第1回日本肺高血圧学会学術集会における患者会プログラム(第一部) | ぼちぼち日記~フローランといっしょ~

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2008年4月からフローラン治療をしている「なみかぜ」の日記です。体調第一でぼちぼち更新です。


10月14日に慶応大学日吉キャンパスで行われた
患者会プログラムに参加してきました。

第一部は「市民公開講座」で
まだまだ一般には知られていない『肺高血圧症』という病気を
多くの人に知っていただこうという内容になっていたと思います。

1. 『息切れとはどんな病気からくるのか
  放っておいてはいけない息切れとは』

  木村弘先生(奈良県立医科大学)

 息切れを起こす病気 
・慢性心不全
           ・貧血
           ・COPD
           ・間質性肺炎
           ・肺高血圧症

 若い人でも高齢者でも、数年で「息切れ」が進んだと感じたら
 『肺高血圧症』の可能性がある。
 息切れが強くなってきたら要注意。


2. 『肺高血圧治療の進歩
  この15年間を振り返って』

  京谷晋吾先生(京谷医院)

 肺高血圧とは?
 →心臓から大動脈とは別に、肺にのみ流れる
  肺動脈の血圧が高いことを言う。

 肺高血圧になるとどんな症状がでるか?
 →息切れ、むくみ、失神

 肺高血圧になるとどうなりますか?
 →以前は生存率が悪い病気だった。
  確実な診断、しっかりした治療をする。
  内科的治療 ・持続注入(点滴薬)
        ・内服薬(あまり重症でない人)
        ・吸入薬
  外科的治療(肺移植)
   内科的治療でおいつかない場合。


3. 『肺高血圧治療と肺移植』
   伊達洋至先生(京都大学)

 薬の治療で改善されない場合、肺移植を考える。
 肺高血圧症に対する移植=両肺移植

 肺移植待機患者数と実施数
 →今日現在200人超の待機患者
  肺移植は年間30人前後
  平均待機期間は800日
  待機期間が長い人から優先的に移植
  (病気の重症度では無い)
  薬でのコントロールが難しい患者さんは
  早めに登録する。

 肺移植をすると肺高血圧は治ります。
 ・手術自体に10~20%のリスク
 ・免疫抑制剤を一生内服

 肺移植後の生存率
 5年 80% 10年 75% (伊達先生の場合)
 世界の標準よりは良いが、100%ではない。

 肺移植が必要かどうか、見極める
 →専門医と相談

 臓器提供に関してもっともっと国民の理解が必要。


4. 『肺高血圧症と診断されて』
   村上由希子さん(PAHの会 患者代表)

 日本人で初めてアメリカに渡って(1996年)
 フローラン治療された方です。

【村上さんの経過】
 小3~ 息切れ、集団登校についていけなくなる
 中学  階段、坂道を上りきるとよく倒れる
     歩くことがつらくなる
     病院に検査に行くが原因がわからず
 中2  足のむくみ→大学病院へ
     「治療法は無い、余命6ヶ月」といわれる。
     親戚が米国で医師をしていたため、フローランの存在を知る。
     コロンビア大学病院に入院→フローラン治療を開始
     元気に!!
 高校生 高校生活を満喫
 高2~ 喀血→窒息→心不全が進行
 大学  喀血後、岡山大学病院(当時)伊達先生に出会い
     両親から生体肺移植   

 村上さんからのメッセージ
 ・早期に診断、治療する事が大切!
  おかしいな?と感じたら、早めに信頼できる専門医へ。

 ・治療方法の進歩
  希望をもって、あきらめず前向きに治療していく事が大切。

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(私の感想)
司会がテレビ朝日・報道ステーションのキャスター
小川彩佳アナウンサーでした。(きれいでした!)

市民公開講座ということで、
「肺高血圧症」を知ってもらおうと
わかりやすい内容になっていたと思います。

特に、最初の自覚症状である「息切れ」について
細かい説明、注意喚起がされていました。

ご自分に起こった症状や治療の様子を話してくださった
患者さんの体験談が、
この病気を知るにはとてもわかりやすく
一般の方にもイメージしやすかったと感じました。