【ピグ寄席】司会上達マニュアル<其の弐> | ウル虎のぉと

ウル虎のぉと

そのときそのとき興味のあることを

さて、前回の記事 で、司会をする上で最も重要なことは

スピード&テンポお題を復唱すること

と紹介しましたが、ではなぜそれがそんなに重要なのか、

具体的に説明しましょう。


ヘタクソな司会の典型として、最初にお題を発表したものの、

そのあとずっとお題を復唱しない人がいます。

では、なぜお題を復唱しないのか。


1.最初に一度言えば十分だと思っている

2.「お題は何ですか?」と聞かれたら言えば良いと思っている

3.コピー&ペーストの準備ができていない

4.場当たり的な司会で、特に何にも考えていない


おそらく、これらの理由が挙げられると思います。

3と4は論外として、1と2のように考える方はたくさんいるでしょう。

しかし、それは大きな過ちなのです。


たしかに、回答者も客席も入れ替わりのない場所であれば、

さして問題はないかもしれません。

ただ、ピグの寄席では回答者も客席も、激しく入れ替わります。


当然、お題がわからないのに、それに対するボケを見ても、

何が面白いのやらさっぱりわかりません。

ということは、回答者がせっかく練って考えた面白いはずの答えも、

面白くないものになってしまうのです。


そしてたまらず「お題は何ですか?」と聞く人が出てきます。

司会はその都度大喜利を中断して、お題をタイピングします。

これではテンポが崩れてしまい、やがてグダグダになり、

最終的には場が荒れてしまいます。

まさに負のスパイラル。

つまり、誰も得をしない状態に陥ってしまうのです。


司会は、回答者のボケを拾ってツッコミを入れたりイジったりして、

さらに面白く、つまりおいしくしてあげなければいけません。

客が何のお題でボケているのかわからないままで笑ってもらえず、

回答者がおいしい思いをすることがあるでしょうか?

これは完全なボケ殺しであり、司会者の罪です。


「IPPONグランプリ」や「着信御礼!ケータイ大喜利」で、

回答の前に必ずお題を復唱する意味がお解りでしょうか?

途中からチャンネルを合わせた人にもわかってもらうためです。

また、毎回同じタイミング(回答の直前)にお題を復唱することで、

全ての回答に対して平等なコンディションになるからです。


一発ギャグでない限り、ボケフリなしには成立しません。

大喜利の場合、“フリ”とは“お題”のことです。


司会がお題を発表する

回答者が手を挙げる

司会が当てる

司会がお題を復唱する

回答者が答える

ツッコミを入れる


このサイクルさえ守っておけば、途中参加の人でも楽しめて、

ボケを殺すことなく、テンポ良く進行できるのです。



~つづく~