と思ったら・・・

今週は、SBIの悪徳商法?騒動に動揺しましたが、既に割安だからか株価にはほとんど影響なかったようですね
この件に関係なく、たまたまSBIアセットマネジメント管理のファンド状況をHPで見ていてインセンティブファンドが急騰していることを発見
http://www.morningstar.co.jp/webasp/sbiam/rating/sa_2006090803.html
9/27に基準価格4191円だったのが9/28には21894円に暴騰
9/27はKLabが上場した日です
これは大発見だとネットで検索してみるとFACTAが同じネタを書いてました

FACTA 北尾SBI「金の卵」簒奪商法」
上場前に身内ファンドに付け替えて果実を山分け。残りは死屍累々の投資先124社。全貌を丸裸にする。
2012年1月号 [ 「最後の株屋」の正体]
http://facta.co.jp/article/201201036003.html
ネット上ではごく一部しか公開されていないので全貌はわかりませんがSBIグループ インセンティブファンドが問題視されているようです

インセンティブファンド暴騰まで調べているとは、さすがにオリンパス事件をすっぱ抜いた編集社だけはありますね

死屍累々の投資先124社とは、先日も書いた個人向けに販売されたSBIブロードバンドキャピタルファンドの投資先の事でしょうか?
ファンドが終了し、投資家に運用報告書を送っているでしょうからそれを入手し分析したのでしょうか

FACTA記事の全文読まれた方 もう少し情報いただけたら幸いです




SBIグループ インセンティブファンド2006年第1回

下記のファンド概要は、2007年に行われたインフォメーションミーティング説明資料より
2006年にストックオプションの代替に設立されたファンド
主な投資対象:SBIグループの上場企業及び未上場企業を主要投資対象とします
特色:SBIグループの役職員のための専用ファンドとします。上場企業はSBIグループの株式に投資います。
未上場企業は、早期の上場が見込まれる株式に投資を行います。上記の他、債券及び金融商品への投資も行いますs。
当初設定元本15億8240万円

有価証券報告書
5期(最新)
http://toushi.kankei.me/docs/pdf/S0009UUG

1期
http://toushi.kankei.me/docs/pdf/0070HLC6
2期
http://toushi.kankei.me/docs/pdf/S00020CP
3期
http://toushi.kankei.me/docs/pdf/S0004QJW
4期
http://toushi.kankei.me/docs/pdf/S0007BK4

直近のH23年10月末現在の資産状況(評価額)
純資産28.47億(内訳 株式等96.36% 現金3.64%)
モーニングスター 1503万円
SBI GLOBAL INVESTMENT(韓国関連会社) 421万円
SBIトランスサイエンス(未上場) 275万円
IP投資事業有限責任組合 27億2213万円

H23年9月7日(決算期末)
SBIホールディングス 1.2億円
モーニングスター 1673万円
SBI GLOBAL INVESTMENT 7540万円
SBIトランスサイエンス 275万円
IP投資事業有限責任組合 4億3281万円

上記の数字からIP投資事業有限責任組合への投資分が6.3倍になっているのがわかります
この間、投資口数は399口で変わりないので1口単価が大幅上昇した事になります
これは KLabが上場した時期と重なります


しかし、この組合には有証より1期から投資しているのが確認でき、
FACTAがいう身内ファンドに付け替えには当たらないのではないかと思われます


1期 保有株数:3億7千万株(簿価1株1円 簿価3億7千万円)
  (10月末評価額)6億1667万円 
2期 保有株数:399株(簿価1株100万円 簿価3億9900万円)
  2900万円追加出資しているのが確認できます
  (10月末評価額)3億5690万円
3期 保有株数・簿価に変更なし
  (10月末評価額)3億4982万円
4期 保有株数変更なし 簿価4億6383万円 なぜ簿価だけ変化?
  (10月末評価額)3億9117万円
5期(今期)保有株数・簿価に変更なし
  (10月末評価額)27億2213万円

付け替えと言われる根拠は、KLab目論見書で開示されているH23/5/13のSBIブロードバンドキャピタルからSBI-R&D投資事業有限責任組合に
1株1490円で総額5億421万円で売却した取引だと思われます
KLab 上場時の目論見書
http://www.klab.jp/ir/pdf/3656_KLab_prospectus_1108.pdf

このR&Dファンドの実態は不明ですが、今期の1QにSBI本体の連結対象になっているので過半出資していると思われます

KLab上場時のSBIグループ保有状況
SBIホールディングス 48万株 簿価6.4億円
SBIファンド 184万9500株 簿価22億2021万円
内訳
SBIビービー・モバイルファンド 56万1600株
SBIビービー・メディアファンド 39万7800株
SBI-R&Dファンド 33万8400株
SBIブロードバンドファンド1号(機関投資家向け)55万1700株
大量保有報告書
http://toushi.kankei.me/docs/pdf/S0009GEL

目論見書より利害関係者の株式移動状況
H21/3/2 元役員⇒SBIブロードバンドファンド1号 1株10万円 3700万円
    元役員⇒SBIブロードバンドキャピタル 同上 2350万円
    元役員⇒SBIビービー・モバイルファンド 同上 3690万円
    元役員(3人)⇒SBIビービー・メディアファンド 同上 2460万円
    元役員⇒SBIブロードバンドファンド1号 同上 110万円
H23/5/13 SBIブロードバンドキャピタル⇒SBI-R&Dファンド 1株1490円 5億421万円

発行済株式総数・資本金推移より
H18/12/27 シーエーモバイルなどに第三者割当増資 1株40万円 295株
H23/4/21 1:300の株式分割

USEN⇒SBIグループへの株式譲渡リリース
http://www.usen.com/cms_data/ir/ir_news/pdf/2007/20070205_333.pdf
http://www.usen.com/cms_data/ir/ir_news/pdf/2007/20070227_338.pdf
第1弾はH18年12月頃に上記増資価格と同程度?(分割考慮後1株1333円)でSBIファンドが700株取得
第2弾は分割考慮後1株1333円(SBIHD持分計算より)
SBIホールディングス 1600株 
SBIブロードバンドファンド1号 145+1313=1458株
SBIビービー・モバイルファンド 233+1270=1503株
SBIビービー・メディアファンド 233+847=1080株
SBIブロードバンドキャピタル 89+804=893株
上記株数は分割前(×300)

上記USENからの取得分と旧役員からの取得分を加え、1:300分割すると上場前の保有株数と完全一致

これらの取得経緯・価格からIP投資事業有限責任組合の評価額がなぜ9/28日に急上昇したかを考察
SBIブロードバンドキャピタルは個人向けファンドなので除外
SBI-R&Dファンドは今期の1Qに設立したファンドなので可能性はかなり低い
SBIビービー・メディアファンドはフジテレビが9割出資なので除外
残るはSBIブロードバンドファンド1号かSBIビービー・モバイルファンドにIP投資事業有限責任組合が出資していて、
KLab株が急騰した事による評価額の上昇
でも両ファンドとも出資総額が326億と320億と巨額でしかも今までにFACTAも指摘するクソ株に投資して大きく毀損している(直近純資産は218億と252億なのでこれは事実)
のでKLab株が上昇したからといって両ファンドの時価が数倍になることはありえない
よってIP投資事業有限責任組合が全額 両ファンドに出資していたとしても今回の事例とは計算が合わない
1期から別の投資先に投資していてR&Dファンド設立と同時に全額入れ替えたという事も考えにくい

結果 私が考察したかぎりではFACTAがインセンティブファンドに付け替えたという指摘は当たらないと思うが
インセンティブファンドがなぜ9/28に6倍以上に跳ね上がったのかは判らずじまい
このファンドも設立時から13%解約による口数減少があるとはいえ15億⇒5.8億と大損していたところに謎の大当たりで救われたという程度でインセンティブの役目は今までは全く果たしていなかったと言えるでしょう


ああ 疲れた
これまでの情報調べるのに4時間もかかってしまった
幾ら暇人とはいえ、CMのように「それ日経に載ってた」みたいにどこかで書かれていたら空しいな~