糠に釘 | 会計事務所応援 ブログ

糠に釘

みなさん、こんにちは。


私どもは財務システムCASH RADARを
Dos版から開発してすでに
20年以上が経過していますが、


その後2回の大規模なシステム
リニューアルを経て現在に至っています。


とくに現在のクラウドシステムである
3代目CASH RADAR PBSになってからは、

モバイルやデータストレージ、
直近だとFinTechなどIT技術の進化を
ダイレクトに反映したメニューを
次々に提供することができるようになったため、


日常業務の効率アップや、
これまで実現できなかった
業務スタイルの創造と言った具合に、

単なる財務システムという範疇を越えて
様々なサービスを供給できる
可能性が拡大しています。


拡大してはいるのですが、
私は少々不安も感じています。


それは、システムユーザーである
税理士先生ならびに顧問先経営者様の
高齢化問題です。


5、6年前ぐらいまでは、
自らシステムを操作し、
その使い勝手に自ら評価を下していた先生方も


約20年の時を経て、
(私どものユーザーは本当に長くシステムを
ご愛用いただいている先生に恵まれています)

直接システムに触れる機会が減り、
新しいオプションシステムが次々に登場することで、
初めのうちは何とか頑張って
勉強していただいていくうちに、

やがて諦めの気持ちが勝ってしまい、


「もう私にはよくわからないから、
 ウチの職員に説明してやってくれ...」


という心理状態になってしまうのです。


私は入社一年目から、

お客様にシステムの説明をするときは、
「小学生でもわかるような
 簡単な表現を心掛けるように~」

と徹底されてきましたので、

一生懸命表現を噛みに噛み砕いて説明するのですが、

「木村さん、やっぱりわからないよ」

と言われてしまうのです。


息子さんや娘さんが資格を取り、
次を引き継ぐことを決定しているような
事務所であれば、

だいたい私と同年代ですから、
その方に説明したうえで、
判断の一つとしていただく選択肢があるのですが、


二代目の存在も不明確、
さらに所長先生の意思決定力が絶大であれば、


若い職員さんに説明したところで、
その判断がそのまま先生の判断材料として
評価されるということはまずありません。


そして、事務所全体が急激に
進化するIT化の波から徐々に取り残されていく。



年齢に関係なく、
新しいことに挑戦する税理士先生がいる一方で、
このような事態に陥りつつある事務所が
実際に存在することを否定できません。


おそらく、
今後新たに契約を締結するような
顧問先の経営者は、
それなりのITリテラシーをお持ちで、
それが前提で会計事務所のサービスというものを
想定していることだと思います。


それがもし、
事務所側で「糠に釘」のような反応を
してしまったとしたら...


考えすぎかもしれませんが、

みなさんの周辺でも
すでに起きていることかもしれません。


この問題に有効な
打開策はあるのでしょうか。


ベテラン先生の事務所の3年後、5年後が心配です。



にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ    
良かったら、毎日1回クリックしてください。