兵庫県議会各常任委員会において、特定テーマを設定し、一年をかけて調査研究しています。
 農政環境常任委員会においては、平成25年度の特定テーマを「将来の兵庫の農業を支える担い手づくり」と設定し、議長に対して、中間報告を行いました。



 その内容は、次の通りです。
1 はじめに
 ひょうごの農業は、我々県民に安全・安心な食料を供給するだけでなく、農地の持つ多面的機能の維持・保全を図る上でも極めて重要である。
 一方で、TPP交渉の結果次第では、本県 農林水産業に大きな影響が出ると予想されることから、大都市近郊に立地し、多様な自然環境に恵まれたひょうごの強みを最大限に活かして、国内外の産地間競争に勝ち残ることができる産業としての力強い農林水産業を確立することが喫緊の課題となっている。
 農業を含めて産業を担うのは人であり、人がいなければ産業は成り立たない。また、就農・生活の場となる集落が活性化しないと就農促進は見込めない。本県の農業を見る と、2010年世界農林業センサス(平成22年)で販売農家の農業就業人口のうち、65歳以上の占める割合が68%となるなど高齢化が進行して おり総農家数も減少が続いている。力強い農林 水産業の確立に向けて、人材の確保と合わせて、個々の技術力を向上し、競争力の高い人材 を育成、及び集落を活性化することが急務となっている。
 このことから、本年度の農政環境常任委員会は「将来の兵庫の農業を支える担い手づくり」を特定テーマとして調査研究を進めている。本書では、何よりも人を確保していくことが重要であるため、新規就農促進に向けた現行の県施策展開について、課題の分析を行った結果、得られた次年度の県施策に反映すべきと考えられる内容について報告する。
 なお、就農の受け皿となる集落の活性化については、集落営農組織の育成や経営基盤強化に関する調査研究を継続して進め、調査結果については最終報告書にて記載することとする。
2 現状の新規就農促進に向けた施策展開と課題
 現状の当局の施策展開を検討し、以下の課題を抽出した。
(1)現状の施策展開
 新規就農者の育成・確保に向け①啓発活動、②農業体験、③就農相談、④就農準備、⑤就農、⑥経営発展の6つの段階で、1.情報提供、2.技術習得支援、3.条件整備支援、4.経営安定支援の4つの分野から支援が行われている。
(2)課題
 ① 就農準備段階における技術習得支援の充実が必要
 付加価値のある産物を効率よく生 産するためには、技術力の習得・向上が必須となることから、4つの支援内容の中でも技術習得の支援は特に重要である。また、年間新規就農目標300人を安定的かつ継続的に達成していくためには、特に、就農相談に訪れる相談者(H24年度 で650人)を就農に橋渡しする農準備段階の支援が特に重要である。
 このことから実践的研修等の強化、拡充が必要である。
 ② 就農・経営発展段階における技術習得支援の充実が必要
 就農準備段階における技術習得支 援の強化により、就農希望者の就農を促進するとともに、既就農者のさらなる栽培技術・経営能力の向上を進めて定着を促進し、既就農者の離農を抑制する必要がある。
 このことから、定着促進や経営発展に向けた支援を強化する必要がある。
 ③ 就農相談・準備段階における条件整備支援の強化が必要
 就農準備段階では、ハウスなどの 条件整備に費用がかかることに加え、良好な農地や中古資材の情報を入手すること自体に時間や労力がかかる状況があり、就農希望者にかかる負担を軽減する必要がある。
 3 県施策に反映すべきと考えられる内容
 2の課題をふまえて、新規就農の促進強化に向けて、就農準備段階における技術力向上を中心に以下に記載する。
(1)民間団体等における実践的研修機会の拡大
 新規就農者の安定的かつ継続的な確保に向け、多くの就農希望者が円滑に就農段階に移行できるよう、公的セクターに加え、JA、農業法人、民間団体等において、実践的な技術が習得できる研修機会の拡大を、引き続き図るべきである。
 また、農業法人等の規模拡大や多角化により、雇用吸収能力の高い法人経営が育成できるよう、農業法人等の雇用を支援するとともに、雇用を通じた就農希望者の実践的な研修機会の拡大につなげるべきである。
(2)就農促進・定着サポート体制の充実
 非農家出身者は、地域のとけ込み等において、農家子弟に比べ障壁が高いことが、定着を妨げる原因となっていると考えられる。
 そこで、研修を終え、就農に至った非農家出身等の新規就農者が、早期の定着・経営安定を図れるよう、地域の先進農家が行う後見人的な応援活動(栽培技術・経営・販売の指導や地域へのとけ込み支援等)を継続して実施するべきである。
(3)営農に適した農地や中古ハウス等の情報収集・提供
 就農希望者にとって農地確保とハウス等の施設導入のための資金確保は大きな課題であり、地域の農業者や市町、JA等の協力のもと、営農に適した農地や中古ハウス等の情報を収集し、就農希望者へ情報提供するしくみを構築するべきである。
 なお、参考として、兵庫県農政環境部長にも、手交しました。
 最後まで、お読みいただきまして、ありがとうございます。心から、お礼申し上げます。
 応援していただいている西宮市民の皆様、実際に投票していただいた11,291名の皆様に、感謝を込めて
 がんばろう日本!
 負けないで!
 諦めないで!
 挫けないで!
 兵庫県議会議員 西宮市選挙区 
 野々村 竜太郎


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