日本は出遅れか?
東証1部銘柄の騰落レシオ25日移動平均が売られ過ぎ水準の80の近辺で推移している。
直近の騰落レシオの最下限は9月18日の77.1である。 しかしながら9月18日の終値は10,370円と8月中旬以降のボックス圏の中に収まっており、騰落レシオの数値ほど売られ過ぎ感はない。
このような状況の中で個人投資家はどのように動いているのか。
ひとつの参考になる情報としてネット証券の信用取引の申し込み速報がある。
松井証券が日々開示しているネットストック信用取引速報を見ると、売り方も買い方も返済(手じまい)のほうが優勢である。
売り方は利益確定の買い戻し、買い方は損失覚悟の投げ売り、という構図が見える。
だが信用の残高に対する、9月28日の新規の金額を見ると、売り方が12.6%、買い方が5.9%となっている。
つまり売り方に利があると見ている投資家がますます増えているということではないか。
昨日の日経平均株価は75日移動平均線を割り込んだ。 これは過去75日間に買った人は持ち株が評価損になっても不思議ではないことを意味する。
しかしながら現実はそうそう甘くないようだ。
同じく松井証券の信用残速報を見ると、9月28日現在の買残は1665..75億円で評価損率は16.556%となっている。 8月以降に信用で買った投資家が大きくやられていることになる。
たぶん本日は昨日の欧米株式市場の流れを受けて高く始まると思われるが、この評価損を抱えた投資家の戻り売りなどもあって戻りは鈍いのではないかと考える。
世界から取り残される日本市場を出遅れと考える市場関係者もいるが、そうそう高値を目指す環境にはないと考えておいたほうがいいのではないだろうか。