シリア問題についてーシンポジウム:シリア内戦、難民の奔流、そしてパリ同時多発テロ | ラクダと旅する日常

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昨日もシリアで学校が爆撃され、22人の子供と6人の教師が殺されたとのニュースがありました。

シリアの子供たちに教育支援をするというマイクロファイナンスに参加したばかりだったので、

やるせない気持ちになり、もう黙っていられなくなりました。

国際機関はシリア内戦を止める手立てはなく、各国で難民の押し付け合いをし、

世界中でテロが起こっている現状、シリア内戦と難民問題、

ISについて網羅した分かりやすいシンポジウム動画がありましたので、紹介します。

同志社大学主催で講師は内藤正典氏です。

 

 

長いので要点を言うと、

①9,11は時間をかけ訓練されたプロフェッショナルによるテロだった。

現在それが非常にインスタントになり、いきなり過激主義に染まり身近なソフトターゲットを狙うようになった。

―各国からISに参加した人間を分析した結果、移民2世の若者も多いが、

30~40%が白人の社会的弱者で、非ムスリムが改宗してジハージストになっている。

つまりムスリムが過激化しているのではなく、過激思想を持った人間がムスリム化している面がある。

Amazonでイスラム入門書を買ってISへ行くらしいw

②シリア政府は元々反政府思想を徹底的に潰すことがお家芸で、30年前にも一つの街で何万人も犠牲になる事態が起こった。跡形なく成年男子が消され、何万人殺されたか未だ分からない。

③ISももちろん恐ろしいが、難民はISから逃れているのではなく、空爆から逃げて来ている。

主に空爆しているのはロシアとシリア政府軍。特にシリア軍のタル爆弾が酷い。

④あまり知られていないが、ロシアはシリアにしか基地を持っていない。

中東の軍事権益を手放すわけにはいかないので、ロシアは引かない。

⑤ドイツが難民受入れをしたのは、人道主義ではない。

「何人も迫害を受けた者はドイツに庇護権を請求できる」という

ユダヤ人の身に起こした事の反省から生まれた憲法によって受け入れざるをえなかった。

⑦シリア周辺国はすでに100万~270万という数で難民を受け入れているが、もう限界だ。

⑥軍事的介入では平和は到底成せない。

⑦ピケティ曰く、「中東問題の根源は宗教でなく格差である。」

⑧命からがら逃げている人に安心と安全をどう与えるのか。世界はその逆を行っているし、

ISは狡猾にそれを利用する。難民をテロリストにしないためにはこれ以上の災厄を与えず、安心と教育を与えることが必然だ。

 

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このまま内戦が収束せず難民が出続け、各国で難民の排斥気運が高まれば

一層テロのリスクが増える悪循環に陥るのは明らかです。

今年の夏は、自分の記憶にある中でこんな不安定な世の中になったことが

あっただろうかと思う最悪なニュースばかりの夏でした。

これ以上悪化しないことを願うだけでは、もはや何の足しにもならないのだと思います。

シリア問題に関しては、これからも自分にできることを探していきたいと思います。

 

 

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