1.    遍路旅、最終話まで書き終えて

「四国連続3周自転車野宿遍路旅」の話を書くと、遍路中、友人と約束した約束を果たすため、遍路仲間の死をきっかけに、2016年5月から約9か月間、書き続けました。

前書きから始まり、序章、1章、2章、3章、最終章と書き、文字数で合計すると、769440文字です。

10万字程度の単行本だとすると、私は、去年の年末までに本を7冊程、書き上げたことになります。

 

多少の資料を整理し、全体のストーリーを大雑把にまとめるところから始めてみると、ある事に気付き愕然としてしまいます。

そう。あのお遍路をした頃からは、13年も経っているのです。要所要所の記憶が途絶え、前後の話がつながらない所が多々ある事に気付き、到底、この話を書き通せる気がせず、気が遠のきます。

すると、私はある事を閃き、当時、お遍路をした時の白衣や納経帳や地図や思い出の品を詰めた箱を何処かに閉まっていることを思い出し、早速取り出してみると、その中から、なんと自転車遍路の2年後に車で回った後、既にこの話を書こうと思っていた私は、全体のストーリーを箇条書きでノートにまとめていたのです!

そのノートのお蔭で、全体のストーリーは、頭の中で所々に邪魔していた小川をせき止める大きな岩が取り除かれたかのように、さらさらと流れ始めました。

事細かに忘れていたことも、一旦書き出してみると、不思議なことにどんどん溢れるように鮮明に思い出されます。

 

私は、とりつかれたかのように仕事以外の時間や仕事の合間は、全て約9か月間と言う長い期間中、ずっとずっと書き続けていました。

私が、話を書かなかった日は、旦那さんと休日でお出かけをする時だけです。

実際は、お昼御飯を食べるのを忘れていたり、夕食の支度をすると時間が足りなくなるので、家事も必要最低限に絞り、書き上げる事だけに専念しています。

なので去年の5月からは、外食が多かったですね。

 

書いても書いても終わりの来ない遠い遠い、私のお遍路の話のゴール。

ようやく、最終章最終話を書き終えた日は、本当に心からホッとし、また、お遍路で苦しかった坂道を登り終えた時のような達成感もありました。

 

2.    執筆中のエピソード

 

本編を書きながら、当時の記憶と共に感情も蘇ります。

自分でも書きながら、泣いたり大笑いしたり、悔しい思いをしたりしながら書いてい行く内に、悲しい場面や悔しい場面などで、その日の書き終わりを迎えてしまうと、なんとなくその感情を引きずってしまう事に気付き、できる限り楽しい話の所までの予測を最初から立てて、必ず、楽しい話の辺りで書き終わるようにしていました。

 

また、所々、場所や位置関係が不安になった時は、Googleマップのストリートビューなどで確認をし、懐かしんだり迷子になったりと、本編を書いている時よりも調べている時の方が時間がかかっていたように思います。

そして、何より、今の時代は、現地まで足を運ばずとも、現地を確認できる技術の進歩にも驚かされます。

今現在では、そのような事は当たり前なのですが、私がお遍路をした頃には、存在しなかったものだったので、お遍路の旅の最中に何かを探し当ててそこまで行くこと自体が大変だったあの当時とのギャップを思いながら書きました。

あの当時に今のスマホやグーグルマップのような技術が進んでいたとしたなら、私のお遍路の野宿旅ももっとスムーズだったかもしれません。ただ、自分で探し当てて行く旅らしさは、減ってしまうような寂しさも感じます。

 

実は、書きながら調べ物をしていると、13年前の出来事でもあるので、沢山の物が、閉鎖されていたり閉店されていたりと言う事実を初めて知り、寂しく思いながら書いた部分も沢山あります。

その中でも、私がまるで借り物競争でもしているかのように1周目の結願に向けて大ハッスルした最終日の前日に乗った屋島のケーブルが廃線になっていることを知り、その屋島のケーブルが廃墟のようになっている写真をネットでも確認しました。

しばらく、屋島のケーブルカーに乗っている当時の自分を回想しながら、廃墟と化した屋島ケーブルカーの写真を眺め、寂しさが込み上げ、懐かしさもありつつ、とても残念に思いました。

その他にも3周目にせっちゃんや博士と一緒に立ち寄った鯨大師のある九島へ渡る九島フェリーも今年、橋が出来たので閉鎖された事も知り、便利になることは良い反面、あの当時と同じように船で島の人達と触れ合いながら島へ行くことは、もう二度とできないのかと寂しくもなりました。

話の中で「無常観」も表現したかった事ですが、こうして、お遍路の話を書きながら、当時の物が消え去っている現状を目の当たりにしつつ、改めて「無常」を感じます。

 

あの時のお遍路の話を書く事で、客観的に当時の話を改めて見つめる事になった私は、ふと全体を通して気付くこともありました。

遍路は、暑い夏の8月に始め、最終的にみかん狩りなども含め、12月末まで四国にいたことになりますが、不思議なことにその間、1度も台風に出会っていない事が驚きでした。

特に高知県は、しょっちゅう台風が直撃するところでもあります。

確かに1度高知県で、遍路中最大の危機に直面していますが、あれは台風ではありませんでした。

また、本編に登場するせっちゃんも、せっちゃんのお遍路2周の旅の中で、数回パンクをしているらしいのですが、私は、3周もしているのに1度もパンクをしていないことにも驚きました。

 

挿絵は、毎回、私がパソコンのマウスで適当に描いたものですが、無料素材などと組み合わせたり、全て私の描いたものだったりと、色々ですが、意外に時間のかかっているものもあり、本編を書いている時間が8割なら、挿絵を描くのに2割くらいの時間を費やしていたと思います。

私の遍路キャラクターは、遍路の2年後に既にこの話を書こうと思っていた時の私が、基本となるキャラクターのイメージを描いていたものを使いました。

今回、改めてこの話を書き始める時に当時のキャラクターの絵を確認してみると、遍路の私のイメージにピッタリだと思い、即採用し、あちこち手を加えたり、描き足したり描き替えたりしながらの作業は、楽しくもあり時間のかかる事でもあり、思うような線をマウスで描くのは難しく、発狂気味になる事もありましたが、基本的には楽しい作業の一つでした。

 

3.    この遍路話を通して伝えたい

 

このお遍路の話の中で、遍路旅が人生の旅の凝縮版であり、人の生死や日々の苦しみ、学び、笑いや達成感などを通して、それぞれにどういう生き方をし、どういう死に方をしたいのか、だから今日1日をどのように生きるのかを考えるきっかけになればいいと思い、この話を書きました。

もし、人生で苦しい日や迷う日があるなら、私のこの遍路3周の話のどこかの地点のエピソードを思い出して、だから自分はこうしようと言う風に、ある日、また思い出してもらえる日があればいいなと思います。

私自身もこの3周の話を客観視し、だから明日はこうするのだと思えればいいと思っています。

4.    出版について

買っていない宝くじは、永久的に絶対、当たる事がないのと一緒で、私が本編の中で友人と約束した「お遍路話の本の出版」は、その元となる原稿がなくては、出版さえできません。

私は、ようやく、その宝くじを買ったのと同じところに立てたと思います。

今後、これがどうなるのか確定ではありませんが、ここまでは、とにかくエピソードを最初から最後まで書き連ねてみる事に専念したので、ここからは、再度、話をまとめたり綺麗に整えたり、気に入らない部分は書き換えたりする作業をして、出版に向けて今年は、新たな道を歩いてみようかと思います。

可能か不可能か、現時点では何も見えませんが、私は「可能」というゴールを目指して、そちらも結願したいと思っています。

万が一、そのような「結願」を迎える事ができるとしたら、そこから「出版された本が多くの読者様の手に届く」と言う新たなゴールへと向けて新しい道を進まなくてはならなくなるでしょう。

そう。

遍路と同じです。

1度結願しても、永遠に死ぬまでグルグルと道は続きます。

 

5.    お礼

 

今回、この遍路の話を執筆するにあたり、一番の協力者だったのは、私の旦那さんです。

いや、むしろ協力者と言うより、被害者かもしれません。

特に何を手伝ってくれたわけでもありませんが、明らかに私がこの話を書き終えるまで、家事など一切削除すると宣言した私を快く見守ってくれ、書き終わるのを静かに待ってくれていた旦那さんに感謝します。

そして、以前まで長きに渡り、一緒に暮らし旦那さんと私をいつも応援してくれ見守ってくれている同居人だった友人は、いつもと変わらず、私がこのお遍路の話を書き続けている事も心から応援してくれ、励まし続けてくれた事も言葉にならない程ありがたく、感謝しています。

 

若くして亡くなってしまった遍路仲間のしゅんちゃんには、自分の死と引き換えに身をもって私に気付かせ、立ち上がるきっかけを与えてくれた事にも感謝し、何処かで必ず私のこの声を聞いてくれているものだと信じたいです。

私の遍路旅を面白くしてくれた登場人物のせっちゃんを始めに沢村さん、ゴンちゃん、博士、戸田君、勝さん、その他ここに書ききれない全ての登場人物の方々にも感謝します。

 

そして何より、私が最後まで諦めず、本当にこれで良いのだろうかと言う不安に陥ることなく書き続ける事が出来たのは、いつも読んで下さり、いいねやランキングを押して下さったり、コメントを下さったりした読者の方々の支えあってこそだと痛感します。

 

本当に、ありがとうございました!

 

 

明日朝は、最終章を挿絵で見るダイジェスト、11:50には、感想などお伺いする予定!また来てね♪

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