世界を変えるデザイン DESIGN FOR THE OTHER90% | ラクダと旅する日常

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世界の全人口65億人のうち、90%にあたる58億人近くは、
私たちの多くにとって当たり前の製品やサービスに、まったくといっていいほど縁がない。さらにその約半分近くは、食糧、きれいな水、雨風をしのぐ場所さえ満足に得られない。

この残りの90%の人々の生活を良くするには、何が必要なのだろうか。
「思い」だけでは、何も変わらない。お金の援助も、それだけでは不十分。
実際に人々のライフスタイルを改善する、具体的な「もの(製品)」が必要なのだ。

そのような「もの」をつくる上で、「デザイン」の役割は欠かせない。
たとえば、アフリカには、井戸で水を汲み、何キロも歩いて家に運ぶ人々がいる。
水を運ぶの重労働だが、ドーナツ型の容器があれば、子供でも、転がして楽に運べる。

シンプルだが、考え抜かれたデザインが、人々の生活を大きく変える。
消費社会にあふれる「もの」とは少し異なる、世界を変えるための「もの」。

世界には、そんな「ものづくり」に取り組む人々が大勢いる。
デザイナー、エンジニア、学生、研究者、建築家、社会起業家、そして現地の人々。

彼らはグローバルに連携しながら、世界中のすべての人が食料や水、住まい、保健衛生、エネルギー、教育、などを得られるようにする方法を生み出している。
彼らは、この世界の「本当のニーズ」に目を向け、その先に夢を見ている。

彼らが生み出した革新的な作品を集めて、2007年、アメリカの
スミソニアン/クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館において
「残りの90%のためのデザイン展」が開催された。本書は、その記録である。

━─━─━─━─━─↑本書より抜粋━─━─━─━─━─


モロッコに長く滞在した後日本へ帰るといつも思うことがある。
どこもかしこも「モノ」だらけ。

この本のテーマでもある通り、あらゆる企業・生産者は世界の10%でしかない富裕層に向けた商品を過剰生産しているのだ。

資本主義の消費社会なのだから仕方ない。

貧乏人を相手に商売しても儲からないということはよーく分かっている。

けれどもそれを可能にしているアイデアや商品があった。

今までふつふつと疑問に思っていたこと、矛盾していると感じていたこと、そんな思いに答えをひとつ出してくれた本。

底辺の人々の生活を変えるような製品・アイデアは今日頭を悩ましても思いつくものではない。本書に掲載されているものもデザインというより発明に近く、ファッションデザインでそれを行うことは不可能に思える。けれども重要なことは、物を作る一人として、そういう世界を知っているということだと思う。


リンク>世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある

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