目指すべき方向性の模索 | 会計事務所応援 ブログ

目指すべき方向性の模索

みなさん、こんにちは。


私の住んでいる町は、
東京から一時間ほど離れた
郊外にあるのですが、

都心の飲食店などとは違い
近所で日頃から行列が出来たり、
予約が取りづらい店など滅多にありません。


そのようななか、
その滅多にない人気店の2つに
私はたまに足を運ぶことがあるのですが、


その2つの店はある意味、
まったくサービスが大局に
あるといってもいいのかもしれません。



1つは、私が物心ついたときからある、
安くてうまい焼肉店です。

おそらく出来てから40年ほど
経っていると思われますが、
平日でも休日でも開店前から閉店間際まで
人が途切れているのを
ほぼ見たことがありません。


飲んで食っても2500円くらい。

大衆の味方のようなお店。



一方で、ランチもディナーも
やはり平日でも3、4週待ちは当たり前という
懐石料理のお店があります。

周囲に500円、1000円で食べられるお店が
ゴロゴロあるなかで、


ランチは最低2500円~

ディナーは最低5000円~

町の雰囲気には似つかわしくないような
高級感あふれるお店。



当然のことながら、
両者の客層は全く違います。


この2つのお店はライバルでも何でもなく、

しかも、出店する潰れるを繰り返す
飲食店間の激しい生存競争とは無縁のように

独自の路線でサービスを極め、
地元のお客様の支持を集めているのです。



とにかくうまくて安いを追求するために、
圧倒的な集客力で、
いわゆる薄利多売で利益を獲得する仕組みか。


それとも、料理人や素材を厳選し、
要するに高い付加価値を
求める客だけに焦点をあて
「店が客を選ぶ商売」によって、
利益を獲得する仕組みか。


景気の上がり下がり、
○○ブームといった流行り廃り、
競合店の進出などには
まったく左右されずに、
独自の路線を突き進む両者には、

「他がどう動いているか」

というよりも、

「自分達がどう動くか」

だけし、関心がないような気がしてなりません。



このような例は、別に
飲食業に限ったことではなく、
会計事務所でも
言えることではないでしょうか。


しかし、士業の特性か、

あまり「薄利多売」を前面に押し出した
営業活動をしている税理士先生を
私はほとんど見たことがありません。


どちらかというと、
「店が客を選ぶ商売」を望みつつも、
現実的には薄利多売に
なってしまっていることを
自覚している先生方が多いような気がします。


ところが、結果的に薄利多売スキームに
なっている事務所にも、
このところ逆風が吹いています。


多売するために必要な人材が
そろわないということです。



ローコストオペレーションが機能しなくなると、
そもそも低価格サービスにムリが生じ、

仕方なく一件あたりの価格設定を
上げていかなければならなくなります。


しかし、価格設定を上げるということは、
すなわち付加価値の高いサービスの提供。

事務所においては付加価値の高いサービスを
提供できるだけの人材が必要となるのです。


そこで、このところ所長先生自らが
職員そっちのけで
お客様を回らざるをえない
事務所を良く見かけるようになりました。


事務所のサービスの方向性を決める際、

単純に「高級路線」か「大衆路線」かという
選択肢だけではないとは思うのですが、


それこそ周囲の状況に流されて、
意図せず上げたり下げたりを繰り返していけば、
その先あまり良い結果にはならないことは
どなたでもわかることです。


競争を意識せずに独自路線を進むには、
やはりしっかりとしたサービスの
方向性の設定が必要で、
それに合わせた価格決定や人材確保が
不可欠となってきます。


「なんとなくなっちゃった」という
サービスの決め方でも、
そこそこなんとかなった時代は
そろそろ終わりなのかもしれませんね。



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