書籍 『横道世之介 吉田修一』 | 福玉本舗〜ノンジロウのブログ〜

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今回は書籍の紹介です。

『横道世之介 吉田修一』

【80年代のある年、大学進学のため長崎から上京した横道世之介18歳。
愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる。友の結婚に出産、学園祭のサンバ行進、お嬢様との恋愛、カメラとの出会い…。誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。第7回本屋大賞第3位に
選ばれた、柴田錬三郎賞受賞作。(「BOOK」データベースより)】

吉田修一さんの作品は過去に『パレード』を読んだだけで今回2作目です。
『悪人』『さよなら渓谷』『怒り』は映画化作品では知ってます。

ストーリーは世之介の大学生活1年目の様子を淡々と描いてるだけで
特にドラマチックな展開等は無いです。
世之介はお人好しで人懐こくチョット図々しい、まあどこにでもいるような
青年ですが、所々に見せる優しさや繊細さ、そして侠気に読み進んで
いくうちにどんどん好きになっていきました。
世之介が交際するお嬢様の祥子が結構ユニークなキャラでいいアクセントに
なってます。

所々に世之介と関わった人達それぞれの約20年後の生活の描写が
挿入されてます。
とっくに交流は途絶えてるんですが、何かのおりにふと思い出しつい
笑ってしまったり、涙したり。確かに彼等の心の中に世之介は存在してます。

昔の事を思い出した時に懐かしいような切ないような気持ちなる事が
あるかと思いますが、まさにそんな読後感でした。
ふと学生時代の友達を思い出したり、逆に僕のことを思い出してくれてる
人もいるんだろうかと思ったりもしました。
きっと「漫画ばっかり描いてる奴おったなぁ。あいつ名前なんやったかな」
って感じだと思います(;^_^A

この作品は2013年に映画化もされてますね。
誰が世之介を演じてるのか知らずに読んでたんですが高良健吾くんが
演じてたんですね。すごく合ってると思います。
ネットを見るとかなり評判いいみたいなんでこっちも是非観てみたいです。

「BOOK」データベースにある“青春小説の金字塔”っていうのは少々
大げさかと思いますが、すごくいい作品でした。
また数年後に読み直したくなるような気がします(‐^▽^‐)