魂の人 福山雅治 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

これまで、いろんな人にインタビューしてきたが、

魂を抜かれた状態が翌日まで続いたのは、

福山雅治さんだけだ。

それは、彼が魂の人だからだろう。

ゆるぎない生き方を持った人だからだろう。

それは、強烈なオーラを伴うものではなく、自然ににじみ出てくるものだった。


生まれ故郷の長崎に格別の思いを持つ福山雅治さんが、

長崎の原爆被害を乗り越えた被爆クスノキをテーマにした

新曲「クスノキ」を今月2日、発表した。

歌詞に彼の想いが込められている。


我が魂は、この土に根差し

決して朽ちずに 決して倒れずに

我はこの丘 この丘で生きる

幾百年越え 時代の風に吹かれ

片足鳥居とともに

人々の営みを 歓びを かなしみを ただ見届けて

我が魂は奪われはしない

この身折られども この身焼かれども

涼風も 爆風も 五月雨も 黒い雨も

ただ浴びて ただ受けて

ただ空を目指し

我が魂は この土に根差し

葉音で歌う 生命の叫びを


福山さんは、かつて自分のラジオ番組で、

親が被爆していたことに触れ、「僕は被爆2世」と語っていた。 

被爆クスノキの歌をずっと作ろうと思っていた。

「長崎で生まれ育ったボクでないと歌えないだろうし、書かないだろう」

とも語っていた。


被爆クスノキは、長崎市の山王神社の境内にある。

1945年8月9日の原爆投下による爆風や熱線で幹をもがれながら、

2年後に新芽を出し、平和や生命力の象徴として親しまれている。




山王神社には、片足鳥居もある。

かつて参道には、一の鳥居から四の鳥居まであった。

1924(大正13)年に建立された二の鳥居は、

原爆爆心地からは南東800mの所にあり、

高温の熱線で上部は黒く焼け、爆風で左半分が倒壊した。

だが、 右半分だけは笠石を載せたまま奇跡的に残った。

これも、原爆の象徴だ。