神戸智行展─イノセントワールド | Art and The City

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アートホリック(中毒)なcatnoelのつれづれ日記

神戸智行展─イノセントワールド@佐藤美術館


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http://homepage3.nifty.com/sato-museum/exhibition/index.html

佐藤美術館はかねてから行きたいと思いつつも機会を逃していたのだが、今回ようやく初訪問。
そして神戸智行の作品も初めて見たのだが(今年のドマーニ展には行きそびれたので...)これがまあ、とても素晴らしかった!!
この展覧会を教えてくれた青い日記帳のTakさんに大・大感謝であります。<(_ _)>


こちらはビルの2階が受付&ショップ、展示会場は3階と4階になっている。
まずは3階に足を運ぶと、目の前に緑の大画面!!「幸福ノカタチ」
ぱっと見た瞬間は内海聖史さんの緑ドッツを思い出したのだが、近づいてみると全く別の趣。これらはクローバーの群生だったw そして葉っぱのかげに小さい虫たちやトカゲがあちこちに隠れている!内海さんのドッツが緊張感を感じるのに対し(<それが好きなんだけど)、神戸さんの絵はとても優しい。小さきものに対する愛おしさがあふれている。なので次に頭に浮かんだのは、息子たちがもっと小さかった時によく読んだ絵本「14ひきのとんぼいけ」(いわむらかずお)ねずみの家族の物語シリーズで背景画が素晴らしいのだが、その雰囲気ととっても似ている!


「14ひきのとんぼいけ」より

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隣の「白い影」、そして4階フロアでその思いはもっと強固なものに...ww だってハグロトンボやトカゲたちが絵の中にも、そして絵の中から飛び出して?会場の中にもいるんだもの!!!
大宰府天満宮に奉納予定の「一瞬の永遠」も美しくてため息もの。これは震災後に描かれたもので、美しいだけでなく↓のコメントにある作家の深い思いがじわじわと伝わって思わず涙が出そうになった。


3階が絵力?で真っ向勝負といった雰囲気なら、4階は現代アートっぽい感じで楽しい雰囲気。水辺の小石にトンボやカニたちが遊ぶ。あの円形テーブル、息子らが欲しがりそうだ...ww


日本人が古来からもっていた感性、あらゆるものに神が宿っているという世界がみごとに表されていた。本当に素敵で大ファンになりました!!


作家コメント(美術館HPより):
自然界の限りなく小さな生物に焦点をあてながら、それらが構成する大きな世界を描こうとしています。その世界を構成する要素は、私達の社会を構成する要素に通じていると思います。自然界の小さな個々を見る度に、私達の社会との類似性に気付かされます。
 日本では古来自然を畏れ、その力をあがめ、自分達の上にあるものとして敬ってきました。人は自然によって生かされ、その恵みを願いました。目に見えない何かを感じ、この世界の全てを神が創り、あらゆる物に神が宿っていると考えました。普段目にする木々や川、足下に転がる小さな石や小動物にいたるまで、神が宿ると信じました。もちろん人間も自然の一部として考えてきました。そうした考えの根底にあるのは、自然への畏敬の念と恩恵を願う感謝によるものだと思います。
 小さな小さな生き物までが、この世界を創る大切な一部という考えに感銘を受け、またその小さな個が私達の社会を投影し、内包していることを感じ、描いてみたいと思いました。足下の小さな個々を見つめることで、大きな世界の形や、その方向性がつかめる、そう信じています。