「トップダウン⇔指示待ち社員」の関係は変えられるか | 会計事務所応援 ブログ

「トップダウン⇔指示待ち社員」の関係は変えられるか

みなさん、こんにちは。


軽自動車のスズキで、
このたびの燃費データ不正計測問題の責任を取り、
鈴木修会長兼最高責任者がCEO職を返上
トップダウン経営から集団指導体制に
移行すると発表した報道がありました。


一代でこれだけの巨大企業に成長させた
鈴木会長の手腕は、
誰もが脱帽だと思いますが、


その手腕がずば抜けているだけに


“トップダウン体制=上に物言えぬ環境”


という構図が出来上がってしまうことは
誰もが頷くところではないでしょうか。


凄腕の経営者になればなるほど、
会社を急成長させるためにどうしても、
ワンマン体質が常態化し、


逆に言えば、上に物言えぬ社員、
さらに言ってしまえば指示待ち社員の
構造を作り上げてしまう風土が
出来てしまう宿命なのではないでしょうか。


そうかといって、
ただ部下から挙がってくる
アイデアだけで会社が成り立つかといったら
そんなに甘いものではありませんよね。


やはり、経営者の方針あっての
ボトムアップでなければならないと思います。



話を戻しますが、
トップダウンから集団指導体制へ

という移行は、この税理士業界でも
良く耳にするフレーズです。


たった一人の偉大な創業者が
ゼロから築き上げて来たものを、

たった一人に引き継がせることは
荷が重いとの配慮から
そのような体制を目指そうと
舵を切ることになるのでしょうが、


それは理屈通りにいく

そんなに簡単なものではありません。


やはり、上層部が指示待ちの快適さを
10年、15年と続けていれば、
誰でも「自分がゼロベースから
この事務所を引っ張っていく」という
強い気持ちは生まれにくくなるものです。


ましてや、集団指導体制であれば、
物事は多数決で決まることになりますから
時間をかけたわりには、結局無難なものに
まとまっていくわけです。


「船頭多くして船山に登る」という
ことわざがあるように、

やはり集団のなかに、
きちんとしたトップ役が育たないことには
組織はなかなかまとまりません。


スズキのように、
会計事務所の場合も、
その集団指導体制のなかに親族が入ることが
多いのですが、


やはり周囲の協力をうまくとりつけつつ、
できるだけ早い段階で、
頭一つ上に出ることが必要ではないでしょうか。


しかし、ここで問題があります。


創業者の影響力です。


やはりここまですべての采配を
振るってきたわけですから、

集団指導体制を構築するとはいえ、
やはり口を出さずに、いきなり
フェードアウトするということは
まずもって考えにくいことだと思います。


二代目の息子さん、娘さん可愛さに、
あるいは会社の行く末が心配で
いつまでの補助輪を外せずに、

お客様も職員さんも
初代が作り出した影響力の輪のなかから
いつまでも抜け出せないというケースも
よくあることです。


ちなみに、
この15年ほどの私の記憶のなかで、
私が「○○年にこの事務所から引退する」と
宣言した先生が、
一切の影響力を無くし
その期限通りに実施された例は、
たった一例しか見たことがありません。


大企業、中小企業、
トップ人事に絡むこのあたりの事情は
実はそれほど変らない気がしてなりません。


しかしながら、

指示待ちで良い快適な環境は、
一生続くわけではありません。


ましてや会計事務所の場合、
大企業と違い、一人一人の

事務所における勤続年数を考えると
それほど悠長なことも言っていられません。


なかには創業者と一緒に、
事務所も無くなってしまったという
事例も私はこれまでに何度となく見てきましたが、


やはりそこで働く職員さん、
サービスを受けてきたお客様がいらっしゃる以上、
『永続的に続いていく』という前提に立った、
組織体制を意識することが大切ではないでしょうか。


60代以上の所長先生にとっては、
おそらく他人事ではない課題だと思います。


大きな問題が発生する前に、
少しずつでも解決の道筋を
つけておきたいものですね。


もちろん、それが出来るのは

所長先生だけですが...




にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ    
良かったら、毎日1回クリックしてください。