勉強のやる気を起こさせるには | これでも元私立高校教員

これでも元私立高校教員

30年以上の教員指導を通じて、未来を担う子供たち、また大人の思考などをテーマに書き綴っています。
日本史と小論文の塾を主宰し、小学生から大学生、院生、保護者の指導をしています。

こんにちは

長坂教育研究所の長坂です。

 

勉強をやる気にさせたい

 

ほとんど親が子供に対し、思う自然な感情だと思う。

むろん、なかには自発的な子供もいるだろうが、多くの親から見れば、自分の子どもがなかなかやる気を起こさないのが、どうにもジレッタイ。

 

それに対し、教員が、

 

お子さんが、自分からやる気にならなければどうにもなりませんね

 

などと言ってしまっては身もふたもない。

だったらどうしろというのか?と聞きたくなるだけだ。

 

そうこうしているうちに月日が流れることは決して少なくなく、しかも成績も一向に向上しない。

 

やる気を起こさせるためにもっとも有効な手段はなにか?

それは指導者が「成績を向上させる」ことである。

 

ちょっと待てよと思うであろう。

やる気がないから成績が悪いのに、どうやって成績をあげるというのか?

 

よく教員はこんな指導をする。

学習日程を生徒に考えさせ、勉強の日程を自分で考えて来いという指導だ。

これにはある意味での勉強法の考案も含まれる。

しかし、生徒が立ててくる計画とは、かなりの確率で実行されないか、もしくは計画が最初から無理過ぎる、さらには教員から杜撰過ぎて計画になっていない、そんなケースが多い。

 

冷静に考えれば当たり前で、勉強が苦手な生徒が立てる勉強法が効果的なはずがなく、勉強を教えるプロである教員から見れば、当然ながら生徒の考える学習計画は稚拙であり、手直しをしたくなる。

さらに最悪なのは、計画を立てることによって生徒は学習をしている気分になる。

これまた残念なことだ。

 

常々思うことは、なぜ合理的で効果的な学習計画を、最初から教員が立ててあげないのかということだ。

これはスポーツに置き換えれば簡単に理解できる。

あのテニスの錦織選手だってコーチであるマイケル=チャン氏が練習メニューを考える。

世界の一流選手ですらそうであり、それを理由に錦織選手に自主性がないとは誰も言わない。

つまり、自主性とはメニューへの取り組みの姿勢の中で発揮できればいいのであって、練習法(勉強法)や、スケジュール(勉強計画)を考えることではない。

 

まずは指導者が、合理的で有効な勉強計画を提示することだ。

それも1週間から2週間程度で、誰にでも効果がわかるトレーニングメニューと日程だ。

簡単に言うなと叱られそうだが、それを考えるのがプロではないのか?

 

 

もう一つは、結果を約束することである。

 

頑張れば成績はあがる

 

これは約束ではない。

 

とにかく覚えれば成績はあがる

 

これも約束ではない。

 

ある一定の作業、つまりは指定されたトレーニングを行えば、必ずこのような成績になるよと生徒に約束をすることだ。

むろん、そうならなかったらすべて教員が悪いし、生徒の怠けも含めて教員の責任である。

それを生徒の前に公言することだ。

 

勉強は自分次第だ

 

この言葉でやる気が起きる生徒はそれでよい。

しかし、現実はそれではほとんどはうまくいかない。

 

この問題集をやりなさい

 

ではダメで、

 

この問題集を、この日程で、この手順、方法でやりなさい。そうすれば偏差値70です

 

でなければならない。

 

生徒に考えさせることは大事だ。

そんなことは議論の余地はない。

 

しかし、プロであるはずの教員は、勉強を教えるだけでなく、もっと勉強のトレーニング法、最高の学習計画の提供に関与すべきではないだろうか。

 

勉強法は自分で見つけるものだ

 

そんな風にできる人もいるかもしれないが、それは僅かだし、

 

自分からやる気をおこさなければ、周りがなにを言っても無駄だ

 

こんな風に自分からやる気を起こす人もまれだ。

 

ならば、教員がコーチやインストラクターになって、「やる気を起こさせる」指導をすればよい。

もちろん、それはキャリア教育や様々なガイダンス、個人面談でも可能だが、持続的なやる気を起こさせる最高の指導は「成績を上げる」ことである。

 

そのために逆算して何をすべきか、そう考えていけば、最高の勉強法・日程を教員側から提供したほうが効果的であるという結論になる。

 

だからこそ、勉強法の開発や、有効な学習日程の模索とは、ある意味では教員の研究テーマとしては、欠かすことのできない重要性を持っているのではないだろうか。

 

最後に、学力を上げるとは、絶対的なものではなく、必ず相対的、さらには全体的でなければならない。

その成功体験こそが、やる気の源となるのである。

 

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