君は永遠にそいつらより若い/津村 記久子
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津村さんの著書を読むのは初めてですが

これ、よかったです


最初は変な青春モノか?世をひねて見てしまう処女の話か?

ナオコーラさんみたいな感じ?とか色々思ったのですが

後半になるにつれグンと面白くなっていきました

ダメな女童貞のホリガイさんがどんどん強く、そして勇敢に。



このタイトルの意味するところは、ずっと後半にでてきます


ひどく虐げられ、傷つけられた子供たちに、強く生きていて欲しい

受身だけど、そんな気持ちのこもった言葉。



深刻すぎたり、事件性ばかりを追ったのではなく、大学生の日常に

からめて書いたところが余計にうまく。


死に絶え絶えのイノギさんの服を下ろし顔を拭いた小学生や

少年を助けたくて事件を起こしてしまったホダカ君

そして、少年を助け鍵を必死になって探したホソガイさん

吉崎君の優しさ。

とてつもない悪があって、成す術もなく傷つけられる者がいる

社会にも出ていない青二才で、何もできないながらに、「自分がそこにいて

やれなかったこと」を悔やむ繊細な優しさもある。

力がなくてどうにもならないことばかりだけど、その悪に自分の人生までをも

潰されることはないんだ。



津村さんもっと読んでみます