私の連続3周野宿の旅のハチャメチャ珍道中を連載中!
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■3章:遍路3周目■深まる絆
4. 追われる身の私の隠れ家は家族のような仲間達だった
DAY80-4
前回、私が暴れた事件もあるから、流石のゴンちゃんも気を使っているのか、それ以上はっきり強く言えないのかもしれないと感じた。
私「ゴンちゃん。本当に、お金を払って泊まる人に申し訳ないし、私は、折角、しゅんちゃんにも会ったし、今日の所はしゅんちゃんのとこでテントを張るよ。」
ゴンちゃん「そうかあ。しゃあないなあ。折角、泊まっていいよって言ってくれたのに。そしたら、今、俺、まだもうちょっと仕事があって動けへんから、後で酒を持ってしゅんちゃんとお前がおるとこへ行くわあ。多分、7時頃には、行けると思うから。」
私「うん!わかった!じゃあ、後でね!」
私は、ホッとしながら施設を出て、下のしゅんちゃんがいる所へと降りて行った。
時間は、調度5時だ。
私「しゅんちゃ~ん!ただいまー!」
しゅんちゃん「あ!Noisy、お帰りなさ~い!」
しゅんちゃんは、またそのくりくりとした目で、和むような話し方をしてくる。
私「ねえ、しゅんちゃん。私もここにテント張るよ!」
しゅんちゃん「ああ!Noisyもここにテント張ろう張ろう!」
私「しゅんちゃん、ちょっと、下からテント取って来るから!」
私は、自転車の置いてある下へと走って降りて行き、必要なものを持って、直ぐに戻って来た。
しゅんちゃん「Noisy、お帰り~。」
私「あ、ただいまー!」
しゅんちゃん「どうする?Noisyのテントは、何処に張る?」
私「う~ん。どうしよう?」
しゅんちゃん「あ、僕の隣は?」
私「あ、しゅんちゃん!それだったら、後で寒くなった時にお互いテントの中に入って、入り口を開けて話せるように入り口を向かい合わせにして、話せる距離に張ろうよ!」
しゅんちゃん「いいねえ!Noisy!じゃあ、僕のテントをちょっと動かすね!」
私は、あっという間に慣れた手つきでテントを張り、しゅんちゃんのテントと並べ、私は、中へ入って入り口を開けて座ってみた。
私「ほら!しゅんちゃん!完璧じゃない?これならしゅんちゃんとお互いテントの中から話ができるよ!」
しゅんちゃん「あ、僕も入ってみよー。」
しゅんちゃんもしゅんちゃんのテントに入って座り、入り口を開けて私と向き合った。
しゅんちゃん「あー!これ、最高だね!」
私「ははは!これなら完璧!」
しゅんちゃん「ははは!なんか、僕らの隠れ家みたいだね!」
私「ほんとほんと!」
しゅんちゃんとはまるで、幼稚園の砂場で一緒に遊んでいる友達のようだった。
私「しゅんちゃん、お風呂は?」
しゅんちゃん「僕は、もう行って来たよ。」
私「そう。私もここへ来る前に行って来たから。」
しゅんちゃん「あ、Noisy。僕ね、いいものを持ってるからあげるよ。」
しゅんちゃんは、ステンレス製のマグカップを取り出して、何かを入れた。
しゅんちゃん「これは、焼酎だけどNoisyも飲むでしょ?」
私「あ、ありがとう!」
しゅんちゃん「このカップを使ってもいいよ!カップは、一つしかないんだけどお、僕は、捨てようと思ってたこのボトルを使うから。」
私「ありがとう!あ!しゅんちゃん、私もここへ来る前にお店によって総菜を買って来てるから、摘みに一緒につつこうよ!でも、箸が1つしかないけど。」
しゅんちゃん「ありがとう!あ、僕はお箸を持ってるから。」
私「やっぱ、本気野宿遍路は、持ち物が違うねえ!」
しゅんちゃん「ははは!でも、Noisyも野宿遍路だから、どうしても荷物は多くなるよね。」
私「うん。最初は、自炊道具も持ってたんだけど、自転車は、荷物が重いと上りがきつすぎて、自炊道具は全部諦めたよ。だから、パンとバナナとサプリが主流だね。」
私は、買って来ていた総菜をしゅんちゃんと私のテントの間に広げた。
私「それにしてもしゅんちゃん。高知へ来るとやっぱ暖かいねえ!徳島にいた時、既に寒かったからこの先どうなるのかと思ってたけど。」
しゅんちゃん「ね。ほんと、高知は南国だよね。」
私「だって、もうテント無しでは寝れない程寒かったけど、これなら高知県は、まだテントを張らなくても寝れそうだね。」
しゅんちゃん「うん。高知なら、まだテントなくても大丈夫だね!」
私「それに、もう5時半だけど、まだギリギリ明るいもんね。山に比べてこの高知県の海側は、30分は日が落ちるのが遅いね。」
しゅんちゃん「うん。まだかろうじて明るいもんね。徳島の山の中だと、もうこの時間は真っ暗だったでしょ?」
私「うん。そうなんだよねー。ねえ、しゅんちゃんは、逆打ちだから、明日には私とは反対方向へ行ってしまうけど、高ちゃんの49日は、このまま歩き続ければ間に合うの?」
しゅんちゃん「多分、間に合うと思うんやけど、僕は、ゆっくり旅をしてるから、もし間に合わなかったら、そこだけ電車で行こうかと思うけどね。また、元に戻らないといけないけど。」
私「しゅんちゃんは、ゆっくり旅をしてるんだね。私もだけど。」
しゅんちゃん「うん。だから、今日もゴンちゃんに偶然、ここの下で会って、それじゃあ、僕は今日はここでやめようと思って。でも、よかった!ここでNoisyに会えたから。」
私「そうだね!まさか、ここで会うとは思ってなかったよ!あ、それで、今日戸田君から電話があったんだよね。」
しゅんちゃん「あ、戸田さん!」
私「え?しゅんちゃん、戸田さんじゃなくて、あの人、『戸田』くらいでいいと思うよ。ははは!」
しゅんちゃん「ははは!いやいや、流石に戸田さんを『戸田』とは呼べないけど、戸田さんがなんて?」
私「明後日、勝さんと光明庵で合流するから来ないかって。」
しゅんちゃん「へー!皆、合流するんだあ!それは、絶対、楽しいよね!いいねえ!」
私「うん。しゅんちゃんも一緒に行きたいけど、しゅんちゃんも戸田君と勝さんと一緒で逆打ちしてるから、高知市内はもう打って来てるしね。それに、私は自転車だから、寺を打ちながら明後日には、高知市内へ到着できるだろうけど。」
しゅんちゃん「でも、僕もお寺に寄らないで電車に乗ればいけない事もないけど。」
しゅんちゃんとお互いテントの中で向かい合って、あれこれ仲良く話しながら、チビチビと飲んでいると、いつもの大きな声が聞こえた。
「ははははは!!お前ら、そんなとこで、何してんねん!」
しゅんちゃん「あ、ゴンちゃん!」
ゴンちゃん「なんか、滑稽やなあ!お前ら、なんでそんなとこ入ってんの?」
私「え!?これは、しゅんちゃんと私の隠れ家よ!ね!しゅんちゃん!」
しゅんちゃん「そう!これは、僕らの隠れ家です!」
ゴンちゃん「終わったから、やっと来れたわあ!とにかく、お前らそこから出ておいで!」
私達は、笑いながら、しゅんちゃんと私の隠れ家から出てきた。
ゴンちゃん「ほら!これ!これ持ってきたで!」
ゴンちゃんの手には、焼酎のボトルが握られていた。
私達は、テントの外で円になって宴会は続く。
私「高知は、信じられない程暖かいね!もう、日も暮れたのに、こうやって外で飲んでても寒くないもんね。」
ゴンちゃん「そやろ?ほんま高知は別格やで。」
しゅんちゃん「だけど、今日は、びっくりしたよ!偶然、ゴンちゃんに出くわしたから!」
ゴンちゃん「ほんまやなあ!でも、こうやって3人で集まれることになったから。」
私「ほんとだね!あ、明後日、戸田君と勝さんに高知市内の光明庵で合流するよ!」
ゴンちゃん「おお!そうなんや!」
私達の話は、色んな話へと飛んでいく。
ゴンちゃん「あのなあ、愛媛県の宇和島に九島っていう島があってなあ。そこにクジラ大師って言うお寺があんねん。番外の。」
私「え?サバじゃなくて?」
ゴンちゃん「そやねん。クジラやねん。」
私「鯖大師ってのがあるかと思えば、鯨大師ってのもあるんだね。」
ゴンちゃん「でなあ、そこの和尚さんがすっごい感じのええ人でな、紹介がなかったら行かれへんねんけど、紹介されて行ったんや。そしたら、そこの奥さんもお前みたいによう喋る人で、なんかええコンビやねん。」
私「へー。じゃあ、そこのお寺に夫婦で住んでるんだ。」
ゴンちゃん「それで、そこへ行ったら、酒は飲ましてくれんねんけどな、和尚さんも一緒に2時頃とか遅くまで一緒に飲んでくれるんやけど、朝の5時にはちゃんとお勤めを欠かさずしはんねん。」
私「へー!そんな時間まで飲んでも、ちゃんとお勤めって凄いね!」
ゴンちゃん「やからな、そこのお堂に泊めてくれんねんけど、朝のお勤めで目が覚めるから。」
しゅんちゃん「僕もゴンちゃんの紹介で行ったけど、本当にいいとこだったよ!」
私「へー!私も行きたいなあ!」
ゴンちゃん「そやな!あの和尚さんと奥さんに会って欲しいから、そしたら紹介したるわ!あの辺へ行ったら、また連絡して!和尚さんに連絡しとくから。」
私「うわあ!ありがとう!行ってみるよ!」
ゴンちゃん「それでなあ。あの和尚さんの好みやと思うねんけどなあ、般若心経は飽きてんのかなあ?他のお経は、普通に読まはんねんけどな、般若心経は、滅茶苦茶早くてホーミーみたいやから、ほんま、30秒くらいで読み終るんちゃうかあ?『ホンヤーホンヤーホンヤーホンヤーホンヤーハンニャーシンギョー。』みたいな感じや。」
私「ははは!!ホーミーみたいって!ちょっと、行ったら聞いてみとくよ。」
私達は、2時間ほど飲みながら話をしていると、明日も仕事のゴンちゃんが立ち上がった。
ゴンちゃん「ちょっと、そしたら明日もあるから、俺、行くわあ!」
私「うん!じゃあね!おやすみ~!」
しゅんちゃん「おやすみなさ~い!」
二人きりになったしゅんちゃんと私は、また私達の隠れ家へと入って行き、まったりと宴会をした。
私「しゅんちゃんは、戸田君にカンボジアで会ったって聞いたんだけど。」
しゅんちゃん「うん。そうなんだよねー。その後、遍路で、バッタリ出会って、びっくりしたよー!」
私「そりゃあ、びっくりするよね。カンボジアで会った人に突然、四国で再会するんだから!」
しゅんちゃん「ほんとうに!」
私達はしばらく話してから明日もあるので、お互いのテントで寝ることにした。
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