【ピグ寄席】司会上達マニュアル<其の壱拾> | ウル虎のぉと

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そのときそのとき興味のあることを

さて、前回までは司会の技術面で重要な部分を紹介してきましたが、

今回は大喜利の根幹を成すお題について考えていきます。

お題は司会の腕の見せ所であり、センスを問われる部分でも

あります。悪いお題を出していると、回答者も観客も減っていきます。


では、どんなお題が良いお題で、どんなお題が悪いお題なのでしょうか?

そもそも大喜利とは、司会者が出題する特定の答えがないお題に対して、

回答者が面白おかしいことを言い返す遊びです。


その言い返した言葉が面白かったり、とんちが効いていて巧いものが

『正解』であり、クイズや試験のように正解は1つではありません。

なので、お題は正解が1つになるようなものであってはいけません。

また、なんでもかんでも当てはまるお題も、良いお題とは言えません。


前者を『狭いお題』、後者を『広いお題』と言ったりしますが、

狭すぎず広すぎず、ある程度の自由度があり、想像力をかきたて、

考え抜かれた回答が面白くなるお題が『良いお題』と言えるでしょう。


<悪いお題の例①>

「ガリガリ君に新しい味が発売。何味?」


ピグ寄席に通っていると、必ず出くわすお題だと思います。

ボケが出やすそうで『広いお題』に見えますが、実は『狭いお題』です。

なぜなら、味の部分でしかボケられないからです。


実際にある食べ物の味を出したところでボケとしては弱いですし、

食べ物以外で狙うにしてもせいぜい

「ママの味」「初恋の味」「歯磨き粉味」など、

誰でも思いつくレベルの回答しか出てこないでしょう。


また、単なるダジャレでしかない「アジ味」や、

稚拙極まりない「ウンコ味」等のシモネタも必ず出てくることになります。


もしこのお題を改良するとしたら…

「新発売のアイスが大不評! いったいなぜ?」


こうすることにより、味だけではなく、パッケージや商品名、形状、製法、

宣伝・販売方法等をイジれるようになり、回答の幅が広がります



~つづく~