ウジノワキイラツコはオオササギ王に何度も声をかけるのですが、兄はその度微笑んで、辞退したのです。
「外国の新しい学問を学ぶのは大切なことだ。しかし、私はこの国のことを思いたい。国の民が貧しい時に、国の外に目を向けてもせんないことだ。だから、私はこの国の学問をもっと深く学ぼうと思うよ」
と。
こうして、オオササギとウジノワキイラツコは、全く違う知識・学問に深い造詣を表すことになっていくのですが、二人の皇子は、そのことをお互いに「頼もしい」と思うのでした。
ウジノワキイラツコはオオササギに、こう言ったことがあります。
「オオササギ兄上、多分あなたが次の天皇でしょう。あなたの仁と徳は、国を潤わせること間違いありません。私が進取の精神でもって補佐し奉りたいのですが、兄上は、私をお側においてくださりますよね?」
オオササギは、
「そんな先のことを言うものではない」
と笑うのですが、それでももし、自分が天皇となった日には、この弟がどれだけ頼りになるか、と考えるのでした。
しかし、父である応神天皇の考えは違っていたのです。
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