其の壱拾 、其の壱拾壱 で『広いお題』と『狭いお題』がダメ理由を
実際にあったお題を例に紹介しましたが、今回はそれ以前の理由で
オススメできない形式のお題を紹介します。
それは「こんな○○はイヤだ!」です。
一見わかりやすくて初心者でも楽しめそうで良いお題に見えますが、
実はヘタな司会者や経験の浅い司会者が使ってしまいがちなお題です。
では、なぜこの形式がダメなお題なのでしょうか。
それは、お題が単純な構造になっているからです。
お題が直線的な表現であるため、回答も直線的になってしまいがちです。
なんなら、あるあるネタを言うだけになってしまいます。
本来あるあるネタとは、
「パッとは思いつかないけど、言われてみればそういうことってあるよね」
ということを言わなければ意味がないものです。
そうでなければ、ごく当たり前で普通のことを言っているだけになります。
ピグ寄席で遊んでいる方たちは、一部を除いて素人さんです。
素人が発するあるあるネタは、往々にして普通のことになりがちなので、
普通のことを言い合うだけという状態に陥りやすいのです。
大喜利慣れしている巧い回答者は、知恵を絞らないと面白い答えが出ない
ような、やり応えのあるお題を望んでいます。
なので、直線的で浅い回答のオンパレードになってしまうお題は敬遠され、
その場を去ってしまいます。
また「初心者でも楽しる」ということは「答えやすい」ということなので、
壇上と客席で挙手の嵐になることが目に見えています。
面白い回答が期待できないのに、やたらさばくのが忙しいとなると、
司会をしていても楽しくないでしょう。
数問用意しているうち、ウォーミングアップや回答者の実力を見るために
まずは小手調べ的な意味合いで出すぐらいなら構わないと思いますが、
そればかり連発するのはお奨めできません。
○○の部分さえ変えれば、いくらでもお題を作れる万能フォーマットに
見えますが、危険性も秘めている禁断の果実なのです。
~つづく~