あたし達を乗せドバイを発った飛行機が再びシンガポールに着いたのは、6日の早朝。
日本へ発つ便はこの日の深夜なので、今日はシンガポールで丸一日時間があります。
ツアー参加者20名の内15人はオプショナルツアーに参加されたようですが、あたしにはちょっとやってみたいことがあったので友達と2人で自由行動。
というのも、あたし、一度徒歩で国境を越えてみたかったんです。
ご存知の通りシンガポールはとても狭い国なので、お隣の国マレーシアまでもとても近く、通勤などで日常的に国境を越えている人も多いとのこと。
とりあえず徒歩で国境を越えて、国境沿いの町でお昼ご飯でも食べて帰ってこよう、くらいの気持ちで出発進行ー!
この時は、後にあんな出来事が起こるなんて知る由もなく・・・。
まずは空港から地下鉄でブギス駅まで行き、クイーンストリートバスターミナルまで歩いて、そこからシンガポールと国境を接するマレーシアのジョホールバル行きの高速バス(コーズウェイリンク)に乗り込みました。
お値段確かS$2.4。
バス車内は冷房も効いていて快適。
30分くらいだったかな?で、シンガポール側のイミグレに到着。
2階の出国審査場で出国審査を終え、普通なら乗ってきたバスに再び乗り込めばそのままマレーシアまで乗せていってくれるところを、敢えて歩いて。
ちなみにバス・徒歩の他にマレー鉄道でも国境を越えられます。
イミグレを出てすぐ、シンガポール側を振り返って撮った写真。
この日は晴れてとてもいいお天気で・・・。というか暑い。30度近くあったんじゃないのかな??
絶対日焼けするー!なんて思いながら・・・。
いよいよ国境です。
あたしは、国境の「線」を超えたかったんですが、道路の脇にこんな看板が。
どうやら、この付近が国境のようです。適当でいいから線があったら良かったのにな~。
でも線があるところって世界でも少ないのかもしれませんね。このあたり、ってのが多いのかも。
イミグレで入国審査を終え、ジョホールバルの町へ。
マレーシアの出入国カードはイミグレ手前の派出所?でもらいました。
ちなみにマレーシアの物価はシンガポールに比べとても安いので、シンガポールからマレーシアへ入国する車はガソリンが満タンの3/4(だったかな?)以上入っていなければならない、というきまりがあったりします。ガソリン入れに来ちゃダメよって事ですね。
あと、イミグレ付近で左側通行から右側通行へ切り替わるハズなんですが、その境目を探そうと思ったのに忘れてました。
ジョホールバルの印象は、アジア。
ごちゃごちゃしてて、空気が汚く、シンガポールの綺麗に統制された町並みとは全く違います。マレーシアはイスラム圏ですしね。
とりあえずあたりをぶらぶら。
町にはインド系の人も多く、こんな寺院?もありました。
ここでマレーシアに来た記念に絵葉書を出そうと思って郵便局を探したんですが、これがまた苦労しました。
あたし達が方向音痴なのか地○○○○方の地図が古いのか分かりませんが、そこらへんの人に聞いても説明不足&あたし達の英語力不足でよくわかんないし、それ以前に英語をしゃべれない人も多い。
道の看板はマレー語なので、アルファベットのようでいて何が書いてあるのかさっぱり分からない。
そしてようやく辿り着いた郵便局では、マレーシアリンギットかUS$しか使えないと。
イミグレ付近でまずは両替しようかとも思ったのですが、国境沿いの町くらいS$が使えるだろうと思ったのが甘かったわ・・・。
イミグレ付近に戻ってきてマレーシアリンギットに両替し、お腹が空いたのでお昼ご飯を食べようとそこらへんのお店に入りました。
頼んだのは、コレ。
上のヌードルスープのような物は唐辛子の輪切りがそのまま入ってて激辛でしたが、どれもまぁまぁ美味しかったです。
この2人分の量で¥400くらい。マレーシアの物価はシンガポールの半分くらいな感じです。
ここで、一人のおじちゃんが英語で話しかけてきました。
あたし達が 「自分達は日本人で旅行でここに来ていて、そろそろシンガポールに戻ろうかと思っている」 と言うと、
「自分はシンガポール人のエンジニアで、仕事でマレーシアに来ている。もう帰るなんてもったいない!もっと観光していきなさい、自分がタクシーの運ちゃんに安くしてくれるよう頼んであげるから」 と言うのです。
そして彼はタクシーを停め、運ちゃんと二言三言交わすと、そのままあたし達と一緒にタクシーに乗り込むじゃありませんか。
タクシーの運ちゃんは頼りなーい感じのおじいちゃんで、マレー語しか話せない様子。なので彼が通訳をしてあげる、とのこと。
一瞬、「もし彼がこの運ちゃんとグルだったりしたらどうする!?騙されるんじゃない??」
と話したあたし達ですが、なぜかこの親切そうな彼を信じ、そのままタクシーは走り出してしまいました。
写真撮影スポットに着いては写真を撮りすぐにタクシーに戻るという、超スピードツアー。
これはアブバカールモスク。モスクはトルコで若干見飽きましたが、青と白の配色が綺麗。
サルタン王宮。さっきのモスクと同じ人が建てたそうで配色が一緒。
この王宮辺りから、友達が「ケータイがない」と言い出しました。
彼女はケータイのカメラで写真を撮っていたのですが、それがいつのまにかないんです。
ツアーは小1時間で終わり、なぜか中心部から5キロほど離れたバスターミナルへ連れて行かれ、」ここからシンガポール行きのバスに乗れるから」 と言う彼。
っていうかイミグレからもバスに乗れるのに・・・と思いながらタクシー代はいくら?と聞くと、「S$100だ」 と。
有り得ない!そんなに高いはずがありません。
「高すぎるよ!そんなお金持ってないよ!」 と言うと、、「じゃぁいくらなら持ってるんだ!?」 とさっきまでの優しそうな顔とは打って変わってすごんでくる彼。
しかも、ツアー途中で彼に友達のケータイを渡しあたし達2人一緒の写真を撮ってもらったりしていたので、ケータイ持ってない??と何回も聞くも、持ってないよ!と怒り出す彼。
なけなしのS$50を払ったあたし達を降ろすと、無常にもタクシーは走り去って行きました・・・。
タクシーを降りると、一気に脱力感に襲われるとともに、怒りと情けなさがこみ上げてきました。
ケータイはどこかで落としたのか彼に盗られたのか分かりません。そもそもどの時点から無くなったのかも、時差ボケと寝不足と疲労の重なったあたし達には定かではなく・・・。
分かっていることは、「騙されたんだ・・・。」 それだけ。
あの時あぁしてれば・・・と数々の後悔が胸をよぎりますが、後の祭り。もぅどーしようもない。
バスで王宮前に戻りケータイを探しましたが、見つかるハズもなく・・・。
これだけで済んで良かったんだ。高い人生勉強代を払ったと思おう・・・。そんな気持ちを抱えてマレーシアを後にしました。
帰りのバスの中から見た国境をまたぐ水道管。
シンガポールはマレーシアから水を輸入しているんです。
そして綺麗にした水を逆に輸出したりしているらしい。
シンガポールに戻ってきたあたし達は、夕暮れ時のセントーサ島へ。
ここにはお父さんシンガがいます。
お父さんシンガは背が高く、目と口の部分は展望台になっているとのことで登りたかったんですが、もぅお金がなくなっちゃってたので断念。
夜は噴水でちょっとしたショーがあるとのことで、ショーが始まるのを待ちます。
ショーが始まる頃にはすっかり日も暮れて・・・。
向こう側にいるお父さんシンガの目が光り目から光線が出ているのが見えますか?
クライマックス。炎の暖かさが後ろの席まで伝わってきましたよ。
マレーシアでのもやもやをちょっと吹き飛ばしてくれました。
ちなみにシンガポールの地下鉄はデポジット制っていうのかな?切符を買うとこのプラスチックの切符が出てきて、使い終わって券売機に戻すとS$100戻ってくるという仕組みです。
再びみんなと合流し、深夜のシンガポールを後にしました。
もちろん、添乗員さんを始めみんなには、マレーシアであんなことがあったなんて言いませんでした。
機内にて。
あ~、久しぶりの日本食。お箸で食べる食事だわ。
今回の卒業旅行は、良くも悪くも、とても思い出に残る旅行になりました。
これでまたひとつ成長したハズ。もっと判断力のあるオトナになろう。甘い考えは捨てて。
でも人を信じる素直な気持ちは忘れたくないけれど。
旅行代を貸してくれた両親と、この旅で出会った全ての人たちと、今回のあたしの卒業旅行に付き合ってくれて、楽しい時も悲しい時もいつも傍に居てくれた友達に、心からの感謝の気持ちを込めて。
本当にありがとう☆