【ピグ寄席】司会上達マニュアル<其の壱拾四> | ウル虎のぉと

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そのときそのとき興味のあることを

前回 「こんな○○はイヤだ!」形式がオススメできないと述べましたが、

私自信がピグ寄席の回答席にいてそう感じたエピソードをお話します。


それは「こんなコンビニはいやだ!」というお題が出たときのことでした。

ある回答者から「店員が森三中だ」という回答が出たのです。

所詮はピグ寄席クオリティなので、それなりにウケます。

しかし、これは答えとして成り立っていません


森三中がコンビニの店員だったら、イヤどころか近所で評判になるはずです。

ということは、お題に沿っていない回答であり、笑えない回答になります。

森三中がイヤというのはその人の主観でしかなく、表現も直線的で稚拙です。

これを司会者が容認してしまうと、どんどん稚拙な方向に流れてしまいます。


もちろん、お題に沿っていない回答を出す回答者、それで笑ってしまう観客、

さらには認めてしまう司会者の責任と言えますが、元をたどればその原因は

「こんな○○はイヤだ!」形式のお題は誰にでも簡単に作れてしまうという

安っぽさにあると思います。


安っぽく感じるのは、ピン芸人の鉄拳がこの形式でネタをやっていて、

その真似事でしかないという点もあるでしょう。

大喜利をするなら、機知に富んだ回答が飛び交うものにしなればいけません。

もしこの手のお題で大喜利をやりたいのなら、誰でも簡単に作れてしまう

「こんな○○はイヤだ!」という言い回しをやめて、

もう少し大喜利のお題っぽくアレンジする努力をしましょう。


例えば…

「こんな寄席はイヤだ!」

「こんな寄席、二度と来るか! 何があった?」

「二度と来るか!」と思ったということは「イヤだ!」と同じ意味です。

そして、より激しい感情を持っているイメージになり、心情的・状況的考察

も取り入れて回答したくなります。


「こんな医者はイヤだ!」

「お前、絶対ヤブ医者やろ! なぜそう思った?」

ヤブ医者だと思うということは、何か不信感や不利益を被ることがあったと

いうことで、すなわち「イヤだ!」になります。

そして回答としては、とんでもないヤブっぷりに特化して考えることになり、

直線的ではなく、掘り下げたものが出てきやすくなります。


「こんなバンドはイヤだ!」

「デビュー30周年を迎えても全然売れないバンド。

その原因は?」

全然違うように感じるかもしれませんが、

「全然売れない」→「魅力がない」→「聴こうとも思わない」→「イヤだ!」

となり、意味的には同じです。デビュー30年でも売れない原因を探るという

条件が明確化され、考え甲斐のあるお題になります。


「こんなドラえもんはイヤだ!」

「ドラえもんに欠陥が発見された。いったい何?」

お題によく使われるドラえもんが「こんな○○はイヤだ!」と合わさると、

最高に幼稚なお題になってしまいます。

せめてもの抵抗として、想像力をかきたてる言い回しに変えてあげましょう。



~つづく~