西新宿歯科クリニック 院長の武末です
先週の7月4日(土)、よみうりホールにおいて、第15回口腔保健シンポジウムが開催されました。
テーマは「お口とカラダの健康のためのインターネット活用術」でした。
私は土日と山形の酒田市にて開催されていたOP(オーラルフィジシャン)チームミーティングへスタッフと
参加のため、東京におりませんでしたが、その時のダイジェストが届いたので、皆さんにも公開したいと
思います。
講演は以下にご紹介するお二人とヨガインストラクターの千葉さんによるものでした。
テーマとタイトル、内容の要約をご紹介します。
海原純子氏(白鵬大教授、ハーバード大客員研究員)による基調講演
こころとカラダをつなぐお口の健康の為のヘルスコミュニケーション
~インターネットで“医療格差”を克服しよう~
【内容】
海原氏は、従来の新聞やテレビなどのメディアを使った情報収集に比べ、インターネットの迅速性や拡散性、
膨大な情報量を評価し、医療知識格差克服に向けて各年代ともに、積極的にインターネットを活用して
歯に関する情報を収集する有効性を指摘されました。
安藤雄一氏(国立保健医療科学院口腔保健部口腔保健情報室長)
健“口”情報とインターネット
~歯とお口、お口とカラダの健康を守るために~
【内容】
安藤氏は、厚生労働省のe-ヘルスネット(健康増進総合支援システム)作製に関わったことから、
インターネットで歯に関する情報収集をする際のポイントについて概説し、
質の高い検索結果を得るためには、
「病名+『根拠』のキーワードで検索することが大切」と指摘されたそうです。
また、現在日本歯科医師会では、成人歯科健診のガイドライン見直しを進めており、歯科医師による口腔健診
(受診勧奨中心)の従来型から、コミュニケーションを重視した新しい歯科健診を目指して、
インタラクティブソフトウェアの開発を行っていることも発表されました。
個人的に今回私が特筆すべきは、安藤氏による 病名+「根拠」 のキーワードでの検索をするという
アドバイスです。これは我々医療人にとっては当たり前かもしれませんが、一般の方にとっては
意味不明?なぜ?「根拠」って入れたときと入れない時の違いは何? と分からないかもしれませんね。
もう10年ほど前から、医学の分野では盛んに言われるようになったEBM
EBMとはEvidence Based Medicine つまり 根拠(証拠)に基づいた医療のことです
このEBMに基づいた治療をおこなうべきということが言われるようになったのです。その背景には医師
個人の経験や勘といった部分に依存した医療が行われてきた過去の反省があったわけです。
ですからこの安藤氏のアドバイスにある「根拠」も一緒に入れるというのは、より質の高い、信頼性のある
情報にたどり着くための、有効な手段なのです。
ただし、当然ながら「根拠」というキーワードを入れるとそれだけ検索に引っかかる情報は少なくなります
から、ケースバイケースで臨機応変にこの「根拠」のキーワードを追加しての検索を使ってみてください。
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