管理員の報酬を上げるのに賛成するのは背任行為? | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
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こんにちは! 廣田信子です。

 

今、管理の現場は慢性的な人手不足です。

 

管理員さんの確保も厳しくなっています。

 

企業退職者が管理員として再就職するという

流れがあったのですが、

 

人手不足で企業が退職後も継続的に退職者を雇用するため

管理員市場に人材が供給されにくくなっているのです。

 

採用が厳しい状況だと、

管理員の賃金アップも必要になります。

 

ワーキングプア対策として、

昨年、厚生労働省が最低賃金の目安を

全国平均で過去最大となる時給24円引き上げ、

822円にすると決めました。

 

これを受け、

東京労働局長は、

東京都最低賃金を25円引上げ

時間額932円に改正しました。

 

ある管理会社が、

最低賃金の引き上げに伴い、

管理員の報酬を引き上げたいので、

管理委託費の中の管理員業務費を見直してほしいと

管理組合に申し入れたところ、

 

管理員の賃金は最低賃金じゃないだろう、

最低賃金を満たしているのだから、引き上げる必要はないはず、

管理組合に負担増を求めるのはおかしい

 

と大反対する人が出て、

管理会社があきらめたという話を聞きました。

 

大きな予算を持つ大型マンションです。

他の理事の中には、

そのくらいの額、払ってもいいじゃないか…と

思った人がたくさんいたはずです。

話をしてくれた人もその一人です。

 

しかし、そんなことを言うと、

管理組合に損害を与える背任行為だと言われそうで、

何も言えない雰囲気があるのです。

 

揉めると、かえってたいへんなことになりますから

管理会社は引っ込めます。

 

強く言えば管理会社は譲歩するという

実績をまた作ったわけですが…

 

お客様は神様的な傲慢さで管理会社と接することは、

将来的には、管理組合の利益にならないと私には思えます。

 

少し前だと、管理会社には厳しい管理組合も、

いつもマンションにいて、決して高いとは言えない賃金で、

誠実に働いてくれる管理員さんにはやさしく、

 

管理員さんのプラスになることには、

反対しないという文化があったように思いますが、

 

それもなくなっていくのでしょうか。

 

管理組合に値上げしてもらえなくても、

管理会社は管理員さんの報酬を引き上げるでしょう。

 

でも、この経緯を聞いた管理員さんは、

管理組合にどのような感情を持つでしょうか。

 

管理員さんのモチベーションを

下げることは間違いないでしょう。

 

これって管理組合にプラスでしょうか。

 

少しでも安く発注するのが理事の義務である

という呪縛が気になります。

 

ただ、管理会社も、管理員の報酬を上げるのに、

最低賃金を持ち出したのは、ちょっと違うな~

 

もっと率直に話しても良かったんじゃないかな…と

思います。

 

私は管理員さんの報酬、

ちゃんと上げてもらいたいです。

 

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