おととい、父の実家から電話があった。

初耳だったのだが、自家発電装置があるらしく、とりあえず暮らせている、と。

ただ、ガソリンはないらしい。


宮城県のちょっと内陸にはいったところあたりは兼業農家が多い。

さまざまな農業用の機械を動かさなければいけないので、油が日常生活に根づいている。

冬は寒いこともあり、暖房はもっぱらストーブ。

また、駅から駅まで歩いていく、なんて考えられない世界だから、車は欠かせない。

なにより油がほしい、という青森県知事の訴えは切実なものだ。


農家がその場にいるからこそ、食料が現地調達できうるからこそ、

なんとかしのげている避難所はたくさんあるだろう。

父の実家にも、昨年収穫した米がある。

最寄りの避難所には供給できるだろうし、すでにしているのかもしれない。

しかし、その先、融通するためにはガソリンが必要だ。


父が電話口にたった。

いくつもの聞きなれない地名、そして10名ほどの名前が聞こえてきた。

父のいとこの一人とまだ連絡が取れていないこと、

そのほかにも、安否がわからない人が数名いることが、なんとなくわかった。


ついさっき、宮城在住のアメンバーのブログが更新された。

住んでいる地域の詳細はしらないが、生きていてまずよかった、そういう地域だと思う。

できることはなにもないから、はじめてアメゴールドというものをつかってみた。


22時前に起きた地震で我孫子と父の実家がおなじ震度だった。

それくらいのちかさだし、あまりに遠いと感じるときもある。


僕の知りあいはみんな無事だった。

でも、知りあいの知りあいはそうもいかないだろう。

そういうひとがかなしみを持ちよって、身をよせあっている場所が、いま、確かにある。