■2章:遍路2周目■映画のような話は実際起こる

                1. 付き人との遍路珍道中

 

DAY64-1

 

朝、出釈迦寺の奥の院で目覚めると。

前回ここへ泊まった時にも思ったことだが、このお堂の中は、何故だか田舎のお婆ちゃんちと言う表現がぴったりな匂いがする。

どこか懐かしいようなそんな匂い。

護摩焚きのせいだろうか?

 

皆、帰り支度を済ませ、朝、7時半には下の出釈迦寺までワゴン車で送ってもらった。

 

ゴンちゃん「そしたら、また2周目終わった時にマントラで待ってるで!」

私「うん。でも、寒くなって来てるから、ちょっと松山から広島へ一旦、装備を変えに帰ろうと思ってるから、ちょっと時間かかるかも。」

ゴンちゃん「そうかあ。でも、また詳しい事が決まったら知らせるけど、高ちゃんの四十九日をするから、それに間に合うように来てや。」

私「そっかあ。じゃあ、四十九日に間に合うように広島を出発するよ。」

とんちゃん「Noisy、俺らは、逆打ちしてるから、どっかで会うでしょ。ちょっと、会わずに広島へ帰ってるとかやめてよ!」

私「そうだね。だったら、とんちゃん達が、私が松山へ到着してしまうまでに、松山よりもっと先へ進んでこないと会えないって事になるよね?」

直ちゃん「ほんまやなあ。」

私「まあ、また連絡取り合いながら、合わせようよ!それじゃあ、モリモリもまたね!」

モリモリ「うん。わしも、どっかで会うかのお?」

 

私は、皆に別れを告げて、沢村さんの軽トラに乗り込み出発した。

これからまた、元通り沢村さんとの2周目が始まる。

 

沢村さん「Noisy、今日は、何処へ行くん?」

私「まさか、高知市内から、こんなところへワープしてくるなんて思ってなかったから。」

 

私は、沢村さんに「沢村さんとの2周目の旅は、一旦私が松山から広島へ帰ってしまう松山手前の峠の頂上までだ。」と伝えてある通り、松山以降香川県のマントラまでは、沢村さんがいないことになる。

そう考えると、どうせこの辺りにいるなら、この辺の難所や寺を打っておく方がいいだろうと思った。

 

私「沢村さん。高知市内へ戻るんだけど、ちょっとムロムロに連絡しなくちゃいけないし、それ次第でどうするか変わって来るけど、とりあえず、この辺りの寺と山の上の寺を打ちながら高知へ戻ろうと思うよ。ちょっとくらいなら寄り道になっても、山の上の寺は行って!」

沢村さん「それだったら、色々行く寺はあるけど、三角寺と別格13番の仙龍寺は、高知へ向かう32号線から外れてちょっと愛媛県の方へよっとるけど、あそこはどうするん?行くん?」

私「そうか。三角寺・・・。」

 

私は、広島から戻って来た時の事を考えていた。

三角寺と仙龍寺も今打っておけば、松山から再スタートしてマントラまで行く時に山らしい山の寺と言えば、横峰寺と仙遊寺を残すのみとなる。

 

私「よし!じゃあ、沢村さん。寄り道でいいから三角寺と仙龍寺も打って!」

沢村さん「そしたら、高知は行けると思うけど、遅くなるよ。」

私「ちょっと、高知へは明日行くってムロムロに連絡してみるから。」

 

そうこう話している内にすぐに72番曼荼羅寺に到着してお参りを済ませ、次の67番大興寺へ向かう。

 

私「じゃあ、大興寺の次は、別格15番の箸蔵寺を終わってあと別格16番の荻原寺から雲辺寺へ。」

沢村さん「それだったら、先に荻原寺へ行った方がええよ。」

私「なんで?そしたらちょっと入り組んで離れてる箸蔵寺から離れちゃうじゃん。」

沢村さん「そこへ行ってからのルートが大変なルートになるきん、こっちから行った方がいいんですよ。で、その後雲辺寺へ上がれるきん。」

私「そう。じゃあ、荻原寺でいいよ。」

 

沢村情報には勝てるわけもなく、沢村さんに任せた。

そうこうしている内に67番大興寺へと到着してお参りをしながら、ふと思った。

あ、そうだ。2周目は、何にもお願い事してないけど、何のお願い事にしよう?

もう、健康は祈ったし。

う~ん。

思いつかない。

そう言えば、各寺で全然違うお願い事をしていて、もう思いつかない!と言っていた折り畳み自転車のお兄ちゃんを思い出す。

何か考えなきゃ。

 

また沢村タクシーに乗り、別格16番荻原寺へと向かう。

当然、車の中では沢村ラジオは鳴り止まない。

 

私「ちょっと!そろそろ朝の時間もいい頃になって来たし、ムロムロに連絡するから、沢村さん、ちょっと黙っててくれる!?」

沢村さん「あー、はいはい!」

 

そう言って、沢村さんは黙ったのでムロムロに電話をかけた。

 

私「ムロムロ?」

ムロムロ「わあ!Noisy!どうなったんですか?大丈夫ですか?」

私「結局、友達は亡くなってしまったんだけど、全部終わったから、大丈夫だよ。」

ムロムロ「あ~・・・。そうだったんですね。それは、残念でしたね。」

 

何故か横で沢村さんが軽トラを運転しながら口を挟む。

沢村さん「いや~!僕は、高ちゃん好きやったのにな~!はあ~!残念やな~!」

 

私「うん。でも、大丈夫!それでね、明日、高知へ行けそうなんだけどどう?」

ムロムロ「うおおおお!!すっごい完璧なタイミングですよ!明日、僕、休みなんですよ!だから、一日中空いてるんで、何時からでも大丈夫ですよ!」

私「そう!それは完璧じゃん!じゃあ、今まだ香川の方にいて、この辺の寺を打ってるから、明日の朝、高知へ向かう事になると思うんだよね。」

 

また横で沢村さんが口を挟む。

沢村さん「実際には、愛媛県の寺もあるんですよ!三角寺はね、愛媛県の、なんちゃらかんちゃら。」

私「ちょっと!沢村さん!今、そんなのどうでもいいから、うるっさい!黙ってろって言ったでしょ!」

沢村さん「あ、ごめん・・・。」

 

ムロムロ「あれ?どうかしたんですか?大丈夫ですか?」

私「あ、ごめん。ちょっと私と一緒に周ってる付き人がいて、うるさいから。まあ、明日詳しい話をするよ。じゃあ、明日のランチを一緒に食べて、夜、飲みに行くってのはどう?」

ムロムロ「おおお~~~!!完璧です!それじゃあ、明日、僕の家の近くに僕の通ってる高知大学があって、その辺にお店とかあるんで、高知大学の正門に来てください!」

私「わかった!それじゃあ、12時でいい?」

ムロムロ「いいですよ!うわ~!楽しみ~~!」

 

ムロムロは、とても嬉しそうに電話を切った。

 

私「沢村さん、明日のお昼の12時に高知大学の正門で待ち合わせになったから。」

沢村さん「それやったら、明日の朝に高知まで移動しても間に合うね。」

私「それで、あんた!喋るなー!って言ってるのに、なんで口を挟んでくるの?うるっさいよ!」

沢村さん「あ~、わかっとるきん!ごめんごめん!」

 

こんな調子でまたいつも通り、沢村ラジオと付き合いながらの沢村タクシー遍路は続く。

直ぐに別格16番荻原寺へと到着して、お参りをする。

88ヶ所のお寺は、1周目で周っているので新鮮味はないものの、別格はどのお寺も初めて訪れるので新鮮味があった。

次は、夜、真っ暗な通夜堂で寝ていると500羅漢が襲ってくると戸田君にいたずら電話をされた雲辺寺だ。

雲辺寺へは前回、ロープウェイで上っているので、下った時に通った砂利道を頂上まで沢村タクシーで上がって行った。

 

私「沢村さん、前、通夜堂に泊まった時に、」

沢村さん「あそこに500羅漢があるんですよ。それでね、なんちゃらかんちゃら。」

私「で、戸田君がね、」

沢村さん「で、その500羅漢がね、なんちゃらかんちゃらで、あそこの通夜堂は電気がつかんからね、どーのこーの。」

私「ちょっとーーー!沢村さん!話、聞けーーーー!!」

沢村さん「あ、ごめん。いや、それでね、その通夜堂は、元々うどん屋さんだったところでね、ピーチくパーチク。」

 

 

私は、諦めた。

壊れた沢村ラジオをなりっぱなしにしながら、雲辺寺へと到着してお参りを済ませ、また沢村タクシーで元来た道を下り、別格15番、箸蔵寺へと向かう。

とにかく、今日は、沢村さんとこの辺りのお寺を打てるだけ、打っておきたかったので、着々と進めて行く。

沢村さんといると、ほとんど何の計画をしなくても、「こうしたい。」と言う意思だけ伝えておけば、勝手に事は運んだ。

 

別格15番・箸蔵寺へ到着してお参りに行ってみると、境内から突然声がした。

 

声「あ!Noisyやん!!」

つづく・・・   

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