『低価格の報酬≒低い満足度』の不思議 | 会計事務所応援 ブログ

『低価格の報酬≒低い満足度』の不思議

みなさん、こんにちは。


毎月“5万円”だった顧問料が、
別の事務所に移ったら
同じようなサービスのまま
“3万円”で済むとなったら、
誰でも「お得」になったと感じますよね。


しかし、同じような
規模の企業が知り合いにいて、
同様のサービスを“2万円”で
受けているとなったらどうでしょう。


たちまち、それまでの
お得感は消えてなくなり、
不満や不信に変る
かもしれません。


「税の手続きのために仕方ない出費」と
しかとらえていない経営者層にとって、

目先の税理士報酬額ばかりに注意がいき、
税務サービスの中身そのものには
価値を感じていただけない方がいることを
私達は決して無視することはできません。


そして、些細なトラブル発生で
また別の税理士へ。


みなさんの事務所では、
このような経営者から相談を受けた場合、
ご自身の事務所のサービス提供を望みますか?


それとも、長いお付き合いが
できそうもないことを考慮し、
失礼のないようにお断りを入れますか?


私達は、顧問先拡大の支援に、
各事務所で営業同行をさせていただいた際、

このような場面に遭遇し
とるか、とらざるべきかで
葛藤する税理士先生を何人も見てきました。


勿論、「ウチの事務所に来れば、
お客様の考え方はきっと変わる」と、
強い自信から獲得に走る方もいらっしゃいました。


しかし...


その後の結果を確認させていただく限り、
やはり経営者の思考というのは
そう簡単に変わるものではないことを
痛感することになります。


『価格に笑うものは、価格に泣く』


私は、商品でもサービスでも、
“その価値は○○円相当”と
冷静に見積もることのできる力量は、
経営者にとって何よりも
大切ではないかと考えています。


残念ながら、
私のようなサラリーマンの場合、経営者と違って
その投資に対して無限責任を
負う立場にないため、

感情が入って冷静に判断できなかったり、
必要以上に厳しめに見積ってしまう
傾向があります。


ところが、それと似たような
感覚の経営者になると、
理屈抜きにとにかく金額が低いことに
価値を感じてしまうことから、
些細なトラブルでも「損した、金返せ」と
大事に発展してしまうのです。



それでは、その逆で
前の税理士先生が毎月“5万円”で
行っていたサービスに、
独自の付加価値をつけて
毎月“8万円”の料金提示を行ったとしましょう。


独自の付加価値とは、

そのお客様が前の先生において
実現できなかった不満要素をきちんと洗い出し、
そこを手当てするために
追加でお支払いをいただく対価と
置き換えることもできます。


下がる提案と比べて、上げる提案の方が
難易度があがるのは間違いありません。


そこで、物理的な金額はともかく、
「なぜ高いと思うのか」
お客様の頭の中を
整理してあげる必要があると思います。


当然、同業ですから、
なぜ前の先生が5万円の
価格設定ににしているのか、
おおよその見当はつくはずです。


それが明らにお客様のニーズにあっておらず、
必要のないサービスが
過剰につけられているのであれば、
それを削る代わりに料金を下げればいいし、


逆に、5万円という料金を
これ以上あげられないから実現できなかった
サービスが存在するのであれば、
その経緯を示しつつ
きちんと料金上乗せの提示をすることで、

足りなかったサービス補充を実現する。


すると、そこに納得したお客様は
晴れてご契約となるわけです。



不思議なもので、
料金が高いお客様の方が、
低いお客様と比較すると圧倒的に
満足度が高いんですよね。


高い費用を払うから満足感も高いのか、
満足感が高いから高い費用を
払い続けるのかはそれぞれでしょうが、


件数は飛躍的に増えて行かないにせよ、
今後「いいお客様」「いいサービス」を
真剣に極めていこうとするのであれば、

やはり価格競争に首を突っ込むやり方は、
良い結果を生まない気がしてなりません。


自分の立場に置き換えてみれば
おわかりになると思いますが、


“そんなに報酬をもらっていないのだから
 この程度のサービスで納得してよ”


という商品・サービス提供者の考えは、
お客様には全く通用しません。


そういう意味では

所長先生、あるいは所内のスタッフの
モチベーションを維持するためにも、
お客様を選ぶところに、
もっとエネルギーを使うべきではないでしょうか。







にほんブログ村 士業ブログ 税理士へ    
良かったら、毎日1回クリックしてください。