ゼロ金利解除が近づいた | IPOジャパン編集長  西堀ブログ

ゼロ金利解除が近づいた

ゼロ金利解除の条件が整ってきたと報道されている。


ゼロ金利政策っていったい何か?


公定歩合は0.1%。


これ以上に低い金利ってあるのだろうか?


あるんです。


それは無担保翌日物コールレートで0%なのです。


銀行間の貸借りの市場はコール市場と呼ばれ、
期間が翌日までの期間の短いものでオーバーナイト物と
呼ばれのが無担保翌日物コールで金利が0%となっている。


我々がお金を借りたり、預けたりするときに使う金利では
ないのである。


もし0%ならいくらでも借りたいという人もいるだろう。


なぜ金利0%なんてことになっているのか?


昔のことだが、コール市場で資金が取れなくて資金繰りに
困って廃業に追い込まれた証券会社があった。


このように金融機関、特に銀行が倒産の噂がでたりしても
資金繰りに困らないようにゼロ金利で資金調達できる仕組み
を作っているのがゼロ金利政策なのだ。


つまり金融機関救済の政策でもあったのだが、最近は銀行の
不良債権の話も出てこなくなり、もうそろそろ銀行の経営も
大丈夫ではないかとの観測からゼロ金利解除の動きが
この春先から出てきた。


銀行間の貸借金利が上昇すれば、当然、我々の借入金利、
預金金利ともに上昇するのは当然の帰結である。


この金利上昇が企業業績にどのように影響を与えるか?
が不透明であったが故に春先から株価が軟調に動いて
きたわけである。


ところが、ここに来て企業の設備投資の勢いも衰えない
ことがデータで証明されて、金利上昇よりも企業業績の
伸びのほうが強いのではないだろうかとの観測がでてきた
ことが昨日、本日の株価上昇に繋がったといえるだろう。


とは言うものの、長期金利と株式益利回りを比べるとそのスプレッド
は徐々に縮まってきていることも確かだ。


金利は上昇しているが、企業業績の修正は行われていない。


今月末から始まる3月決算企業の第1四半期の業績次第では
企業業績の上方修正期待が高まり株価に好影響となるやも
しれない。


そんな期待でしばらくは株価は堅調に動く可能性は高いが
梯子が外されたときに備えておくことも肝要である。


ここは半身で相場に乗っておいたほうが怪我は小さいかも
しれない。