた担当者を探していた。
その人こそ、中村さんだった。8月初めに「中村光学」開業のブログをみつけた事により、探し当てた。
中村さんの腕は折り紙付きである。

・比較的リーズナブルな価格設定
M型ライカなら3万くらいでオーバーホールしてもらえる。今回出したM3も追加費用もかからなかった。
実はオーバーホールにおいては、この追加費用という奴が曲者で、東京の業者だとまず最低価格では収まらないのだ。

・中村さんのお歳
中村さんは、私よりお若い。「カメラのオーバーホールに年齢が関係あるのか?」と思うかもしれないが
ライカのオーバーホールは5-10年に一度くらい一生続くものだ。
毎回業者を探すのも嫌だ。だから、私より若い人に出したかった。
この業界は、なかなか若い人はいない。

こんな理由から「中村光学」さんに決めた。だが、私もオーバホールは出したこともない素人。
なので結果を見てからその話しを書こうと思っていた。

そして、予定通りM3は1ヶ月後、帰ってきた。

ファインダー
箱をあけ、さっそく ファインダーを覗く。
「・・・・・・・・なんだこれは、」 綺麗だ! 曇り一つないきれいなファインダー。

ブライトフレーム
M3の白く太いブライトフレームがくっきり出ている。
「これ以上は求めてはいけない」というレベルだ。

二重像
なんか以前より、さらにくっきりしている。「凄いぞこれは!」

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これはIphoneで撮った写真なのだが、実は小さいファインダーの中を写すのは難しく実物の状態を伝えるのは難しい。画像をクリックして拡大してもらうとわかるが 青く囲んだ中の画像が中央の二重像の部分に写っている。

シャッターを切る。
「音が違う」明らかに、グリスが回っている音だ。摩擦音がまろやかだ。
音も静かになってる。3割減くらいな感じだ。
私は元々機械設計が専門なので実は機械音には敏感だ。

これはもう我慢できない。さっそくフィルムを入れ近所を散歩した。
ピントが合うかも確認しないといけない。
なので、最も条件が厳しそうな、テレエルマリートM90を持っていて 基本開放(F2.8)で撮ってみた。

外で撮影してみると、シャッター音がさらに綺麗だ。
何の引っ掛かりもない感じだ、控えめに「チャッ」という音だ。前より音の余韻がなく早く収束する感じだ。1/50 1/100くらいのシャッター音がなんとも心地よい、心がとろけるようである。もちろん、シャッターの衝撃もほとんどない。

下はピントテスト結果の写真だ。90mmF2.8でこれなら問題はない。
1 2 3 4

これで3万なら安いものだ。本気でそう思った。
中村さんにお礼のメールを書くと、返事が帰ってきた。

「もともと(M3は)造りの良いカメラですので、手間をかければ良い状態にもどります。」
との話しでした。

       「本当に戻るのですね。」 



外観のスレとか、裏蓋のグッタペルカの浮きとか、裏蓋の塗装剥がれとかは、もちろんそのまま。
つまり外観は何も変わらない。たぶんカメラに興味がない人が、このカメラのOH前と後を見ても何が変わったのは全くわからないだろう。
でも、持ち主にとってはそうではない、この数ヶ月数十本のフィルムで撮影した。シャッター音は耳にこびりつき、ファインダーも目に焼き付いている。この違いは、本人にしか理解できない。

   傍から見たら、「オーバーホールして何も変わらないじゃない」の世界。
   でも、本人にとっては、天と地ほどの違いがある。


私がライカM3に求める機能は、

  ①ファインダーが見易い事
  ②ピントが合わせやすい事

私が知る限り、距離計内臓のファインダーでM3のより見易くピントが合わせやすいファインダーは知らない。でも中古で買ったらたまには、オーバーホールしなければ綺麗なファインダーにはならない。

  ③ライカのレンズを付けてピントがちゃんと合うこと
  ④シャッター速度が正確である事

これは、ちゃんとしてないと、まともなカメラとは言えない。オーバーホール前でもだいたいは正確だったと思われる。

  ⑤シャッター音が気持ち良いこと。

これはオーバーホールしないと得る事は出来ない効能だ。
外観の綺麗さはその次の話しである。

実際の所、新品のM3を触る事は出来ないので、あくまでも想像ではあるが、
今回オーバーホールすることにより、機能的には私のM3は完全に戻ったと言えよう。