道端に咲いてる白い花。
白くて見た目は
きれいだけど
花からは黒い花粉の毒を吐く。

それを知らず
「白くてきれいなお花」と眺め
黒い毒に侵される。


風邪ひいていた僕は
薬局に行く途中
道端で本を拾った。
植物図鑑だ。



そこには...
あの花が載っていた。
猛毒の花として。


僕は急いでその花を
処分しようと
その場所へ行き
踏み潰そうとするが
それを見た人が
「正気か?」と怒鳴り散らす。



僕が事情を説明しても
聞き入れてもらえず
僕は植物図鑑を手にしたまま
その街を出た。


それから半年後に
その街を通って見たものは
倒れた人々と
たくさんの白い花。


白い花は
そよ風に揺られ
白くてきれいな花を
今日も演じていた。