きょうは、北鎌倉の葉祥明美術館で、熊本復興支援のイベント。
熊本から葉祥明阿蘇高原絵本美術館館長の葉山祥鼎さんに来ていただいた。
祥鼎さんは、葉祥明さんの弟で、兄のプロデューサー的立場として、
長年二人三脚の活動をしてきた。
大学の同窓生ということもあり、感性が近いこともあり、長年、親しくさせていただいている。
北鎌倉の美術館を立ち上げたのち、兄弟の故郷の熊本に美術館を作ることになり、
祥鼎さんは、Uターンした。
南阿蘇村から借り受けた20000坪の広大な土地を、自らの手で開墾し、
少しずつ整備していった。その時、ミツバチやキツネや花と語りあった。
都会暮らしで忘れていた「自然と同化」する感覚を思い出した。
その「自然」が壊れた。
去年4月の地震以降の生々しい話をしてもらった中に、
「自然にも喜怒哀楽があることが身に染みた」という話が特に印象に残った。
自然の恵みも自然の猛威も受け入れていくことが、
真に「自然と同化」することなのかもしれない。
熊本に戻り、人生観が変わったという祥鼎さん、これまでも絵本や随想を出版してきたが、
今回、初めて兄に絵を依頼した絵本を出した。
それが『キツネのフーくんと風の郵便屋さん』。
祥鼎さんが、美術館の庭のベンチに座っているときにキツネの姿を見かけ、
その時、想像の翼が広がり、
風の郵便屋さんに連れられてイルカに会いに行く物語が浮かんだ。
まだ2人が幼いころ、阿蘇高原で共に遊んだ日々に想いを寄せながら、
兄弟初のコラボ絵本が出来上がった。
祥鼎さんは、絵本が出来た時から、ボクにぜひ読んでほしいと言ってくれていたのだが、
ようやく、きょう実現出来た。
これまた長年の知己である揚琴プレーヤーの金亜軍さんが、
アドリブで「効果」音を醸し出してくれ、一気に絵本の世界が広がった。
金さんのソロ演奏「五木の子守唄」「第三の男」も素晴らしかった。
同じ曲を弾いても、1度たりと同じアレンジはないそうだ。
金さんも、想像の翼を広げている。
今月20日まで、北鎌倉の葉祥明美術館で、この絵本の原画展を開いている。
そして、キツネのフーくんに会いに、熊本に行ってほしい。
(真ん中が葉山祥鼎さん、右が金亜軍さん)
(ボクの朗読にじっと聞き入る祥鼎さん)