だんだん寒くなってきましたね。

風邪をひかれている方が増えてきました。

乳幼児においては、RSウイルスも全国的に猛威をふるっているようで、

当院周辺、東大阪でも保育園などでRSウイルスに感染しているお子さんが

多くあるようです。

手洗い、うがいは非常に重要です。できる限りの予防をしていきましょう。



ところで、今日はスギ花粉症に対する舌下免疫療法についてです。

当院では今年の秋より舌下免疫療法を開始しています。

一般的に花粉症の治療としては、飲み薬、点鼻薬、手術などがありますが、

いずれもこれらは症状を抑えるいわゆる「対症療法」です。

しかし舌下免疫療法は、アレルギーを起こさないように、

根本的に体質を変えることを目的とする治療です。

具体的には、アレルギーを起こす原因となる物質

(例えばスギ花粉症の方ならスギ花粉、)

を体に継続的に体に触れさせて慣れさせる治療です。

少量の薬液を舌の下に入れ、2分間保持し、その後飲み込みます。

原因物質を始めは薄い濃度から、順に濃い濃度へと上げていきます。

これを毎日1日1回行います。

毎日することは簡単なのですが、
以下に舌下免疫療法のメリット、デメリットを挙げたいと思います。

【メリット】
1、うまくいけば、スギ花粉の時期の症状を減らすことができ、

内服などの治療をしなくてすむ、もしくは減らすことができる

2、今までの皮下注射に比べ、内服で済むため体への負担は少ない

3、月1回定期的に薬をもらうために医院に通うのみで自宅で治療が出来る

4、1回の通院時間が非常に短い(診察は基本的に経過良好のチェックのみ)


【デメリット】
1、治療が、最低3年と、長期間に渡ってしまう。

2、舌下免疫治療を開始できる時期がある程度限られる。スギ花粉の飛散時期に始めることはできない

3、アレルギー反応が出る可能性がある。

口内炎、口がピリピリするなどの軽いものから、

頻度は非常に低いがアナフィラキシー反応といわれる、

血圧低下、呼吸困難などの重篤なものを起こす可能性もある。

4、長期にわたる治療をしても、効果が見込めない方もある。


以上舌下免疫療法にはメリット、デメリットがあります。

3年以上継続することが重要で、この舌下免疫療法に対する深い理解が必要ですが、

継続できて効果が出れば、

花粉症の時期を内服を飲まずに快適に過ごすことができる可能性があります。

また、現時点では12歳以上で保険適応となっています。

例年内服や点鼻薬で効果が弱い方や、内服で眠くなりやすい方などは、

一度検討されてみてもよいかもしれません。

3年続けることができるかがネックで、覚悟がいりますが。。


ご興味のある方はお気軽にお聞きください。

まずは診察にて適応となるか判断させていただき、

必要に応じアレルギー検査から開始し、治療のご理解を頂いた方には

開始日を予約させていただく手順をとっています。


また現時点では保険適応はスギのみですが、近い将来ハウスダストも保険適応となる

ことが決定しており、ハウスダストアレルギーで年中症状がある方には朗報かもしれません。


にしかわ耳鼻咽喉科 東大阪 耳鼻科 八戸ノ里 若江岩田 小阪