読者のみなさま
こんばんは。
4期ゼミ長の児玉です。
秋も一段と深まり、朝夕の寒気が身にしみる季節となりました。
紅葉狩りがてらドライブにでも行きたいような心地にかられますね。
今回お伝えすることは、以下の三点です。
- 本日の活動報告 (個別ガイダンス・OPENゼミ)
- 「ゼミを選ぶこと」の意義
- フェルミ推定のすゝめ
1.本日の活動報告 (個別ガイダンス・OPENゼミ)
今日はゼミの個別ガイダンスに加えて、OPENゼミの日でもありました。
※個別ガイダンス=ゼミ入室試験に向けた概要・試験情報の説明
※OPENゼミ =実際のゼミ風景を2年生が見学
(写真 個別ガイダンスの様子:ゼミ生撮影)
個別ガイダンスは45名、OPENゼミは12名もの
2年生にお越しくださいました(どちらも西村ゼミ調べ:前年比UP)。
わざわざ足を運んでいただき、ありがとうございました。
個別ガイダンス・OPENゼミどちらも、残り2回ずつ予定しています(下図参照)。
(図 個別ガイダンス・OPENゼミのお知らせ)
上図は、10/23(日)に開催された、ゼミナール発表会で提示したものと同じものです。
入室希望者は、万障お繰り合わせの上、奮ってご参加ください。
本日は、邦書輪読・ミニレポートの日でしたが、
その内容に関してはここでは割愛いたします(笑)
詳細を知りたい方は、是非ともOPENゼミへの参加をお勧めします。
2. 「ゼミを選ぶこと」の意義
「人生は選択の連続である」
これは、16~17世紀に活躍したイングランドの詩人・シェイクスピアの金言ではありますが、
「どのゼミに入室するか―――」
この意思決定は、今後の人生を左右する要因に間違いなく相成ると思います。
数年後、数十年後、人生を振り返った際に、
今回の決定を悔やむことがないように、情報をより多く収集し、
「何が自分にとって最良な選択なのか」
これを主体的に考えた上で、入室希望のゼミを選択してもらいたい。
個人的には、そう考えています。
3. フェルミ推定のすゝめ
ここからは、(実益を兼ねた)完全な趣味の領域ですので、
興味のある方だけお付き合いくださいませ。
フェルミ推定とは、「つかみどころのない物理量を短時間で概算すること」(細谷 2007)です。
より具体的に説明します。
問題:「日本全国における電柱の本数は?」
という問題を、
① 制限時間:3分
② 電卓・PC等の利用は不可
③ 一切の情報参照不可
ここに掲げた3つの制約のもと、解を考えていこうというものです。
一見、見当もつかなさそうに思えますよね。
しかし、いくつかの前提条件を自ら設定(「モデル化」)し、
それらを組み合わせることで、この解を求めることができます。
【解答例:アプローチ方法】
① 面積あたりの電柱本数を日本国土に展開する
② 日本国土を「市街地」と「郊外」に分類
③ 市街地における電柱本数 = 面積あたり電柱本数 * 市街地面積
④ 郊外における電柱本数 = 面積あたり電柱本数 * 郊外面積
⑤ 日本全国における電柱本数 = ③で得られた電柱本数 + ④で得られた電柱本数
以上のアプローチ方法に従って、実際に計算してみましょう。
【解答例:計算】
① 面積あたりの電柱本数を日本国土に展開する
日本の国土=38万 km^2 (概算としての知識)
② 日本国土を「市街地」と「郊外」に分類
「市街地」=国土の2割と仮定 → 38 万km^2 * 0.2 = 7.6 万km^2
「郊 外」=国土の8割と仮定 → 38 万km^2 * 0.8 = 30.4 万km^2
③ 市街地における電柱本数=面積あたり電柱本数×市街地面積
「市街地における面積あたり電柱本数」=1km^2あたり 400本と仮定
→ 7.6 万km^2 * 400 = 3,040 万本
④ 郊外における電柱本数=面積あたり電柱本数×郊外面積
「郊外における面積あたり電柱本数」=1km^2あたり 10本と仮定
→ 30.4 万km^2 * 10 = 304 万本
⑤ 日本全国における電柱本数 = ③で得られた電柱本数 + ④で得られた電柱本数
→ 3,040 万本 + 304 万本 = 3,344 万本
ここで、フェルミ推定により、
日本全国における電柱本数は、3,344 万本という値が導かれました。
では、実際の電柱本数を調べてみましょう。
日本における電柱本数は、2014年10月28日時点で、以下のとおりになっています。
「33,370,147本」
(NPO法人 電線のない街づくり支援ネットワーク 2014)
つまり、概数で3,370 万本というわけですね。
さて、いかがでしょうか。
フェルミ推定の結果と、実際の測定結果の誤差は、わずか26 万本。
3,300 万本における 26 万本ですから、 1%以下というわけですね。
このフェミル推定は、物事を「ざっくりと理解」することに役立つとされています。
ミクロの視点で見ることも無論重要ではありますが、
「合成の誤謬」「木を見て森を見ず」「鳥の目・虫の目・魚の目」という言葉もあります。
まずはじめに、マクロの視点で物事の大枠を把握してから、
次に細部の理解に努める、という観点が課題解決には重要なのではないでしょうか。
この推論方法に少しでも興味を持って、
さらには実践していただければ幸いです。
以上
Author
4期生ゼミ長 児玉
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【参考資料】
・細谷功(2007),『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』,東洋経済新報社
・NPO法人 電線のない街づくり支援ネットワーク(2014),「日本の電柱の数」,<http://nponpc.net/2014/10/28/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%9B%BB%E6%9F%B1%E3%81%AE%E6%95%B0/>,(参照:2014.11.04)