宇宙戦争 | Noo・シネマ・パラダイス

宇宙戦争

宇宙戦争 (2005/米)
■人物関係の設定が最初よくわからなかったのでちょっと触れておきます。トム・クルーズ扮する主人公のレイは離婚歴があって、前の奥さんとの間に二人の子供がいたんだけどどちらも親権は奥さん。で、その前妻(と今の旦那)がしばらく実家に戻るってんで、そのあいだ子供二人を預かることになった。そういう設定ね。
何も知らずに見てて「?」マークがいっぱい飛んでたんで。

■そのトム・クルーズだけど、今回はあまり「らしさ」がないなあ。キャラが地味なのでそう感じるんだと思うけど、そこら辺にいるダメ父ちゃん、ただしかなり熱い、くらいの印象だった。

■さて、この映画、けっこう怖い。細かく見ていくと3パターンの恐怖が描かれているんだけど、まず最初は巨大マシンに街が(人も)壊されていくところから。つまりは圧倒的な破壊力を持つ巨大な存在に対する畏怖を描き、人間があまりに無力で為す術のないことを思い知らされる。

次の恐怖はその人間自身。パニックに陥り、そして暴徒と化した人々のなんと恐ろしく、愚かなことか。

んで3番目の恐怖が、等身大の正体不明の存在へ抱く怖さで、質としてはこれがイチバンコワイ。対象が巨大であれば、パワーに圧倒されるかもしれないけど見つからなければ助かるかもしれないし、こちらから相手がすぐ確認できるので先手が打てる。家のなかでじっとしていればやり過ごせるかもしれない。しかし、それが小さくて、家の中にまで入ってきたら・・・。窓の向こうを横切るかもしれない、あるいは、振り向いたらそこの暗がりに立っているかもしれない!スリラーと言うよりホラーに近いようなこの恐怖の描き方が絶妙。ただ、あいかわらずしつこさも目立つ。

一度にいくつもの質の恐怖が楽しめる(あくまで「楽しめる」程度ね)なかなかの作品。

■オチの付け方は・・・ある程度予想の範疇だったけど、ちょっと唐突に感じた。なんじゃそらってほどじゃないけどね。

評価★★★☆


〈観賞データ〉
シネマメディアージュ 2005.7.2 13:55- シアター2 G列14番
G列ってのはいままでになく前方の席(そこらへんしか空いてなかった)。疲れるけど、迫力あっていいねやっぱり。