先週末は音楽モード。


土曜はいくつか詞を担当していたMICA作曲コースの修了発表会。

なんだろう、今期(というかここ2ヶ月)は充実していたのかな。

あたらしい出会いもあり、適度な目標があり、まあまあ達成できた、と。

多少なりとも前に進んでいるんだろうし、そのたびに〈こわさ〉は増す。

でも、それがなくなったら終わりなんだろうし。


そして、日曜日は顔見知りばかりのライヴイベントに。

ただ、まあ、ほかのひとにはちょっと悪いけど、

僕が見にいったのはトリのバンドのギタリスト。

最悪、彼と会えるのは最後になるかもしれなかったから。


出演者がこの時期にライヴをやることへの戸惑いを口にするなか、このバンドは違っていた。

2曲めが終わったあと、ギタリストのぎこちないMC。

彼が生まれ育った街が津波にのまれ、親兄弟は無事で、友人は何人か行方不明。

事情は2週間前、メールをやりとりしたときと変わっていなかった。

ただ、実家に戻る時期はゴールデンウィークまでずれこんだ。

冷静になったんだと思う。

かえって邪魔になるかもしれないから、と彼はいった。

確かに、まだ、「沿岸に千体の遺体が漂着」という段階では、

ただのひとが力を発揮できる時期ではないのかもしれない。

出演者中、おそらくこのバンドが一番動揺して、そのぶんふっきれていたのだろう。


ちなみに、彼の地元はよくテレビで取りあげられていて、

「この避難所ではこういうものが不足しています」というような報道もいくつかあった。


そのたびに胸が痛んだ。


伝えることは必要なのだと思う。

でも、不足しているものをとどけたくてもとどけられないひともいる。

そこまで考えはおよんでいただろうか。

正義って小学校にあがったときくらいから手もとにもっているはずなのに、いろいろと難しい。


それでも、何かしなきゃいけない気がして、土曜日、募金を集めた。

金額がおおきくなると扱いに困ることもあるから、ひとりの上限は10円。

缶コーヒー買おうか、と彼はいっていたけど、それもあやしい(笑)。


彼との話のなかで、共通の友人の実家が原発の避難区域内だということを知った。

そして、僕はなるべく普通に暮らしている。