結論から言ってしまうと、趣味嗜好で検索結果を調整するのがパーソナライズド
サーチだとして、検索は瞬間の欲求だから。

これ、なんか前に1回書いた気がするけどいいや。

■趣味嗜好は常に最適なヒントではない。

パーソナライズドサーチについて、よくある説明がこんなのだ。

たとえばアップルと検索する人がいたとしますよね。
コンピュータのアップルかもしれないし、果物のアップルかもしれない。

でも、その人の趣味嗜好が分かっていてコンピュータが好きだと
分かっていれば apple,inc のページを表示するのがいいよね?

はっきり言って、このアプローチは100%間違っている。

コンピュータ好きかも知れないけど、毎回毎回コンピュータのことを調べるわけではない。
カレーが好きなやつが「インド」って検索したとき、本当はインドの人口を
調べているかも知れないのだ。

サービス業では「要らないサービス」という言葉存在する。
良かれと思ってやってるけど本当はとても迷惑なサービスをさす。

たとえば、新婚さんが旅館に泊まりに来た時、仲居さんが布団を下ろしたあと
延々と観光スポットの話を続けるとかそういう類のサービスを指す。

趣味趣向に合わせて検索結果を調整するのはまさにこの類のサービスだ。

DO YOUR WORK.

説明通りの検索結果を返してくれ。調整はしなくてよい。

■じゃぁどうすりゃいいのさ?



どうすればいいかは、実は Google も Yahoo! も知っていて、すでに一部の
実装が始まっている。

ひとつは複合検索の提案だ。
「インドについて知りたい」って言われただけで分からないのならば、
「インドの人口ですか?」「インドカレーですか?」「インドの首相ですか?」と
聞き返せば良い。

実際、単一ワードの検索のときには実に多種多様なワードが提案される。
素晴らしい。良いサービスだ。

もうひとつが「直前参照」を利用すること。
検索は、大体において一連であるケースがほとんど。
現在の自分の疑問を解消しきるまで、ふつうは検索を繰り返す。

「格安航空券」と検索した後、「インド」と検索した人は観光スポットや
ホテルを探してる可能性が高い。

「カレー レシピ」と検索した後の「インド」ならインド式の作り方を
探しているかも知れない。

リファラでターゲティングする広告はクリック率が高いけれど、
それは「今この瞬間何がほしいか」の良いヒントになるからだ。
(データ出せなくてすんません。試してみてください。)

ちなみにSES NYC に行った時、US の Yahoo! の人が
話してたんだけど、彼らはこの思想に基づいた機能を取り入れようと
思っているらしい(本当にやってるかどうかは知りませんけどね)。

■必要なパーソナライズド


とはいえ、必要なパーソナライズドもある。
ざっくりいうと制約条件にかかわるもの。

たとえば日本語が読めない人に日本語のサイトを表示してもしょうがない。

東京で英会話学校を探している人に北海道の学校を紹介してもしょうがない。

クラシックなところで言うと、「football」はイギリスとアメリカで意味が違う。
そこら辺は空気を読むべき。

そんな感じ。

検索は、瞬間の欲求だ。
普段どんな人かはあまり関係ない。