本日、第2章の最終話です!

 

■2章最終話:遍路2周目■映画のような話は実際起こる

             6. とうとう悟りの境地に達する!

 

一時帰宅中(10月18日~10月28日)

 

そんな事をふと思っていると、布団に根が生えてしまいそうな私をせかすかのように電話がなる。

 

ゴンちゃん「俺や!」

私「おお!ゴンちゃん!」

ゴンちゃん「あんなあ、高ちゃんの49日やけど、それは11月25日にすんねん。」

私「そうかあ。それじゃあ、ちょっと急がないと、3周目の途中になっちゃうかもね。」

 

私は、できればもう少しゆっくりしたいと思いながらも、3周目が調度終わる時にマントラで11月25日の49日を迎えた方がタイミングはいいに決まっている。

 

ゴンちゃん「いやあ、それもやねんけどな。ちょっと、マントラの社長と奥さんからの言伝があって、電話してん。」

私「え?社長と奥さんから?」

ゴンちゃん「そやねん。あのなあ、社長と奥さんがな、この前の高ちゃんの仮通夜の時に、Noisyにお世話になったって言ってて。」

私「いやあ。別に当たり前のことをしただけだから、そんな世話なんて。」

ゴンちゃん「いや、それが、二人がな、Noisyがあれは回してくれたんや言うて、どうしてもお礼をせな気が済まん言うてんねん。」

私「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、別に何もしてないよ。」

ゴンちゃん「それでな、社長と奥さんが今度Noisyがマントラに来る時に、Noisyが1日とかで出発せんように引き止めといてほしい言われてて。で、あの時のお礼で俺とNoisyをどうしても温泉に連れて行ってあげたいって言ってくれてて。」

私「え?温泉?それは、嬉しいけど、何処の?」

ゴンちゃん「いや。それは俺も知らん。でも、この辺のちゃうかなあ?」

私「いやあ。悪いからいいよ!別に何もしてないし。」

ゴンちゃん「それが、絶対に引き止めておくように!ってかなり言われてるから、俺もそしたら、どないしたらええの?」

私「そうね。わかった!それはそれで社長さんと奥さんの気持ちは嬉しいから、それじゃあ楽しくなるだろうし、行くよ!温泉!」

ゴンちゃん「やから、社長と奥さんからなんやけど、お遍路さんだから直ぐに移動せなあかん思って、心配せんでもええから、今回はほんまに、しばらくおってほしいって事やねん。温泉に行ける日も会社の休みやないといかんから言うて。Noisyの予定さえよければって事やから。」

私「わかった!それじゃあ、次は、温泉に社長と奥さんと行けるように、直ぐに出発するとかしないから。」

ゴンちゃん「それで大体いつ頃になんの?」

私「う~ん。もう、明日にでも出発した方がいいのはわかってるんだけど、やっぱ家にいると楽だよね・・・。」

ゴンちゃん「はははは!!そやろ?遍路をずっとしとったら、疲れるよなあ?」

私「うん。でも、それこそ終わりが冬になったら寒すぎるから、早く出ようとは思ってるんだよね。だから、10月末には到着するように行くよ。」

ゴンちゃん「わかった!ほな、そういう風に二人に伝えておくから。」

 

そう言って、電話を切った。

そうかあ。

いずれにせよ、早めに出発した方がいい。

この家の快適さに根が生えてしまいそうなところへ、どうしても早めに出発した方がいい、調度いい理由が出来てしまった。

ただ、私は、ここで気を抜いてしまったら、もうお遍路へは戻れなくなる気がしたので、淡々と再準備も進めた。

まず、いらないものは出し、荷物を増やすのはあり得ないので、寝る時に寒くて必要になるであろう上着と白の長ズボンだけを増やした。

白の長ズボンは、エアロビやトレーニングする時にいつも履いていたものだ。

 

そして、毎度毎度、お札に名前と住所を記入するのに疲れてもいたので、オリジナルのお札を自分で作ることにした。

表面には、バンドをしていてステージで歌っている私の写真を全面に入れ、日付だけ入れられるようにし、住所や名前などは裏面に。裏書の住所や電話番号は、名刺交換したいとき用の全部入れたものと、納めたり公共の場に残していく時用の詳しくないものの2種類。

それらを印刷して、ハサミで切って必要数用意。

実は、このお札が意外にも好評だった。

こんなお札もらったことないから、欲しいからくれと言われたこともあるし、写真が入っているから覚えやすいと言われたり、変わったお札だから飾ったなど、後で言われることになり、自分でも毎回毎回、手書きで記入しなくてよかったので楽になった。

 

そんな事で忙しくしていると、電話が鳴る。

 

私「もしかして!」

翔ちゃん「はい!奇跡の再会を果たした、山森翔太です!僕、今、高野山です!」

私「結願したんだ!」

翔ちゃん「はい!」

私「おめでとう!」

翔ちゃん「ありがとうございます!すっごい嬉しいです!」

私「それは、よかったね!」

 

翔ちゃんの声は嬉しそうに興奮している。

 

翔ちゃん「僕の旅は、Noisyを探す旅だったんで、まさか自分が結願する時に僕のお願い事が叶って、こうやってNoisyにお祝いの言葉を貰えるなんて、本当に奇跡です!」

私「いやあ。ほんとに奇跡的だったよね!」

翔ちゃん「僕に、影響を与えてくれてありがとうございました!あの時、日本一周は寂しすぎて帰りますって言ってたけど、Noisyに言われた通り、お遍路をしてみたら、毎日色んな人に会って、こうやってすっごい経験ができました。本当に楽しかったし、あの時の日本一周は、一体なんだったのかと思う程、全然違う物でした。」

私「ね。言ったでしょ。」

翔ちゃん「はい!それで、僕は、Noisyがお勧めするお遍路には関係ない四国の3か所も全部お遍路しながら行ってきましたよ!」

私「えーーーー!!??あの3か所も全部、自転車で行ったのーー!!??凄い!ってか、翔ちゃん、早かったのに、その3か所も行った上で、遍路も回ったんだ!凄い!」

翔ちゃん「Noisyの言う所には全部行きたいと思ったんで。」

私「へーー!!なんか、こっちが嬉しいわあ!じゃあ、遍路コースだけじゃなくて四国を大体わかっただろうね!」

翔ちゃん「それで、あの時、Noisyは、四国は山も川も海もあって、凄い好きなんだって言ってた時に、実は、僕はこっそり、いや、俺は北海道かなって思ってたんですよ。」

私「うん。まあ、北海道もいいよね。」

翔ちゃん「でも、今回、回ってみて、はっきり言って、僕もNoisyと一緒で、四国が大好きになりました!」

 

翔ちゃんの声は、真っすぐに透き通るようなほどハキハキとしている。

 

私「おお!そうかあ!それは、嬉しい!四国大好き仲間が増えたよ!」

翔ちゃん「しかも、僕はまだお遍路を終えて高野山へ来るのに四国を出たばかりですけど、もう、既にお四国病です。」

私「ははは!だろうね。わかるよ。」

翔ちゃん「もう、これから引き返してこのまま四国に戻りたいくらいですもん!」

私「それくらい不思議なところだよね。」

 

同じ自転車遍路として、しかも翔ちゃんは、私よりも走れる人だからこそ聞いてみたいことがあった。

 

私「ねえ、翔ちゃん。翔ちゃんは、太龍寺も自力で行ったの?ロープウェイじゃなくて。」

翔ちゃん「はい。」

私「きゃあああ!!やっぱりかあ。あそこは、自転車は死ねると思うんだよね。」

翔ちゃん「きつかったですよ!」

私「ねえ、じゃあ、やっぱり四国88ヶ所の中で自転車にとって一番きつかったのは、太龍寺?」

翔ちゃん「いや!高野山です!」

私「えーーー!!ちょっと待って!高野山も自転車で行ったの?」

翔ちゃん「はい!」

私「凄いね!」

翔ちゃん「高野山は、きついですよーーー!!本当にきついですよーーー!!こんなきつかった事ないです!」

私「翔ちゃん、高野山がきついのはわかったけど、そうじゃなくて、四国の88ヶ所内で、何処が一番きつい?」

翔ちゃん「高野山。」

私「いやいやいや。高野山は、88ヶ所じゃないし。で、その88ヶ所だったら?」

翔ちゃん「高野山。」

私「じゃあ、高野山以外だったら?」

翔ちゃん「高野山。」

私「ははははは!!!高野山は、余程、魔物なんだね。翔ちゃんがそこまで言うって事は。」

翔ちゃん「もう、本当に高野山は、死にましたよ。」

私「でも、マジで、高野山を入れなかったら、88ヶ所ではどこ?」

翔ちゃん「う~ん。そしたらやっぱり、太龍寺ですね。」

私「そうかあ。やっぱり太龍寺かあ。」

翔ちゃん「でも、高野山は、あの太龍寺級の傾斜が4倍の距離くらいあると思ってもらったらいいです。傾斜度は、太龍寺と変わらないと思いますけど、とにかく長いんですよーーーー!!」

私「えーーーー!!あの傾斜度で、太龍寺の4キロも嫌なのに、それが4倍の距離―――!!??」

翔ちゃん「もう、見えないゴールとの闘いです。上っても上っても、終わりが見えてこなくて気が遠くなりました。」

私「うわーーーー!!私、電車で行ってよかったわあ。」

翔ちゃん「はい。高野山だけは、電車にしておいた方が本当にいいですねえ。」

私「それだけ自転車で走れる翔ちゃんが言うんだから、間違いないわあ。でも、本当に無事に結願できてよかったね!」

翔ちゃん「ありがとうございます!」

私「それじゃあ、この後、福岡に戻るの?」

翔ちゃん「はい!そして、4月になったら東京の自転車の会社で働くんで引越します。」

私「そうかあ。私、時々、友達もいるし東京は行くんだよね。」

 

翔ちゃんの声が一段と明るくなる。

 

翔ちゃん「え!そうなんですかー!!??絶対に、東京で会いましょう!その時は、僕、働いてると思うから、ぜひご馳走したいです!飲みに行きましょう!」

私「おお!マジで!?かっこいいねえ~~~!それじゃあ、東京で飲みに行こう!」

翔ちゃん「はい!じゃあ、僕、東京で待ってます!本当にありがとうございました!」

 

翔ちゃんの弾んだ声と喜び溢れたパワーをもらい、私も残りのお遍路へ向けて、またグングンとやる気がチャージされていくのを感じた。

 

私は、10日程、広島の家で荷物も万端に準備を整え、10月29日、朝10時に家を出る。

 

よーし!!

3周目の何処かでせっちゃんもやって来るし、今度こそ、風を切って走り抜ける新たなドラマへと出発だ!

お遍路を締めくくる旅へと私は勢いよくこぎ出した!

 

 

第2章完

 

第3章へつづく

 

皆さま、第1章に引き続き、長い長い第2章でしたが、これまでお付き合いくださり、ありがとうございました!

毎日、コメントやランキングにポチッと応援してくださり、とても励みとなりここまで書き続けてこれました。

本当にありがとうございました!

まだ、第3章へと続きますが、第3章は、10月27日スタート予定です。

 

それまでは、お遍路こぼれ話など、変わらず毎日更新予定ですので、これまでと変わらず、お付き合い頂けると、とっても嬉しいです!

また、明日からも色々と感想をお待ちしています!

 

第3章スタートまでは、毎朝6時に更新予定です。

 

つづく・・・   

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