【書評】残念な人の思考法 | 飯島法久の毎日がプロジェクトマネジメント!

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残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)






こんにちは、こんばんは、おはようございます!


さて、皆様大変お待たせ致しました。
およそ一週間ぶりの書評となります。


本日選んだのは「残念な人」の思考法について解説している、この一冊をご紹介致します。


「残念な人」って、どういう人なのでしょうか?

一言で言うと、
「学歴も資格も持っていて、夜遅くまで働いているけど、結果が出ない人」
のことだそうです。

著者の定義では、
残念な人=もったいない人

つまり、仕事は一生懸命やるけど、効率の悪い人、ってことですね。



実は、結構「ドキッ」としました。
何を隠そう、僕も以前は「残念な人」だったからです。
いや、今もまだそういう部分はあるかな。。


では、「残念な人」は、どういった思考をしているか。
そして、「残念な人」にならないためには、どうすれば良いか。


以下の方程式が、ヒントです。
仕事の成果=プライオリティ(優先順位)×能力×やる気


それでは、いつも通り解説してみます。





①構成要約

1. 残念な人はつくられる
どういうことかと言うと、便利だからこそ「残念になってしまう」とのこと。
要するに、色々な困難や問題を想定し、それを解決するための方法を試行錯誤するからこそ、「考える力」が身に付くのであって、便利になるからこそ、逆に「思考停止」の人間がつくられてしまう、と著者は言っています。
そして、プライオリティ(優先順位)を間違うから、「残念な人」なのだと。
ロジック(論理)が合っていても、前提条件が違っていれば、当然結論(答え)が変わってきてしまいますよね。
優先順位や前提条件の大切さについて、事例を通して学ぶことが出来ます。


2. 二流は掛け算で考え、一流は割り算で考える
「二流は積み上げで考え、一流は市場全体から考える」
事業計画の例ですが、「二流は前年比で今年の売上予想を考えるが、一流は市場に対するシェアから売上予想を考える」という対比がされています。
要は、イチから順番に物事を捉えるか、全体を俯瞰して部分最適を考えられるかの違いですね。
近視眼的になるから、セオリー(理論)を知らないから、「残念な人」になってしまうそうです。


3. 残念は人は「塗り絵」が出来ない
「仕事は塗り絵で考えよ」と著者は言います。
塗り絵は、どうやったらきれいに出来ますか?
それは、まず最初に「枠をしっかり描く」こと。
仕事に置き換えると、「自分で必勝パターンを考える」ということ。
与えられた仕事をこなすだけの人は、「残念な人」。
人の描いたレールの上で、闇雲に頑張っていても、答えが出るはずないんですよ。


4. 機能だけ磨いても、二階には上がれない
まず、著者の言う「二階」とは、「高い視点」ということです。
これまでで説明した言葉で言うと、「俯瞰する」という意味ですね。
高い視点に立つことで、初めて見えることもある。
ビルに上ってみないと、遠くの景色が見えないように。
部下であっても、上司視点でものを考えられないと、出世出来ない。
では、良い上司には、仕事が速いだけでなれるのだろうか?
ここでは、小手先のテクニックに溺れた結果、辿り着くリスクについて、説明しています。
それも、「残念な人」の末路だ。


5. 人生を残念にしないためのプライオリティ
最後に、「やっぱり優先順位って大切だよね!」っていうことが分かる、具体的な事例集。
優先順位=前提条件を適切に設定することが、人生においても、非常に重要だということがよく分かります。
この本は、「優先順位」を見極めるための「基準」をつくる本なんです!




②所感

著者がコンサルタントのせいもあり、ロジカルシンキングをベースにした思考方法をもとに、「何故うまくいかないのか」を論理的に考える本です。

僕が初めて「前提条件」の大切さを教えて頂いたのも、ある僕の尊敬する経営コンサルタントのセミナーでした。

だから、中味を拝見して、ロジカルシンキングの本だと分かって、読んでみようと思いました。

僕らは、ともすると、自分の主観に囚われて物事を判断しがちです。

いや、むしろ殆どの判断基準は、主観に基づくものでしょう。

でも、ビジネスの現場では、主観だけで仕事がうまくいくはずはありません。

その際に、自分を客観視=俯瞰して考えるために必要なのは、「前提条件=考え方」を適切に選ぶことであり、そのためには優先順位づけの基準をしっかり持たなければならない。

そして、優先順位によって、適切な結論というものは、変わってしまうものなんですよね。

例えば、「質」を重視するのか、「量」を重視するのかによっても、アウトプットに求められるものはまるで変わってしまいます。

それが、この本の主旨となります。

自分の思考法を鍛えるために、是非とも読んで頂きたい一冊でもあります。

「頭でっかち」ではいけませんが、でも知っているのと知らないのとでは大違い、だと思います。

「思い込み」は、正しい判断力を鈍らせます。

論理的に考えたいのならば、うまくいかないのなら前提条件が間違っている、と直感的に判断するクセをつけることです。

最初から間違っているのに、同じところをぐるぐる回っているような考え方の人は、世の中たくさん溢れています。

物事は、多くの視点から考える必要があります。
同じロジックで考えたとしても、前提条件の種類だけ答えは存在するのです。

色んな思考方法があり、感情ではなく論理的に判断したい方は、この本で自分の「軸」の精度を確かめてみると良いでしょう。

ビジネスにおいて、「思考の深さ」ってとても重要だと思います。

僕なりの解釈ですが、「深く考える」と、「高い視点」で物事を捉えることが出来るのではないかと思う。

僕はサッカーが好きで、以前はよく観戦していましたが、まるでフィールドを俯瞰しているかのごとく、視野が広いプレイヤーが、います。

周りの選手よりも高い視点から試合を見ているから、一歩先の展開を読むことが出来、決定的なチャンスを作り出すことが出来る。

日本人で言うと、中田英寿なんかがそのタイプですね。

彼も、非常に頭を使ってプレー出来る、クレバーな選手です。

恐らく、思考の深さも一流だったのでしょうね。

仕事も、全く同じだと思うんです。
少なくとも、自分の仕事のやり方について、常に客観的に評価出来るような視点を持ちたいですよね。

そうすれば、自ずと、自分を殺さずにうまく周りの人たちとどのように関わって行くべきか、分かると思います。

周りに流されない、「自分の軸」をつくるためのひとつの判断基準になるでしょう。

そういった、色んな意味での「優先順位」の大切さを教えて頂ける一冊。

改めて、良い頭の体操になりました^^




③こんな方へオススメ

1.頑張ってるのに結果が出ない方
2.やる気はあるのに何故か評価されない方
3.いつも残業をしている方
4.ロジカルシンキングが苦手な方
5.「こんなはずはない!」と思ったことがある方





残念な人の思考法(日経プレミアシリーズ)







本日も最後までお読み頂き、誠に有り難うございました!
皆様との良きご縁に感謝申し上げます。





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