世田谷文学館で今日(12/8)まで開催中の
「会ってみたかった。幸田文展」へ行ってきました。
12/1にはご長女・青木玉氏と森まゆみ氏による講演
「<女>が語る幸田文」もあり、それにお友達が
申し込んでおいてくれて、目出度く当選[emoji:v-32]
すごーく楽しみにしてました。
顔を隠しておりますが、ハッキリ言って満面の笑み。
できれば幸田文さんのお好きだったというお召しか、
パキっとした色の色無地で伺いたいところですが生憎
持っておりませんで…先日手に入れたばかりのレトロ
小紋をおろしました。
帯は白地じゃ普通なので、カラシ色。お太鼓は
唐子柄です。前の柄が寂しいので帯留をつけました。
当日は、着物好きの方が多いのかと思っておりましたが
蓋を開けてみたら着物姿の方はわたしたち3名を覗くと
お1人ぐらい。青木玉さんはもちろん着物でした。
こげ茶の紬の色無地に、やっぱり紬地の、ベージュ地に
可愛らしい更紗の小柄がたくさん散った帯を締めておいででした。
聞きしに勝るお辞儀の深さと長さ、そしてどなたをも
傷つけない言葉づかいとお話しのされ方(深い思慮の
表れなのですね)しばしばご自分をさえ茶化して場を
和ませてくださるご様子といい…なんとも素敵な方でした。
わたしが師事しているお茶の先生は幸田文さんと
言葉を交わしたことがあるそうで、玉さんのお声は
幸田文さんととても似ているのだとか。
初めてお聞きする玉さんの声はわたしの想像とは
異なっていて、どちらかというと高い声で鈴を
転がしたようなお声。そして、展示会場でこれもまた
初めて聞いた幸田文さんのお声も、すらすらっと早口
なんだけれども優しげで高い声音なのでした。感動。
(ファンだから何を見ても、何を聞いても知った喜びで感動です)
世田谷文学館には初めて行ったのですが、かなり力の入った
良い展示でした。会場には直筆の原稿、愛用の道具のほか
家族の写真(若い頃の文さんは著者近影のお写真の面影とは
全然異なるのです)と取材中のさりげないショット、
エッセイのそこここで読んで「どんなのかな」と想像たくましく
していた着物も数枚、そして「あの」浴衣もあり
かなり充実していました。展示のされ方もメリハリと工夫が
あって飽きのこないつくり。そうそう、露伴の書もかなり
ありました。表装されたものも多かったです。
上の写真右側は展示会場を出たところに「1枚づつどうぞ」と
置いてあったおふくわけのカード。細部まで凝った企画でした。
それに裏面に印刷されていた文章がまたいいのです。
幸福な家庭は未来に描くものではなくて、
いろんな不幸をしょってる現在の中に
発見するものだ。
けれども、偶然に生じるのではなくて、
意をつくして育てるものだ。
(幸田文「幸福なうち」より)
幸田文展のご紹介の後でお目汚しですが、
当日のコーデ後ろ姿。
まだまだ読んでない著書があるみたいなので、
新たな楽しみができました。