大きな猫たち | サバンナとバレエと

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ブラジルからの便り

SERRA GRANDE山のふもとにの村に住んでいるアントニオさん。むかし猟師だったのでジャングルをよく知っている。よくガイドをつとめてくれた。もうすでに70を越えているが、すごく達者で私達なんか比べ物にならないほど巧みに山歩きをする。




アントニオさんは話好きだ。いろいろ面白い話を聞かせてくれる。





‘ジャガーが人間を後をつけるって本当ですか


‘ああ、何回かやられた。珍しいとおもったんだろう。だけど本当に襲うなら待ち伏せする。


‘待ち伏せ?


‘ああ倒れた木の後ろとか。


‘ああ、乗り越えたときガーとやられるんだ。


‘それから木の上からにらんでる事もあるんだ。


‘そんなのに会ったらどうするんですか?


‘もしケツから降りてきたら大丈夫、向こうのほうが逃げていく。だけど頭から降りてきたらまずだめだな。逃げても間に合わない。


え????


判るまでちょっとかかった。


想像力を働かせると何となく分かる。 猫がもたもた降りる来るとき、おしりから後ろ足で足場を探しながら降りてくる。ジャガーがそんな動作で降りるのを想像したら嬉しくなった。


でももし頭から降りてきたら?それを実際見たのなら生きてはいない事になる。アントニオさんも人から聞いた話だ。





ピューマもジャガーもネコ科の大型肉食動物である。ブラジルではどちらもオンサ(Onça)とよぶ。ピューマがonça parda、ジャガーがonça pintada。

PINTADAとは 色つき という意味だ。



ブラジルではピューマやジャガーでの事故はめったにない。北アメリカのピューマ(アメリカライオン)は時々人間を襲うが。ブラジルと同じ種だがこちらは餌が豊富なのであまり獰猛にならない。


しかしアマゾンではよくそんな話を聞く。実際におきた話は知らないが、ジャングルベテランの生物研究者の友達はライフルなしではぜったい行かないと言っている。


パンタナルで知り合ったアメリカ人の研究者の女性もひとりでテントで寝泊りするときはガイドがライフルを置いていったという。


まあライフル持っていてもいざとなったら使うことが出来るかどうか。待ち伏せされたら無理だとおもう。私たちはチカン防止のサイレンでも持って歩こうかと検討中だ。




アントニオさんの話もうひとつ。


私の質問。


ピューマを捕まえたいんだけど、餌はなにがいいですか?



いぬ


犬????


犬はピューマの大好物だと聞いたこともあるがさすがに実行できなかった。



サバンナとバレエと

ギアナ付近の軍隊が飼っている雄ジャガー。皮膚病の治療のために麻酔をかけたとき撮影。